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2016年11月26日 イイね!

207のタイヤ選び顛末記② 新車装着ENERGY SAVER まとめ その②


家人のゴルフ6に装着されたエナジーセイバー+ 日本でもよく見かける組み合わせ


今回のまとめ その②では、前回207のタイヤ選び顛末記② 新車装着NENERGY SAVER まとめ その①では、書けなかった部分をもう少し掘り下げて、大げさになりますが、エナジーセイバーが開発されるに至った状況を考えてみます。また長くなりそうですが良ければお付き合い下さい。

エナジーセイバー/セイバー+というタイヤ、ミシュランが今まで長きにわたって培ってきた、グリーンタイヤテクノロジーをベースに、乗り心地やハンドリング、ウェット性能などはそこそこで割り切り、ロングライフと低燃費性能にフォーカスした、ある意味バランスを欠いたタイヤであると言えるのではないでしょうか。

1992年にカーボンブラックの代わりにシリカを配合することによって、転がり抵抗を抑えながら、グリップを確保するという革新的な技術が、今につながるエナジーシリーズの出発点と言えるのでしょう。他社がエコタイヤのエの字も言い出さないうちから、未来を見据え地道な開発を続けてきたことは、さすが業界の盟主ミシュランですが、他社がこの技術をキャッチアップして、同等の性能を発揮し始めた昨今、最量販であろうスタンダードタイヤにこの極端な性格のセイバーを据えたことは、欧州の交通環境の変化と、セイバーを履かせることになるB/Cセグメント車両の変化を敏感に捉えた、ミシュランの先見の明ともいえるのではないでしょうか。具体的な数字が無く恐縮ですが、セイバーの新車OE採用率が、前作E3A/E3Bに比べ、明らかに増えているように感じられます。

欧州のみならず、世界的な自動車のトレンドの一つとして、CO2排出量の削減があります。ほぼイコールで低燃費化ということですが、これは行政、消費者双方からのニーズでもあり、各メーカー英知を総動員して、EV系の技術やディーゼルエンジンのさらなる効率化、ダウンサイジングターボ、車両の軽量化、空力など、莫大なコストをかけて開発に勤しんでいます。ここに、エナジーセイバーを装着するだけで、他銘柄よりリッター/1キロ、2キロ燃費が改善するのであれば、メーカーが飛びつかない訳はありません。

欧州の交通環境も、速度を抑える方向性が強まり、アウトバーンも速度無制限区間は減少。各国概ね120~130キロが法定の上限。取り締まりも厳しいため、一般道も含め以前より実際の速度も低下しているようです。したがって、タイヤも200キロ超でも盤石な程の直進安定性/ウェット性能は以前より求められなくなってきたのかもしれません。

また、路面の舗装状況も、私たち日本人が思っているほど悪くなく、フランスの石畳が鍛えたフランス車のアシ~なんてフレーズは今は?で多くは良好な舗装路。元々馬車が古くから使われてきた欧州では、妙な段差やへこみをできるだけ少なくする道づくりが当たり前で、ラウンドアバウトが多くストップアンドゴーが少ないため路面があまり削られず、轍ができにくい。よって結果的に、タイヤにて路面の不整によるショックを吸収する性能のプライオリティが低くなっていると考えられます。

クルマの変化/進化も見逃せません。このところB/Cセグメントにも多くの新技術、新素材が採用されてきました。車体については高剛性化と相反する軽量化。これはハイテン鋼、超ハイテン鋼といった軽くて強度の高いスティールの採用によって実現。足回りについては、リアのマルチリンク化や、バイパスバルブ機構を持つ可変減衰パッシブダンパーの普及。さらにESCなどの車両制御技術が相まって、硬くて軽い車体にしなやか且つ限界の高いサスペンションで、無理をしても破綻しにくいクルマの誕生。こうなれば、ある意味タイヤの負担が軽減されるというか、タイヤの役割も変化していくのは必然です。

こんな流れの中で、ミシュランの出した回答がエナジーセイバーであると捉えると、私が感じたセイバーの長所や短所は、それなりの理由があってのことなんだと納得することしきり。かなりの理詰めというか、マーケティングの権化によって生産された血も涙もない工業製品にしか見えなくなっていまいました~!(涙) まあ実際は、殆どの工業製品が同様のリサーチ、プロセスを経て製品化されているのでしょうから、至って正常なことでしょうが。

ただ、以前のミシュランには、そこにひとさじのエンスースパイス(笑)が振り掛けてあった気がします。私は今回のセイバーというタイヤに、そのスパイスの無さを感じ、まるで、パクチーのないタイ料理のような寂しさを味わいましたとさ。

えらく小難しくなってしまいました。実はつづいて、汚名返上!本当はすごく頑張っていた昨今のプジョーさんのクルマづくりの変遷、というものを書こうと思いましたが、疲れたので次回とします。

それでは今日はこの辺で。
Posted at 2016/11/26 14:38:07 | コメント(0) | トラックバック(0) | タイヤ | 日記

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