
前から見たいと思っていた夢の島の「第5福竜丸(福龍丸)」を見に行きました。前回の「船を見に行く」の明治丸の投稿から間が空きましたが、見に行った日は同じ日(5月9日)です。学校の授業でも習ったようにアメリカの水爆実験で被爆したことで有名な漁船で、この日も平和授業の学校が訪れていて、大勢の学生さんと一緒に見ました。
しかし個人的な感想としては、被爆は不幸な事故であったけれど、その結果、終戦後早々に製造された木造の漁船が、現代まで保存されたというのは産業遺産という視点から大変幸運(幸運という言い方に語弊があれば貴重)なことであったと思うのです。
この船は漁船として数回出漁しただけで被爆し、東京水産大学の練習船「はやぶさ丸」となって現役時代の大半を過ごし、引退後、夢の島の埋立地に放置され沈みかかっていた所を再発見されて保存運動に至るわけですが、その辺は今となってはあまり知られていないように思います。被爆してすぐ廃船になったわけではなく、被爆後に使われていた期間や関与した人数のほうがずっと多いのですね。
日本には保存船自体が少ないのですけど、漁船なんて何万隻もあっても廃船になったらほぼほぼ残っていないんです。木と木の間の詰め物とか、船首やスクリュー回りの木組み構造とか単純に船好きとして眺めてしまいます。
屋内展示の船体と違って屋外展示のエンジンはかなり傷んでます。
このエンジンは第5福龍丸から降ろされて別の船に積まれていましたが船ごと沈没し、28年後に海底から引き揚げられて展示されているそうなので、もともと傷んでいるのでしょうが、直列6気筒の焼玉式かな。シリンダーブロックもクランクケースの蓋も割れちゃってます。
クランクシャフトの結合部付近。たぶん戦時中のエンジンも民間用はほとんど同じ作りだったんじゃないかなあ。
そういえば船舶用や産業用の古いエンジンの動態展示をしている所も国内にはありませんね。海外にはあるのに。
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2017/07/30 01:54:56