
私がお世話になってる車屋さんには、ほんの小さな土地ですが、30台ほど昭和の車達が放置されています。
もう腐りかけたモノばかりと言えるし、起こそうとすれば起こせる程度とも言えるモノばかりです。

こういう感じ
同じ車種で一番多いのがビートル
ビートルの中では高年式のものしかありません。
70年台半ばから後半ですね。
私のも74年ですからパーツの融通は利く物もあるはずです。
小さなジャンクヤードです。
ワクワクします。
奥にビートルが並ぶんですが、この時期はまだ背の高い草が生い茂り、分け入っていくのが怖い。
蛇とかいるだろうし。
かろうじて、手前にある1台だけ確認できます。
エンジンフードにはインジェクションのエンブレムが。
だいぶ高年式になります。
それよりもベンツマスクです。
ベンツとフォードマスクがあったんですね。
改めて検索しないと、ビートル関連で引っかかることありませんでした。
希少と言えば希少のようですが、
かっこいいならまだしも、微妙過ぎます。
グリルばかりが強調され、グリルまでのフード形状はノペッとしており、曲線基調のビートルに合いません。
少しラインが変われば面白いんですが。
フィッテングも悪い製品だったようです。
古くからビートルを知る人には懐かしいパーツなのでしょうか?
ボンネットは車の顔と言われますから、イメージチェンジには効果的なパーツではありますかね。
微妙ですが。
ところで、この車両は凹みのないホイールキャップを付けていました。
私のプランでは、ボディはpatina、クロームパーツ、ホイールははピカピカといきたいところですので、程度の良いホイールキャップは流涎モノです。
当初、アフターパーツの豊富さからビートルを面白いと思っていましたが、知れば知るほど、純正パーツの重要性に気づいてきました。
手に入るなら機関系は純正が確実
純正の欠点を改良したアフターパーツならそれも良いですが、どうやらそうであるばかりではなさそうです。
専門ショップのブログなんかではそういう内容は少なく、なんだか苦もなくレストア済みと終わってしまいます。
私が教科書として読むブログを書くその人は、試行錯誤と失敗を繰り返し、その中で考察して綴っております。
まるでビートルが生き物かのように思えてきます。
今時の完全完璧を目指す電子機器化した自動車と比べれば半分生き物と思えるほどの不確実で変化に満ちています。
付き合うには一筋縄ではいかない大変さがあるようですが、ボロボロも魅力に思わさせてしまうのは、そんな生命感を秘めてるからでしょうか。
と言うか、現代っ子とだから現代の車しか知らないわけですよ。
キャブレターって何よ?
カブるって何よ?
エンストってなんでよ?
普通に生きてれば、もはや知らない言葉でしょう。
平成の末、今街中を走る車を調べても、決して生命感はありません。
ビートルに限らず、前時代的な鉄の味がする乗り物には、実は命が宿っていたと思うのです。
だから今のおじさま達は言うんだ。
「今の車はつまらん」
たぶん、昔の車は愛着が湧いたんですよ。
だって生き物感があったから。
金属製品は無機質かと思ってきたけど、プラスチックのほうがよっぽど無機質である。
そして鉄は、もはや有機質である。
有機体の定義からは外れますが、存在は有機体と変わりない。
だから錆びと言うのに惹かれるんだな。
すっかり錆びが嫌いじゃなくなってしまった。
嫌な錆びもありますが、錆びると言うのは生命感を表します。
酸化
人も酸化し続けて寿命があるわけで、
騙し騙し生きていくんですね。
なんだか永遠にピカピカはちょっと違うなと。
歳相応のヤレと言うのがいいんですよ。
大事なのは素敵な歳のとりかたです。
さて、naturally patinaをどう施してやろうか?
施そうとしている段階で、ここまでの語りは無意味になりますが(笑
Posted at 2018/10/08 21:39:17 | |
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