■ブレーキクーリング
鍛造レーシングキャリパーの使用限界温度が180℃・・・。
また、ローター・パッドにおいては500℃以上の高温が発生しますので、その要因のほとんどが熱であるジャダー等を防ぎながら安定したサーキット走行を行うためには、ブレーキシステムのクーリングが非常に重要です。
そんなことはF1を自社開発しているFerrari社にとっては百も承知・・・。
そのうえで他社メーカーと一番に異なる点は、車両の販売価格をマーケティング後に決定してそのコスト計算の予算内で可能なカスタマイズを行うのではなく、まず走るうえで必要なパーツを過去の経験と技術から惜しみなく製作し、Ferrariで走るレースカスタマーにはそのコストを安価で提供するという姿勢・・・。
そんなFerrari社が、F355で''十八番''であるサーキット専用車を開発するにあたり、一切の妥協なく開発された部分がこのブレーキクーリングです。
①イラスト番号 10番
→ブレーキ冷却風を増やすためブレーキダクトを拡大→「フロントバンパー」の新規製作
※以前に
こちらでもご紹介しました。
②イラスト番号 22番(フロント・リア)
→冷却風の容量UPに見合ったインテークの拡大と導風本数の追加→「エアインテーク」の新規製作
③イラスト番号 19番(フロント・リア)
→ベンチレーテッドディスク本来の性能を発揮させるローター中心部への導風→「ブレーキディスクエアインテーク」の新規製作

レーシングマシンであればオーソドックスかつ当然なクーリングシステムですが、今現在でもここまで作り込まれたクルマを見ることは中々出来ません・・・。
特に、''ベンチレーテッド''ディスク本来の性能を発揮させる③のような「ブレーキディスクエアインテーク」が装着された車輌を市販しているメーカーがFerrari以外にあったでしょうか?
15年も前からこのようなパーツを妥協することなく当然のように製作するFerrari社の開発エンジニアとその責任者には、Ferrari社としてのプライド心が何処かに備わっているのでしょう。
ちなみに、F1だけでなくFポンやGT500にも装着されている最新のブレーキクーリングシステムは、ローターだけでなくキャリパーやパッドへも導風が行われております。
Ferrariの市販車では、あのENZOに・・・。
Posted at 2009/10/12 22:01:43 | |
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F355challenge | 日記