
気のせいのような、気のせいではないような。やっぱり気になるR30の謎です。
前期GTです。この写真が表紙に使われたカタログは数種類ありまして、2000GTの文字が立体の物と斜体の物があります。他にもポール・ニューマンのコメントの位置や10年連続グランプリ受賞の文字の有無、NISSANフォントの違い等もあります。手持ちはこの2冊ですが、左側が昭和57年10月版で右側が昭和58年6月版です。この事から、2000GTの文字は斜体から立体へと変更された事が分かります。
その①
GT-EXの写真です。相変わらず海が大好きなR30です。今回は砂浜ではありませんでしたが、海水が掛かると錆びますよ。
次はリアビューです。昭和57年10月ともなれば最初期のブラックテールではないはずですが、写真はブラックテールです。ターボEXでリアシートがハイバック化されているので最初期の在庫車両を撮影に使ったとは考え難いです。それか最初期車両のリアシートのみをハイバックタイプに交換して撮影したか?いやー、流石にそこまではしないですよね。
それにしても、このリア周りイイですねー。リアナンバーの両脇が鉄板なのが良いんですよ。大体の車はガーニッシュやテールランプに占領されて鉄板は見えません。
後期型はテールランプの厚みが増して車名ガーニッシュも追加されるので、リアナンバーが引っ込んだような彫りの深い印象を与えます。
2ドアやハッチバックのような膨らみのあるバックパネルの場合はナンバーが手前に出ますので、より平面的な感じになります。個人的にはこの膨らみが「硬い装甲」をイメージさせて気に入っています。またこのプレスラインがある為にPASSAGEやポール・ニューマンのエンブレムが4ドアに比べて高い位置に装着されているのが分かります。
ハッチバックはNISSANのエンブレムがPASSAGE等のエンブレムとは反対側に装備されます。でもそのエンブレムはプレスラインの下側に装着されているではありませんか!!何処まで異端児なんだよハッチバック!しかもキーシリンダーがバックパネルにありますのでパネル部品も2ドアと別物です。
プレスラインはテールランプのメッキ線の上縁と一直線になっており、エンブレムを装着する際の基準となっているのが分かります。
その一方で4ドアは何処を基準にするのでしょうか?テールランプのメッキ線かとも考えましたがそれにしては位置が低すぎます。
ポール・ニューマン バージョンの4ドアもPASSAGEと同様に低い位置に貼られていますよね。
と思ったら、高い位置に貼られた車もありました。ここのエンブレムの位置も安定しないんかい!装着時に使う治具も存在しないんでしょうか?
その②
フルロックアップ化された電子制御4速ATです。このミッションは実によく出来ていまして、耐久性も高く個人的にはかなり好きなミッションです。そして何と言っても音が良い!1速で発進する時のプラネタリーギアが回る「モワ〜ン」って音が堪りません。R30のAT車に乗るとその音が聞けるので信号で引っ掛かるのが全く苦にならないという特典があります。
電子制御のフルロックアップ4速ATはターボ車だけのようです。NAは3速のロックアップ機構付き、しかもヂーゼル車はロックアップ無し!LD28の鬼トルクにモノを言わせながらトルコンスリップ無視でグイグイ加速させるようです。3速ATは恐らくオーバードライブ用の増速プラネタリーギアが1セット少ないと思われますが、それはそれで余計にコストが掛かる気がしてなりません。
ギア比も凄いです。3速ATは3速で1.000のオーバードライブ無し、しかもファイナルが4.111なので最高速に達する前に吹け切るのではないでしょうか?4速ATはオーバードライブで0.686、MTの5速である0.813を大きく下回りますので少燃費と静寂性は期待できます。でもこれが仇となって結構トルク負けするんですよねー。その結果、あの頻繁なギアチェンジを誘発させます。
そのATですが、駐車中はちゃんとPレンジに入ってます。(ターボEX)
こちらもPレンジです。しかもサイドブレーキちょい引き!R30のサイドブレーキは冬場に凍るのでAT車のパーキング機構は羨ましい装備です。(ターボPASSAGE)
と思ったらベージュ色内装のPASSAGEはNレンジです。サイドブレーキも引いてないので何処かへ転がって行っちゃいますよ。
この内装は外板色がベージュメタリックのみのようなので希少です。ちょっとした小物もベージュでしょうから部品の流用も難しいですよね。別の意味で維持が大変そうです。
メーター周りもベージュの内装で説明されています。よく見たらキーがありません。キーを抜いたままでエンスト状態を作り出す事は不可能ですよね。男のバッ直でしょうか?
PASSAGEで忘れてはならないのがメッキフロントグリルです。これ、全体にメッキ処理を施した後に奥行き方向はグレーの塗装をしてあるという非常〜に凝った造りです。塗装の際にはマスキング用のカバーのような物がありそうですが、製造するのは後期の物とは比べものにならないほど面倒臭いと思います。
出ました!後にも先にも実装されたのはR30のみと言われる対戦車センターモールです。普通、センターモールは自車を守るための物です。他車への攻撃性を備えてはいけません。流石にその隠れ機能の説明はありませんね(笑)
その③
RSが登場してからはGTのカタログにもRSのページが用意されています。この洞窟みたいな場所はジャパンのカタログでも使われてますよね。
大きくFJ20の説明が入ります。気合いが違います。
吸入、圧縮、燃焼、排気の芸術。上手いこと言いますね。エンジンは爆発の力で動いてるんですから、静か過ぎるのも面白くありません。
装備一覧でもGTとRSは混在しています。ピンク色の部分がRSですね。
こうして見比べると、4ドアと2ドアの違いが一目瞭然です。RSとESはバケットシートで、小変更から4ドアはリアシートがハイバック化されました。2ドアはお馴染みのトランクスルータイプで、長尺物の運搬時には本当に便利です。
ほうほう、チャイルドプルーフは4ドアのみですよね。確かに。
ASCDはエクストラには標準でしたが、PASSAGEからはオプション扱いとなっています。前期ではエクストラが無くなった時点で標準装備の車は存在しません。いや、そういう認識でした。でも実は標準装備の車があったんです!
下から3段目がASCDです。ピンク色の部分に◯印がありますよね。という事はRSの4ドアですよ。
一方の2ドアには設定がありません。
前期RSの小変更後4ドアのみの隠れ装備ですか?いや、まさか。またいつものミスプリントですよねー。最低1冊に1箇所(笑)
考え続けても答えが出ない・・・。
気のせいのような、気のせいではないような。やっぱり気になるR30の謎17でした。
Posted at 2017/01/15 19:31:43 | |
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