今日は夏紀の事を書いてみようと思います。
夏紀の誕生日である6月23日の今日まで書かずにとっておきました。
夏紀ってどんな子? ~プロフィール~
中川 夏紀(なかがわ なつき)
誕生日:6月23日 蟹座
身長:156cm
血液型:A型
好きな色:紫・黒
趣味:ギター・カラオケ
特技:計算がめちゃくちゃ早い(ただし数学は苦手)
好きなもの:くま・辛い食べ物
嫌いなもの:抹茶・あんこ
二人は”犬猿の仲”(当人達だけがそう思っている)ですが二人並ぶ事が多く、同じ身長で二人は対等という関係性を表し、同じ趣味ということでお互い気が合う事を示しているように思います。夏紀と優子の関係は”喧嘩するほど仲がよい”という感じです。
石原監督によると、最初に髪の毛の色を決める時に優子と夏紀は絡む事が多くなるので、優子の髪の毛は青っぽく、夏紀は赤っぽくして、青と赤という対比を出そうと考えていたそうです。最終的には優子は金髪っぽい色になりました。
夏紀の趣味はギターですが、とうとう「劇場版 誓いのフィナーレ」でギターを弾く姿が披露されました。
おそらくユーフォニアムよりギターの方が上手だと思います。卒業生がいなくなって人数が減った北宇治吹部の新入生勧誘演奏では、ユーフォパートは久美子に任せてギターにまわって演奏に貢献したんだと思います。
北宇治は去年、全国大会に出場した実績もありますし、それなりのクオリティを確保したかったに違いありません。演奏曲「これが私の生きる道」を北宇治が選択した理由はわかりませんが、多分楽譜が既に学校にあって、それを演奏する事にしたのかもしれません。
(楽譜が無いと新譜を新たに買い揃えないといけません。ミュージックエイトから吹奏楽用の楽譜が販売されていますが3800円と結構高いです)。
人数が減っていますので楽器の構成を考え直す必要が出てくると思います。優子部長が「う~ん…」と頭を抱えている時に夏紀が「私がギターで弾くよ」と、ギターパートを追加(変更)したのかもしれません。
夏紀が弾いているギターはYAMAHA PACIFICA112V(オールドバイオリンサンバースト)です。
北宇治の楽器室を見てみましたが、備品としてギターが置いてある感じではありませんでしたし、趣味がギターですのでMy楽器と思われます。
ヤマハ製品は入手性が良くすぐ手に入り、クセが無く品質が安定していてメンテナンスしやすい楽器が多いので初心者も安心して選べるとの事で、夏紀も趣味でギターを始める時にこれを選択したんだと思います。※)21.02.13追記:原作「飛び立つ君の背を見上げる」より、ギターは従姉から譲り受けた事が分かりました。
~~~
夏紀は優子・希美・みぞれと同じ吹奏楽の強豪・南中出身です。が、夏紀は”帰宅部”でした。従って、高校から楽器を始めた楽器初心者です。
面倒な事が嫌いだった夏紀は、自分と真逆の希美(南中吹部の部長をしていました)に憧れていて、北宇治に進学して吹部に入りました。

©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会
しかし、同じく北宇治に進学し吹部に入部していた”憧れの”希美が1年生の時に、グータラしていた3年生達と衝突し、部活を辞めてしまいます。
その時苦しんでいた希美を助けてあげられなかった事を悔いて、希美が部活に復帰する手助けを「罪滅ぼし」と思って一緒に頭を下げます。
夏紀は義理人情に厚く、自分の心ごと人に捧げてしまうような優しくてもろい所がある、とても不器用な子です(シリーズ演出・山田尚子さん談)。
夏紀もまた、久美子と同じように”ユーフォっぽい子”です。
©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会
夏紀と優子の共通の友人でもある梨子(チューバ担当)は、最初、夏紀の事を不良だと思っていました。今では夏紀の良き理解者です。
~~~
夏紀が北宇治吹部に入部した頃は、滝先生が来る前の顧問の「楽しければ良い」という方針の元、生徒は好き勝手に毎日遊んでいました。
そんな雰囲気に飲まれ、滝先生に顧問が変わってからも暫くの間は練習することも無く窓の外を眺めたり音楽を聞いていたりしていました。
©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会
そんな夏紀に転機が訪れます。入部してきた久美子に「合わせてみませんか?」と声を掛けられます。

©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会
夏紀のCVを担当している藤村鼓乃美さんによると、「久美子に声を掛けられた時、夏紀は変わった」と語っています。この時以降、夏紀は練習するようになります。

©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会
~~~
夏紀について、私がとても好きなシーンがあります。
滝先生が顧問になってからコンクールメンバーはオーディションで選出する事になり、その結果、久美子が受かり夏紀が落ちた事があります。
夏紀は久美子を心配しファミレスに呼び出します。
©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会
夏紀「滝先生に自分が練習してない所吹いてって言われてあとはボロボロ。だから黄前ちゃんは実力でちゃんと勝ち取ったんだよ。私はそれで納得している。よかったって思ってるくらい。だから変な気使わないでよ」
©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会
「黄前ちゃんのおかげで 少しうまくなれた気がするよ」

©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会
©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会
久美子は中学の時に、同じようにオーディションで自分が受かって良くして貰っていた先輩が落ちてしまい、それ以降先輩の態度が急変し、卒業するまでずっと無視され続けたというトラウマがありました。しかしこの時に夏紀に救われました(後にこの経験から久美子は奏を救う事が出来ました(北宇治高校吹奏楽部 久石奏を参照)。
夏紀の、自分が今まで練習してこなかった事を、自分が至らなかった事を認め、後輩の久美子に「大丈夫だよ」と言えるこの勇気は素晴らしいと思います。皆から頼られる根本だと思います。
私はいつもこの夏紀と久美子のやりとりを見返すと目が潤んでしまいます。
ちなみにこのシーンで明らかになるのですが、夏紀は、シェイクはチョコ派のようです。
~~~
夏紀が使っているユーフォニアムは、YAMAHA YEP-321というバルブシステムが4ピストンのトップアクション型ユーフォニアムです。
YEP-321はマウスピースレシーバが細管タイプでスモールシャンクのマウスピースを使用し、軽く明るい音色で安定感があるのが特徴です。
ちなみに久美子やあすか、奏が使っているYEP-621 サイドアクション型ユーフォニアムは太管タイプでラージシャンクのマウスピースを使用し、大きな音が出やすく深みのある響きが特徴です。
~~~
夏紀のキャラクターデザインは、吊り目に茶髪のポニテで紫の目をしています。瞳の中には差し色のグリーンがのっています。髪の毛の先端は紫のグラデーションがかかっています(瞳の色の一部を髪の毛のグラデーションに使っています:響け!ユーフォニアム 髪の毛の色を参照)。 キャラクターメイキンフラフ集によると、デザインの中期設定ではショートの髪型だったりしましたが、最終的に今のポニテになりました。ショート型のデザイン案は後にホルンの沢田樹里ちゃんになりました。

©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会
~~~
夏紀は俯瞰して物事を見ることができます。優子についても何だかんだ言ってもちゃんとサポートしたり、暴走を食い止めたり、フォローしたりしています。
香織と麗奈のソロパート争いの時、優子の様子を見ていた夏紀は警告します。「余計な事、考えてないよね?」

©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会
進級し優子部長&夏紀副部長の新体制になってから「あんた無理しすぎ」と優子を気遣います。

©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会
また、夏紀は自分が傷ついていても優子を気遣う事が出来ます。
希美とみぞれが和解した時、
優子「みぞれの特別は、希美なんだな…」
©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会
夏紀「希美の特別は、やっぱり みぞれなんだな…」
©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会
そんな状況でも、夏紀は優子を気遣います。「みぞれには、あんたがいてよかったと思うよ」


©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会
~~~
そんな二人が3年生に進級し、卒業生のあすか先輩からの指名で、部長に優子、副部長に夏紀がなりました。優子部長が全国大会金賞の目標を掲げ邁進する傍で夏紀はサポートしました。関西大会で金賞を取りつつも全国行きを逃し、部員のいない影で泣き崩れた優子のそばに付きそう夏紀の姿がありました。
部員総勢80名の前で凛として言葉をかける優子と、モナカを含めた部員全員の一番後ろから優しい眼差しで見守る夏紀。私はこの1カットに夏紀の北宇治高校吹奏楽部3年間の経験と成長全てが集約されていると思います。
初めて映画館でこの場面を見た時、目が潤んでしまいました。本当に良い表情をしています。このカット大好きです。

©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会
優子と二人三脚で北宇治吹部を引っ張った夏紀。優子部長と部員全員を陰ながら支え、また支えられ成長し卒業していきました。成すこと全てが思い通りに行ったわけではありませんが、充実した高校生活を送ることが出来たのではないかと思います。
経験を糧にして、これからの人生を有意義に送って欲しいと思います。10年後、20年後の夏紀を見てみたいです。
※当ブログで引用している画像・その他データの権利は 武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会 に帰属します。