
気のせいのような、気のせいではないような。やっぱり気になるR30の謎です。
「レーシングスピリットを揺さぶるDOHCスカイラインが帰って来た。4バルブDOHCのハイパワーを搭載してスカイラインRS、レーシングスポーツが登場した。」
昭和56年10月22日、衝撃のデビューを飾ったスカイラインRSです。現代では当たり前となった機構ですが、スカイラインにDOHCエンジンが載るという大ニュースは相当なものだったと推測します。その大仕事を担う新しいエンジンは一切妥協のない物にしたかったと櫻井さんは言っていました。
「ただDOHCだと言う車は簡単に造る事はできますが、スカイラインの伝統を持って皆さんに充分ご満足頂ける車として出すからにはただDOHCを着けると言う訳にはいきません。そういった中でスカイラインRSはパワフルで大変鋭いフィーリングを持った、皆さんにこれこそ本当のDOHCだと納得して頂ける車にする事が出来たと思っております。」
流石ですね。またFJ20の開発チームに言った「車体には穴を開けてでも載せるからエンジンは好きなように造ってくれ」という言葉からも櫻井さんの本気ぶりが伺えます。実際にボンネット裏の補強材にはFJ20を搭載する際に干渉する部分の凹みが追加されています。ヤッツケ感満載ですが・・・
その①
1ページ目には主人公となるFJ20の赤いヘッドカバーが目一杯の大きさで掲載されます。まるで実物大のような迫力です。
この写真もポスターに使われましたよね。
”6000回転を指した針は、冷静だった”
というフレーズが堪らなく好きでした。
室内です。シンプルイズベストの極みですね。初期タイプは発光色がオレンジで統一されていて、メーターに放射状の線があるのが特徴です。
初期型のメーターと言えば、ターボGTのみがフルスケール190km/hなんですよね。もしかしてリミッターが無いのでしょうか?昭和57年10月の小変更で放射状の線が無くなって180km/h迄の表示に変更されます。
ドライブガイド用の電子メーターも同様に初期タイプはフルスケール190km/hです。電子メーターはターボ車でも電圧計となるのでNAと共通のようです。という事はNAでもドライブガイドを選択すると190km/hメーターになる訳ですね。
電子メーターも小変更で燃料計部分のバーグラフが水色になり、フルスケール180km/hとなります。後期型になってもメーターはこのまま使われているようです。
ヘルメットの小道具を使ってスポーティさを強調します。初期の頃はリアのタイヤハウスを覆うカバーが黒いんですね!材質も硬そうです。
何やら注意書きがあります。「この写真はシートベルトを省略して撮影しています。」
・・・そこ?
でもGTではシートベルトの事はスルーされていました。
その②
見慣れたエンジンルームです。NAはプラグホールの後ろ側にも縁があるので、ゴミが溜まるし掃き出せないしで大変です。でもこの薄いヘッドカバーがいちばん美しいなんて言われたりもしています。
ターボです。ブローバイガスの増加に伴ってヘッドカバーが厚くなり、ゴミの掃き出し口もできました。ブローバイホースも2本になり、ホースの走行も違います。ターボはアクセルワイヤーがサージタンクの上を通るんですね。
最終のNAです。ヘッドカバーはターボと共用になるようです。NAもアクセルワイヤーがサージタンクの上を通るので、スロットルボディが変更されたんですね。ASCDのワイヤーが無い事からXなし、つまり組み合わされるエンジンはMTと推測できます。
その③
主要諸元一覧もシンプルです。
ほうほう。パワステは15kg増、エアコンは25kg増、オートエアコンも25kg増ですか。
オートエアコン???余りにも自然に書かれていて、油断していると見逃します。
次のカタログではオートエアコンの記載は消されています。気が付いちゃいましたね(笑)
各部の長さや開口長を示す図です。ドアって途中で止まりましたっけ?それから何か違和感があると思ったらリアドアの三角窓がありません。妙に垢抜けていて4ドアHTみたいです。
GTの方はちゃんと描かれています。ホイールも鉄っチンです。
RSも小変更の時点で訂正されました。
その④
ミッションもRS専用のようです。
ギア比です。
確かにGT系とはギア比が全く違います。RSはGT系に比べると1速からハイギアードなんですね。そして5速は逆にローギアードです。確かにクロスレシオですが、高速では何度も5速から5速へとシフトしてしまうのはその為かもしれません。
ファイナルも小変更で4.111から3.889に変更されます。ミッションのギア比に変更は無いようなので、ファイナルでエンジン回転数を下げる調整をする事で燃費の向上を狙ったのでしょうか?でも燃料消費率に変更はありません。NAのRS同士で0-400をすれば、何気に初期型がいちばん速いのかもしれませんね。
ターボが出てからはNAとファイナルを使い分けています。ターボが3.900、NAが4.111です。3.889のNAはターボよりもハイギアードだった事が分かります。
鉄仮面になっても同様です。そう言えば3.889のデフは無くなってしまいましたが、四捨五入して3.900と表記したのでしょうか?
因みにATはRSもGTも同じギア比ですが、RSはパワーモードが有り、GTはオーバードライブのON/OFFと制御系で味付けを変えているようです。オーバードライブのギア比は0.686ですので、ロックアップ機構と相まってAT車の燃費が高速巡航で良いのはこの為ですね。
その⑤
我が家のRSは4速の異音が酷くなったのでミッションをターボCの物に交換しています。その時に凄く伸びが良くなったなぁという印象がありましたが、ギア比に変更は無いようなので単なるプラシーボ効果だった事が分かりました(笑)
考え続けても答えが出ない・・・。
気のせいのような、気のせいではないような。やっぱり気になるR30の謎16でした。
Posted at 2016/12/19 16:44:55 | |
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