CX-3と過ごして早くも二ヶ月を経過。カタログでは見抜けない「そーだったのか!」
と思うところもしばしば。オーナーにならないと分からない点がいくつか出てきたので複数回に分けて認めていこうとおもう。
## 試乗だけでは見抜けないクルマの本当のところ
クルマは試乗では見抜けない。というのがCX-3と一ヶ月過ごして分かった。ただ、どんなクルマに乗ってもそうだが、初めてのクルマでもタイヤを数メートルも転がせばそのクルマの70%は素姓が分かると思う。まぁこれは近代の工業製品の効率化が進んだ恩恵で似たようなものが出来るからだろうが、残りの30%はセッティング、装備によるパフォーマンスの違いが顕著に現れるのではないだろうか。
CX-3に限った事ではないが、高価なオプションを付けたはいいが期待はずれだったり、標準で付いているものでも役立たずで、そんなもの要らないからその分車両本体を安くしてもらえばよかったのに…と思うユーザーも少なくないだろう。
## 先ず言いたいのはATのシフトスケジュール
CX-3のオーナーになるくらいお目の高い方なら少なからず感じたかもしれない。それはATのシフトスケジュールが実走行とアンマッチする事じゃないだろうか。燃費運転を心掛けふんわりアクセルを実行した場合、シフトアップしてほしいところでしてくれないのである。具体的にはふんわりアクセルを実践した場合、1速→2速は時速24キロ付近、2速→3速は34キロ付近、3速→4速は46キロ付近、4速から5速は64キロ、5速から6速は85キロ付近でギアチェンジされるポイントだが、これが痒いところで切り替わってくれないものだから、燃費を気にするユーザーとしてはやきもきさせられる。
例えば近所の裏通りでは2速→3速を常用する。時速36キロ付近で加速したり減速したりするので、ギアが上がったり下がったり忙しない。おかげで前後に揺さぶられるスナッチにストレスを感じる事になった。以前乗っていたスイフトのCVTはエンジン回転が微妙に上下しプーリーが移動するだけなのでスーゥっといなし走りは上品ではあったのだ。それはそれでCVTはCVTで常に滑っているような感覚=ダイレクト感は不満ではあった。
4速から5速は街中で流れに乗ったところだと55キロから60キロ付近が多い。ギアを上げようと65キロまで引っぱり5速に入れば、街中で流すにはちょっと速く前車との車間の影響で結局は直ぐに落ちるといった具合なのだ。マニュアルトランスミッションなら任意なのでアクセルワークやクラッチで調整し同じギアで粘っても許容できるがATはノッキングや負荷に対応するためこうは出来ない。
5速から6速は6速低回転で燃費を伸ばそうとするが、都市高速だと85キロ付近で流せば覆面パトの餌食になる心配をしないといけない領域。このように、裏通り、街中、都市高速では上がるか上がらないかの付近で走行するシチュエーションが多いのだ。
この感覚、多くのクルマにある「スポーツモード」にスイッチを切り換えたようなのだ。マツダは何故、このようなセッティングにしたのか?ディーゼル特有の力強さをリニアに感じてもらう為に狙ってるのかもしれない。しかしディーゼルエンジンの特性としてごく低回転からも強靭なトルクを発生するところから、もっとストンストンと、ギアを上げていってもいいのではないだろうか。
それとも、ある程度の回転を保つ事で、ドライバーの高揚を掻き立てる要素を狙っているのだろうか?それはガソリンエンジンでこそ発揮出来ると思うのだが…
先にスポーツモードのようだと書いたが、CX-3は「エコ」「ノーマル」「スポーツ」の設定がない。どんなに安いコンパクトカーにも「SPORT」くらいのスイッチなり、シフトゲートが使いもしないのにあるものだが、CX-3は恐らくパドルシフトなりのマニュアル操作ができる体裁で設定していないのだろう。でも、BMWはもっと細かく設定出来るようになっている。スイッチ一つでコスト上昇が気になるのであれば、BMWのi-driveでもやっているように、マツダコネクト内で設定出来るようにしておくのが合理的ではないだろうか。
## もう一つの理由
独断で書くのも乱暴と思い、気になってメディアに出ているアテンザの記事を見つけると、ディーゼルとロックアップATでは共振音の問題があるようで、ユーザーを不快にさせない絶妙なセッティングを見つけるのに苦労があったと推察出来る。
成る程、音だけの問題であればスピーカーからノイズキャンセリングの周波数を飛ばせば解決できるのでは?この手のテクノロジーは開発陣の世界では裏技なんだろう。であれば大袈裟な話、ATに拘らずともツインクラッチMT、ASGだって…そういえば、スカイアクティブテクノロジーにツインクラッチの構想はなかったのか?と言いたい放題なのは承知の上だが、ATであってもネガティブワードを見つける事は出来ないし、私のようなシロートがしゃしゃり出る幕ではないだろう。
## クリーンディーゼル乗りにとっては気になる燃費
さて最後にCX-3を購入するオーナーにとって重要な燃費をレポートしていこう。
オドメーターは既に4000キロを超え、メーター内の平均燃費は納車スタートからリセットしていない。マツダコネクト内の燃費モニターで直近の燃費も確認出来る事から、生涯燃費を統計出来ると思い、給油ごとにリセットしないようにした。(マツダコネクト内でTRIP A リセットと連動させなければOK)
私の走行シチュエーションを紹介しておくと、5月〜7月上旬の期間、ざっくり高速道路と一般道で50:50、燃費を意識したアクセルワーク、クルーズコントロールのMRCCも使用している。アイドリングストップも多用し、エアコン使用比率は7割くらいだろうか。結果はズバリ、20キロ台をあっさりマーク。みんカラの読者ならご存知の方も多いであろうレスポンスが運営しているe燃費を今回も活用し、給油後に打ち込んだデータ、即ち満タン法から算出した燃費はオンボード表示との乖離が少なかった事は特筆すべき発見。
前回のスイフトではオンボード表示と実際では4キロくらいの乖離があったものの、今回のCX-3では実際の燃費に極めて近い表示がなされるということは、ストレスを感じなくて済む。生産車はJC08モードのロジックを元に算出され表示されていると巷では聞くが、レンタカーも多用する私としては車種ごとに大きく表示が異なる経験をしているだけに、疑問は払拭出来ない。
話が脱線してしまったがディーゼル車に乗りはじめて給油時ににんまりしてしまうのは軽油の価格であることは言うまでもなく、ハイオクが一番高く、軽油が一番低い。変動はあるもののその差30円くらいで推移しているものだから、他車に対してお財布の負担が軽くて済むのはありがたい。48リットルのタンク容量まるまる飲込んでも5000円ちょっとで済むのだから、特に輸入車ユーザーに対してヘヘン、という気持ちになる。それに給油時にスタッフへ「軽油、満タン」と告げるのも何だか新鮮な気分にさせてくれる。今までこれくらいの車各だったら、ガソリン燃料でも抜群に燃費が良かったクルマは見当たらなく、ハイブリッド車かそれ以上という燃料費の低さは大満足である。
さて次回は何かと話題のマツダコネクトに対する印象、遅れた一ヶ月点検の顛末を認めていくつもりなのでお待ち頂きたい。
<2015年7月17日>
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マツダ CX-3 XD Touring SCP | クルマ
Posted at
2015/07/18 15:22:49