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2017年06月08日 イイね!

207のタイヤ選び顛末記③ 購入 ContiPremiumContact 5 その②

207のタイヤ選び顛末記③ 購入 ContiPremiumContact 5 その②昨年夏に交換しておきながら、その1でさわり程度しか書いていないプレミアムコンタクト5のインプレ。遅れ馳せながらここで詳細に書いてみます。



銘柄 Continental ContiPremiumContact 5  コンチ・プレミアムコンタクト5
サイズ 195/55R16 87H 
製造国 ルーマニア(Timisoara, Romania)
製造年/週 2014年/48週
購入年月 2016年7月
使用車両 プジョー207 1.6L(NA) AT

交換前の銘柄はエナジーセイバーS1(OE装着品)。ココに書いたように、個人的には不満な点多かったため、今回のタイヤ選びは、その不満を解消しながらも、セイバーの秀でた面をどこまで落とさずに済むか、さらにプラスアルファを望めたらという、欲張りなものです(笑) 以下にまとめると、、、

特に改善したいポイント
●低速/低負荷時の乗り心地
●高速域の安定性/直進性
●ステアリングインフォメーション

セイバーの美点をあまり悪化させたくないポイント
●燃費
●耐摩耗性
●ドライグリップ

ざっと、概要です。まず、製造が2014年の48週(11月終わり)なので、装着時点で約1年と8か月前製造となります。結構前ですね。まあ、諸々の事情があるかと思います。いくつかは想像つきますが、当初から期待はしていなかったのでここでは詳しく述べません。ルーマニア製、当方装着は初めてです。東欧諸国人件費安いのでしょうか。スピードレンジはH。セイバーはVでしたので、ワンランク下がりました。それでは以下に、はじめに外見などの印象。続いてロードインプレッションを書いていきます。今回も長くなりそうですが、興味のある方は是非お付き合いください。


あっさりに見えて、随所に仕事がしてある老舗の技


上の写真を見てもわかるとおり、割とクセの無いパターンですね。3本のストレートリブに4溝のストレートグルーブ。排水性はほぼ4本の溝に頼っている感じ。新品時で溝の深さ7ミリ前半でしょうか。深さというよりは、幅が広く取られています。極端な非対称パターンでは無いですね。最近はこういったパターンが主流になってきました。各リブやブロックに刻まれたエッヂの立ったサイプは水幕の除去、ワイパー的な機能を持たせてあるらしい。サイドのブロックは横に長いパターンで、横方向の溝(ラグ)は完全に貫かず、寸止めで繋がっていたりして、ブロック剛性を担保しているようです。ピッチを微妙に変えて騒音対策を施してあります。



今度はさらにズームアップして、トレッド及びサイドの処理を見ていきます。まず特徴的なのが、ブロックとサイドウォールの境目に切られた、楔形にキックアップした溝。主な目的は排水性絡みな気がするが、実はこのCPC5、今までのコンチからすると異例なほどサイドが撓みます。まるでミシュランみたいに(苦笑) 撓みが嫌で別銘柄にしたのに。。。指定空気圧にきっちり合わせても、何だか空気圧不足に見えるタイプのタイヤですよ。そんな訳で、この溝はサイドを撓ませるために、ブロックと分離させ剛性を落とす作用もあるのかなぁ?とか考えたりしました。ちなみに素材構成ですが、トレッドは1ポリエステル+2スティールに1ポリアミド。サイドはポリエステルの1プライです。

前項でも触れたブロックやストレートリブに刻まれたサイプ、よく見ると非常に細かな処理がされていて、内部が2段構造になっている個所や、サイプの中にさらに細かなサイプが刻まれているなど、形状の面でも様々なテクノロジーが投入されていると実感。見た目のカッコよさなどとは次元の違う本気のトレッドパターンは、見れば見るほど、タイヤマニア心をくすぐります。

トレッドゴムの表面、コンパウンドはつるんとしたタイプでは無く、ちょっとスポンジーというか、荒れているような状態。熱ダレしているとか、劣化しているということでは無く、こういう仕様でしょう。グリップ関係に作用していそうな感じですが。ゴム自体の硬さはそれなりに柔軟性あり、少なくともエナジーセイバーと比べれば明らかに柔らかいと感じます。

今回は結構高画質でupしたので、PCの方はかなり見やすいと思います。携帯で見ている方は上記の画像をひょいと拡大して見て下さい。サイプの形状やトレッド表面が良く見えると思います。

見た目の印象のまとめとしては、転がり抵抗を軽減する形状を採用しながらも、ウェットグリップ、対アクアプレーニング性能を高める為の技術が、随所に施されているといった感じです。



最高の機能部品を目指した、コンチからの回答

ここからはロードインプレッションです。最初に全体的な印象を述べます。

先ず今回のインプレ、書き上げるまでに相当時間がかかってしまいました。というか、なかなかまとまらず、書き始めるまでが長かった。今までの経験から、コンチということで、良くも悪くもわかりやすいというか、微妙なニュアンス的フィールは薄い、芯の通った頑固な印象のタイヤではないだろうかと想像していました。ところが履き始めの印象が、予想に反してガツンと来るような個性が感じられなかったのです。クセ無く素直と言えば素直ですが、寡黙で没個性な雰囲気もあり、失敗したかと不安になりもしました。それでも妻からは、すごく良い、乗り心地も滑らかになったと高評価。私も冷静になり、一皮むけた頃合いを見計らってじっくり探っていくと、決して饒舌ではなく、奥ゆかしい印象ですが、しっかり対話できる懐の深いタイヤではという印象に変わっていきました。ただ、しばらく経っても、自分の中でのこのタイヤの位置づけがはっきりしなかったのです。

このタイヤ、日本に於いて、ただのコンフォートタイヤにカテゴライズするには違和感を覚えます。高性能、、、そう、高機能タイヤと呼ぶのが相応しい気がします。絶対的に飛びぬけた項目はないのですが(ウェット性能は最高レベルだと感じますが)、すべての項目で平均を大きく上回る、オール4的性格のタイヤだと今は認識しています。

一般的に思われている欧州タイヤの美点、ウェット性能、ステアフィール、高速性能、ハンドリング等はキープしながら、硬い、ウルさいと評されていた快適性の問題にも、嫌々ながらも(笑)真剣に向き合った製品です。

プレミアムコンタクトシリーズは、CPC→CPC2ときて、3を飛ばして、このCPC5となった訳ですが、2世代分の進化、変化は十分感じとれます。しかし、CPC5単体でみたときには、トガッた部分無く、官能的なフィーリングもそこそこ。一般にアピールしやすい燃費性能も並み外れているわけでも無し。私も、○○が最高です!とか、とにかく気持ちいいとかは言えないが、タイヤを機能部品として考えれば、相当な高レベルの製品です。たび重なる欧州タイヤテストでの最高評価は、十分納得できる内容です。

ただ、やはりコンチ。優等生過ぎる部分も残っており、面白いタイヤかと問われれば、さほど面白くはないよと答えます。官能面、フィールの分野では、ミシュラン、ピレリのラテン勢の過去の名品に比べれば今一歩及びません。それでも以前よりは相当頑張っていると思いますよ! 例えるなら、白ワイシャツにレジメンタルタイしか着なかった人が、サックスブルーのシャツにニットタイを締めたくらいには、フランクになりました。まだ笑顔がぎこちないですが(苦笑)

まとめると、今迄の真面目で堅物という基本線は変わりませんが、乗り心地やノイズに配慮が見られた結果、上質さも感じられるようになりました。これまで、初代、2とも、何がプレミアムなのかが?なタイヤでしたが、漸く商品名と印象が一致した感じです。

それではここから項目ごとにみていきます。

燃費
最初に燃費のご報告から。まず高速をメインにした場合。5月某日、長野道から上信越道を経由し関越道へ。下道を20キロ程度走り、今度は来たルートを逆に戻る。トータル約520キロ、500キロほど走った高速はほとんど渋滞なく、日本の制限速度~オートルートの制限速度の間を維持する感じ。車載計の平均燃費が14.5キロ/L程。次に市街地を中心に買い物やちょっと郊外を走るといった日常使いで、1000キロほど走って通算約10キロ/L。私の記憶の中の数値で恐縮だが、エナジーセイバーとの比較では、高速:ほぼ同等か0.5キロ/L程度劣る。街乗り:1キロ/L弱劣るといった感じ。クルマがクルマなので、一般的には決してほめられる数値ではないが、セイバーとの差がこれくらいなら私的には十分満足だ。

ウェット
次はウェットの印象。これはかなり良好。盤石と言ってもよい。多少の雨くらいでは、伝わってくる感覚がドライと変わらない。手応えが軽くなったり、乗り心地が妙に滑らかになったりすることが無い。要するにしっかり路面を捉えてインフォメーションがあるという。ちょっとした水たまりは切り裂く感覚。コレ、ルポに履いていた初代CPCや、先代のチントゥラートP6のコンディションの良い時の感じに近い。実際何も起こらずクリアしていく。ブレーキングも実に普通。ドライと感覚の差異が少ない。雨の日に別のクルマに乗り換えて、安心感の差に面くらったことがあった。

快適性
今度は乗り心地、快適性の項目。207が最も苦手とする、地方の舗装の悪い市道/県道。低速でのマンホールの出っ張りや路面の剥がれの乗り越えは、セイバーよりはマシになった。それでもかなりバタつくが、鋭角なガッツンという突き上げは2割くらい改善。ただ、セイバー同様、柔らかいサイドウォール、低中速域では乗り心地にあまり寄与しないか。トレッドの剛性及びゴム自体がセイバーより少し柔軟なので、それで乗り心地を確保している雰囲気。速度が上がってくると、非常に良好な乗り心地となる。

転がり抵抗
前装着のセイバーは、アクセル緩めているのにスピード落ちない、スルスル転がっていく、所謂低ころタイヤのフィーリングだった。翻ってCPC5は、セイバーより転がり方に感覚とのズレが少ない。アクセルOFFの車速の落ちも違和感なし。真円度/ユニフォーミティが高いのか、綺麗に転がる感覚があり、後でも述べるが高速域ではその印象が一層強まる。

ノイズ
ロードノイズ、パターンノイズとも、総じてセイバーより少ない。欧州タイヤとしては割と静かな部類か。国産と比較しても特に気になるレベルではない。路面状況による音の変化はハッキリあり、不整路ではそれなりに音は高まる。そこそこ良路になれば相当意識しない限り音は気にならず。プレミアムを名乗る及第点はクリアしている感じ。

ドライブレーキング/ドライグリップ/ドライハンドリング
まずブレーキングから。踏めばリニアに制動力が立ち上がる。絶対的なストッピングパワーも十分。少し前までのプジョー車によくある、ブレーキコントロールのしにくいカックンブレーキ的フィールが和らいだ。リニア感、パワーともセイバーを凌ぐ印象。

グリップはフロントに荷重移動を心掛ければ、必要十分プラスαは備えている。こじるような操作は向かない。セイバーの粘ってピタっと路面を離さないフィールと比べると、あっさりというか多少面白味にかけるが、CPC2で感じた横方向のグリップ力不足、アンダー気味の素っ気ない、お楽しみは許容しない味付けからは宗旨替えしたようだ。

ハンドリングはセイバーより大人しめだが、対話を拒むような隔絶した印象はなく、多少ペースは落ちてもじっくり過渡特性を味わう楽しみ方が向いている。ヴィヴィッド感、ダイレクト感は多少ダルに躾けてある感じ。路面からのフィードバックも、情報を整理し、必要なものだけを伝えてくる印象があり、上質感の演出にも貢献している。セイバーの、雑味や予期せぬ撓みの蹴り返しなどばかり伝えてくるフィールよりは余程好みだし、CPC2 の愚直な情報伝達も時には鬱陶しく感じるので、このくらいが丁度良い塩梅ではなかろうか。

走行安定性
不整路やうねり、轍などの外乱に左右されにくい特性。直進性も抜群。セイバーで不快だった、不意に襲ってくる腰砕け感や、直進中は常に微妙に修正舵を当てながらという所作が激減した。以前からコンチはESPやEPS(電動パワステ) などの電子制御デバイスに対応したタイヤ作りをしていると述べているが、実際効果が出ているのかもしれない。EPSの悪癖を上手くカバーしていると感じる。

高速性能
やはりコンチの面目躍如というか、セイバーと比べて最も改善した部分がこの高速域の挙動だ。走行安定性の項目でも述べたが、直進性は矢の如しで、ユニフォーミティの良さもあり、精度感満点の手応えがビシバシ伝わってくる。良路では、しっとりとした滑らかさも感じられる、大変心地良いフィーリング。セイバーで不快だったレーンチェンジやコーナリング時の撓みの感、腰砕け感もほぼ解消した。ロードノイズ、パターンノイズもチェックされており、会話を妨げる様な事はない。

対摩耗性
セイバーのトレッドウェア表示400に対して、CPC5は280。これを見るとかなりの差がある。実際の摩耗度合については、今シーズンより計測器を使ってトレッド残留を測ることにしたので、シーズン終了時にご報告したい。


どうですか、このタイヤの性格が解っていただけたでしょうか。私自身、まだまだ理解不足の部分がある気がしています。207におススメですかと問われれば、まあ、悪くはないんじゃないですかと答えます。乗り心地の部分について、207の酷さをカバーしきるまでにはもう一歩だと感じるし、スポーティなフィールを増強するには横グリップが物足りない。そして価格がセイバーやP1などよりハッキリ高い。それでも上記のインプレを読んで履いてみたいという人には、ようこそ欧州コンチ愛好会へ(笑)と、歓迎します。ストイックなタイヤとの付き合い方、いいですよ~

しかしこのCPC5、想像の範疇ではありますが、例えばゴルフ6や7には最高にフィットしそうな予感がします。また、なにか乗り味がシャキッとしない、高速でふらつくなどといった国産車にも、不満を解消する良い手立てになりそうな気がします。

今、コンチネンタル社は変革をつづけ、全方位、全世界で、業界をリードする製品を供給するアグレッシヴな会社になりつつあると感じています。スポーツコンタクトシリーズの大成功や、アジア専用開発品の充実、さらにプレミアムスポーツカテゴリーに進出した野心的なプレコン6の登場。そんななかで、CPC5は旧来のコンチが持っていた愚直で盤石な安全性能に、時代の要求である燃費性能や上質なフィーリングを程よくブレンドした佳作であると感じています。今後暫くはラインナップに残ると思いますので、私としても定期的にこのブログに於いて経年変化の報告をしていくつもりです。



Posted at 2017/06/08 20:14:59 | コメント(2) | トラックバック(0) | タイヤ | 日記

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