
10月最後の週に入ったものの平年より暖かく、最も関心のあった紅葉の足取りも少々遅れ気味のようだ。
何処へ行こうか?と思案していたが、紅葉を考慮すると標高を稼がねば観ることは出来なさそうだし、未だ行ったことがない所、宿泊先、ある程度の距離感も欲しいなどなど悩みは尽きなかった。
問題は天気だが、日本海側は11月半ばに入ると冬型の天候へと移行し始め晴天日が減少する傾向にあり、場所によってはスタッドレスタイヤの準備も必要となってしまうし、個人的なスケジュールもあるので今週中に決行することにした。
行先は、富山県五箇山とする。
ざっと見ても、400km以上離れた所、それなりの所要時間、通勤時間帯前の都内通過が必須条件として決まった。
10月26日(水)
午前5時起床、始業点検を済ませ5:45に出発する。
日の出前なので少し薄暗い。
都内へ渡る橋の交通量が増え始めていたが、渋滞することなく首都高へと入る。
仕事に急ぐドライバー達で首都高の流れは速く、中には前を押しのけてまで急ぐ輩も見受けられたが安全運転第一で進む。
C2(中央環状)経由で4号新宿線に入る、地下トンネルから地上へ上がると既に日が昇り晴れていた。
やがて中央道へと変わるが、都心方面に向かう対向車線側は至る所で大渋滞が発生していた。
ユーミンの唄った“中央フリーウェイ”を思い出したが、歌詞と現実とのギャップはやはり大ですねぇ。
この曲を聴きながら夕日に向かって走った若かりし頃を、思い出すなんて・・・・チョッと苦笑い(;^ω^)
八王子を過ぎると山が近づき、緩やかな登りと屈曲した道へと表情を変えてゆく。
途中、2012年12月突然のコンクリート天井板落下で尊い人命を奪った笹子トンネルは、内部の表情が低い平らな天井から本来のトンネル形状に変わっていたが、長大なトンネルは万一事故が発生したら恐怖であることには違いないので、慎重に進んでいく。
途中、八ヶ岳PAで休憩するが、時間的に朝霧が残っていたので期待した展望は望めなかった・・・残念( ノД`)
岡谷JCTで中央道から長野道へと進み松本ICで高速道と別れを告げ、野麦街道R158上高地・高山方面へと進んでいく。
道は徐々に山岳路へと変わっていき、途中名川渡ダムの脇に車を止め梓川が堰き止められた梓湖から山々を眺めたが、まだ紅葉シーズンには少し早かったようでした。

・名川渡ダムと梓湖
この先幾つものトンネルを潜り安房峠へと向かうのだが、時短で安房トンネルか景色の旧道かと選択を迫られ、この先のことを考えトンネルである安房峠道路を選んだが、平湯側で見た美しい紅葉の山々の景色を眺めたら、旧道の峠道を選択しなかったことが悔やまれた。
ここまで来て戻る訳にはいかないので、仕方なく写真だけ収める(泣)

・安房峠道路 平湯側出口付近からアルプスを望む
平湯からはR158をひたすら下り高山へと向かうが、直ぐに紅葉は消え単なる緑がくすんだ秋景色へと変っていった。
高山からは、高山清見道路(無料区間)と東海北陸道・五箇山ICへと駒を進める。
途中、飛騨河合PAで休憩するが、トンネルとトンネルの間の山々に囲まれた小さなパーキングであった。
岐阜県からいよいよ富山県に入ると五箇山ICだ。
このICから飛越峡五箇山ラインR156へ、程近くに世界遺産五箇山合掌造り集落の一つである菅沼集落がある。
駐車料と保存協力費が合体し500円を徴収されるが、施設は新しく整備されておりトイレや集落に降りるEVの使用を考慮すれば妥当なのかもしれません。
EVでB3Fへ降り小さなトンネルの中を少し歩くと右手に待望の合掌造り集落が現れる。
TVなどで知られる合掌造り集落は白川郷・五箇山が有名だが、この五箇山菅沼集落は小規模であるものの世界遺産であるには違いないのだ。

・五箇山合掌造り 菅沼集落
晴れて小春日和のような暖かさで、季節を追われる虫たちがたくさん乱舞していましたが、その正体は超~っ臭いで有名なクサギカメムシだったのです!!
歩いていても衣類や頭にも当たってくるのです。
カメラを持つ手にも・・・ゲッ
うっかり手を出せば、あの臭~い匂いで逆襲してきますから要注意です。
早々に切り上げて、次に行くことにしました。
次は、10kmほど離れた相倉集落です。
規模は菅沼集落より大きく見応えがあります。
駐車料は同額でした。

・五箇山合掌造り 相倉集落
時刻は午後1時を回っておりお腹も空いていたので、先ずは昼食をとる。
集落の中ほどにある土産物と茶店を兼ねたお休み処『まつや』に入る。
客は僅かしかおらず、観光地らしかぬノンビリとした雰囲気でした。
昼食としては少々奮発して、看板メニューである“まつや定食”を注文しましたが、出されたこの定食は地の食材で作った素朴な料理で、味もボリュームも満点!でした。

・食事処 まつや まつや定食(1,650円也)
箱根や日光などの有名観光地だとサービスが悪く、値段も高くてマズイが定番でしたが、この点はぜひ見習って欲しいと思います。
予想をもしなかった美味しい料理で満腹になってしまい、動くのが億劫になりこのままお茶してようかと迷いましたが、遠路遥々来たのだから確りと集落を見学してきました。
さらに駐車場脇から山道を少し登り、集落全体をじっくりと眺めることも・・・・
夕暮れだったらもっとイイかもしれません。
そうそう、カメムシは見られませんでした。よかった~(^^ゞ

・高台から望む相倉集落
時刻は午後3時出発。
ここから本日の南砺市井波の宿までは40分くらいの道のりだ。
ネットを見て決めた宿だが、江戸時代初期に瑞泉寺参詣宿として発足し、約300年19代目となる由緒ある旅館で、現在の建物でも昭和初期に建てられたそうだ。

・南砺市井波 東山荘
北陸の浄土真宗の拠点として明徳元年(1390年)開基した歴史感漂う瑞泉寺の門前にある“東山荘”は、古き良き日本を象徴するかのように風雪に耐えた格子戸もゆかしく、歴史感漂う大石垣を前に建つ老舗旅館でした。
玄関には打ち水がしてあり、古い両開きの扉を開け入ると、薄暗い中でどんどんと時代が遡ってくる。まさにザ・昭和だ!
声を掛けると、飾りっ気のない女将出迎えられ、2階の部屋・朝霧の間に案内される。
大きな窓からは夕闇迫る大石垣、その向こうには瑞泉寺の山門や本堂が目の前だ。
歴史感に触れたい方には、お薦めの展望である。

・朝霧の間からの展望
夕刻6時にお寺の鐘が低く鳴り響く。
風情を感じる中での夕食が始まる。
1泊2食付きの宿泊料は安く1万円程なので食事内容は少々家庭的でしたが、珍しく部屋出しで特に刺身は美味しかった。

・夕食
夕食を終えた頃には雨が強く降るようになり、明日の天気を心配したが天気予報では晴れとのことで、布団の上に横になって家族にメールしているうちに眠っていた。
※本日の走行距離 403.7km 燃費16.4km/l
つづく、