
複雑怪奇な純正ハーネスの引き回し故に解明が進まないASCDですが、諦めずにもう少し解析してみようと思います。
まずはGT系の配線図を見て、オーバーヒートしそうな頭を冷やします。ASCDアンプ(コントローラー)に繋がる13本の配線は前述の通りですが、これらが何処のコネクターに接続されてその配線が何なのかを1つ1つ確認していく事にします。
675(黄黒)
678(黄赤)
679(白)
683(青)
この4本は(ワ)へ繋がる6極コネクターに向かいます。669(青橙)はメーターに繋がる21極コネクターに入りますが、途中で680(青橙)が分岐して(ワ)へ繋がるコネクターに向かいます。しかしこの669(青橙)、メーターに繋がるコネクターへ行くものの、メーター側には対応する配線がありません。
(MT車)と書かれたRS系の配線図を確認すると、ちゃんとあるんですよね(困)仕方ないのでメーター部分はRS系の配線図を参考にします。
しかもRS系では680(青橙)はガン無視です。MT車では不要な配線なのかもしれません。
669(青橙)について、メーター側のコネクターと対比させてみます。1がCRUISEランプ、10がASCD ONランプ、12が車速パルスの端子です。
この669(青橙)は1と繋がりますので、メーター内の「CRUISE」ランプを点灯させる為の配線です。また661(青)は10と繋がるので「ASCD ON」ランプの物です。
この661(青)は何処から来たのでしょうか?配線図を辿って行くと(ニ)のコネクターに繋がる671(青)から分岐しています。
この671(青)はASCDスイッチから来ている配線ですね。
672(白青)はメーターから車速パルスを拾います。160(白青)は標準車にもある配線で、ASCD装備車は672(白青)をコネクター端子から直接分岐させています。
GT系の配線図ではこれらの端子はブランクになっており、672(白青)も存在しません。GT系にもASCD装着車がある訳ですからこれでは困りますよね。
(ワ)の6極コネクターからはASCDメーンスイッチに繋がる配線が伸びます。678(黄赤)はリジュームボタン、679(白)はアクセラレートボタンです。でもおかしいのが678(黄赤)が678(白)へ、679(白)が679(黄黒)へと配線図上では色が変わってしまいます。しかも678(白)と679(黄黒)の配置も実物とは逆です。ミスプリントでしょうか?
675(黄赤)はODソレノイドへ、また680(青橙)はASCDスイッチングユニットへ繋がるように描かれていますので、この2本はAT車用の配線と思われます。680(青橙)は669(青橙)からの分岐線であり、669(青橙)がASCDアンプとメーター間で既に接続されているので680(青橙)は撤去しても良さそうな気がしますね。
実際に配線を確認してみると、(ワ)のコネクターから伸びる680(青橙)と675(黄赤)はダッシュボード裏から助手席側へ向かうハーネスに入り込みます。そして配線は見た事の無いコネクターに行き着きました。これはATのコントロールユニットに繋がる物でしょうか?
675(黄赤)は624(黄黒)に合流してOD制御ソレノイドに繋がるようです。実際には(黄黒)から(黄赤)に色が変わりますが、恐らくこの配線の事と思われます。
続いて残りの配線です。
663(青黒)
665(青)
666(黄)
667(青黄)
668(青白)
これらの5本は(イ)の21極コネクターに繋がります。663(青黒)はASCDストップスイッチに繋がり、665(青)はメーンスイッチのセットボタンへ。残りの666(黄)、
667(青黄)、668(青白)の3本はアクチュエーターのバルブを駆動する配線です。この部分に関しては実物でも単純明解でした。
そうなると残りは977(黒)、672(白青)、674(緑黄)の3本です。ASCDアンプに繋がる配線はトランクへ向かうハーネスと一緒に束ねられており、運転席側のサイドシル内側を通ります。このハーネス内で977(黒)はアース線に、674(緑黄)はストップランプの配線に割り込みさせられています。
残る1本である672(白青)はメーターへ向かい、先程の669(青橙)の隣に入ります。
この672(白青)は160(白青)から分岐された車速パルスの信号線です。
配線図のお陰でかなり整理できましたが、未だに疑問点が幾つか存在します。
その1 : ASCDリレーの数
GT系の配線図ではASCDリレーが2つ存在し、RS系の配線図では1つです。RS系の図に(MT車)と書かれているので、ASCDリレーの数はAT車が2つでMT車が1つという可能性が濃厚です。私が所有するRS-X用のハーネスにはリレーが2つあってクラッチスイッチに繋がるコネクターが見当たりませんので、恐らくAT車のハーネスではないかと思われます。と言う事は、このハーネスをMT車に流用する場合にはクラッチスイッチとそれに繋がる配線を追加する必要が出てきそうです。
AT車の場合はシステム図にあるインビビターリレーなる物がクラッチスイッチの代わりに存在します。これがASCDリレー2の事なのかもしれません。
その2 : 突然変わる配線の色と配置
GT系では(ワ)と、RS系では(チ)と繋がる6極コネクターです。RS系の配線図では配線の色に変わりはありませんが、678(黄赤)、679(白)の配置が実物とは逆です。そして(MT車)と書かれたRS系の図には、675(黄赤)と680(青橙)の配線が省かれます。GT系の図にはミッションの記述はありませんが、AT車を前提として描かれているのでしょうか?
そして最大の謎が(イ)のコネクターです。(イ)はトランクへ伸びるハーネスのコネクターですが、ASCDアンプに繋がる配線も5本含まれます。その中でも668(青白)と666(黄)の配置に注目です。因みにこれはGT系の配線図です。
(イ)の車体側です。668(青白)と666(黄)、配置は合ってますよね。
そして車体側の(イ)から繋がるアクチュエーター部分のコネクターです。
RS系の図で同じ部分を見てみます。668(青白)と666(黄)はGT系と同じですよね。
車体側です。668が黄色へ、666が青白に変わるんです!
アクチュエーター部分もそのまま引き継ぎます。端子の配置は同じなのに配線の色を変える意味が分かりません。あ〜、ややこしい!
検証に使っているのはRS系のハーネスなので実物はこうなります。黄色と青白が入れ替わるので、どう見ても間違ってると思いますよねぇ??何だかしっくり来ませんが、これでも配線図とは合致します。
一見して単純明解と思われた部分に一番の謎が残ります。意味不明な部分は未だに数多く残りますが、ようやく解析が進み始めました。
Posted at 2017/06/24 20:16:09 | |
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