ここ最近、特に時間が過ぎるのが早く感じます。
暑くなってきたなぁ・・・とか思ってたらもう5月も末。
天気の良くなかった先月に比べると今月は結構天気の良い日が多かったような気がしています。どうも、デミひろです。
さて、先週木曜日(5月21日)にいよいよ正式発売となったマツダの新型ロードスター(コードネーム:ND型)。
実は先々週の末に近所のマツダディーラー(昔デミオを買ったお店)を通りかかった時に、転じ車が配備されているのを見て、思わず入店して実車を見せて貰っていました。
その時、対応してくださった営業マンさんから「次の週末(つまり先週)には試乗車が配備されます。良かったら乗りに来てください。」ってお話をもらっていたので、お言葉に甘えて日曜日に再びディーラーへ行ってきました。
すると・・・・・
置いてありました。
今回試乗したのは、S-スペシャルパッケージの6段M/T車、ボディカラーはジェットブラックマイカ。
今回の新型ロードスターで最量販グレードになると思われる中間グレードです。
装備は、ライン装着品以外はほとんどオプションも無しという「素」の状態。
走行距離は、ODOメーター上で200kmと少々ということで、まだまだド新車な感じはありますが、そこはそれ、ということで(笑)
【エクステリア】
半年以上前からティーザー画像や、オフィシャルフォトがリークされていたおかげで、実を言うと最初の印象はそれほど新鮮味を感じなかったというのが本音です。
とは言え、旧型のNC型に比べると明らかに低く、小さく見えます。
※でも実際に諸元を比べてみるとさほどサイズは変わっていないという事実・・・デザインの妙というやつでしょうか。
今回のエクステリアデザイン、実を言うとちょっとムシっぽい感じがして、写真上ではいまいち飲み込めていませんでした。
ですが、人の感情とはいい加減なものです、実車を見た瞬間「恰好いいじゃん!」と思わせてしまうのですから。キャビンが後車軸寄りに配されたと事で、必然的にノーズが伸び、スリークな印象。
意図的なのかもしれませんが、これまでのロードスターっぽさから一転、ロータスエランやBMWのZ4っぽい古典的なFR風なエクステリアになっています。
あと、今回のロードスター個人的には濃色のボディーカラーがより恰好よく見える気がします。
今日乗ったブラックも、マイカ入りで綺麗なうえに、ある意味で華奢にも見えるアピアランスが、そこここに配されたプレスラインやデザインアイコンによって時に筋肉質な雰囲気にも見せてくれます。
【インテリア】
内装に関しては、現在のマツダのデザインアイコンを汲んでいるものです。マツダコネクトが主軸となって構成されているのも、アクセラ以降の流れそのもの。
ファームウェアのメーカーを変更するまでの変貌を遂げたナビ機能については、今回の試乗では試せておりませんので言及は控えますが、多分今までよりは
良くなっているだろう・・・と信じています。
運転環境については、必要にして十分なタイト感。個人的には、NC型のAピラーが角度が寝ているうえに太めな構造で前方の見切りはお世辞にも良いとは思えませんでした。
しかし、今回のND型では、ピラーの角度が幾分か立っているように感じ、太さもさほどでも無いように感じました。これと、フロントフェンダーに作られた峰のおかげで、この種のクルマにしては、望外に前方の見切りは良かったです。
シートも、これ最高!って言えるほどではないものの、必要にして十分なホールド性と乗降性は兼ね備えていましたので、普段使いするならそういう意味でもS660より快適かと思います。
インテリア全体の質感については、言わずもがななので割愛致します。(^_^;)
あと、インテリアと言っていいか微妙ですが、幌の操作性は今まで乗ったオープンカー(といっても数えるほどしかないけど)の中でも断トツトップの良さだと思います。
標準的な体形の男性であれば難なく片手操作3アクションで幌の開閉ができます。この辺もショートデッキ風スタイルになったが故の恩恵かも知れません。
【パワートレーン】
さて、そんなスタティックな状態での観察はこれくらいにしてクルマを走らせた状態での印象を書いてみます。
今回のロードスターに搭載されるエンジンは、アクセラにも搭載されるSKYACTIV-G1.5を出自とする直四1.5ℓ。
勿論、ロードスターへの搭載に向け、各部の最適化・ハイオク仕様化が行われています。
組み合わされるミッションは、6段のM/TとATですが、今回試乗したのは6段M/T仕様の方です。
エンジンを始動した直後はノーマルとしては真っ当な静かさ。
で、営業さんを横に乗せてお店を出た瞬間に感じたのが、本当に1.5のNAか?と思うほどの低回転の粘りでした。
軽く作った、と言えども1トン少々の車重、正直1.5NAじゃ低回転は役不足だろう・・・と高をくくっていましたが、ここは良い意味で大きく期待を裏切られました。
少し広めの幹線道路で交差点の先頭に立った為、営業さんの了承を得てダッシュを何度かしてみましたが、低回転の粘りのおかげでそれほどもたつく事も
無く、それでいてVTEC程感動的なフィールとまでは言えないものの高回転までしっかりと、それでいて爽快なフィールで回るエンジンは以前所有していた
デミオの1.5ℓエンジンを想起させ、それ以上に緻密に回るエンジンだな~という印象です。
ミッションに関しては、クラッチの踏力と合わせてチューニングされていると思われるのですが、良くも悪くも軽めのセッティングです。
ロードスターというクルマの立ち位置を考えれば、これくらいの軽さにしてライトな気持で誰でも乗れるスポーツカーという意味でちょうど良いセッティング
だと思います。
一方で、例えばS2000やRX-7(は非オープンですが)等、武闘派なクルマに乗っている人だと軽すぎる印象を持つかもしれません。(かく言う僕もこちら側でした。(^_^;)
でもまぁ、この辺のフィーリングについては時間が解決してくれるでしょうし、惚れ込んで乗る車という意味では特に大きな問題にはならないかもしれません。
ギアリングについては、街中では6速はまず使いません。5速までで十分です。(6速は恐らくクルージングギアかな・・・・)
【脚回り、フットワーク】
街中を20分ほどチョイ乗りしただけの試乗ですので、脚回りをどうこう言えるほどの走りはしていないというのが本音ですが、感じ取れたところを少々。
以前に乗ったS660、アルトターボRSに続いてのロードスターですが、今回もやはり「軽さ」が重要なファクターであることが確認できました。
一見細身で華奢に見えるステアリングも、走り出せば路面のコンタクトフィールを伝えてくれますし、それでいて重苦しさがほとんどありません。
ときどき当ブログに登場する某S2000に乗せて貰うと、ある意味でクルマと格闘しているのか?と思う時があるほどの重さを感じる時があります。
(※ただこれはこれで超正確なライントレース性と操舵フィールを味わわせてくれるので、男らしさは感じますが・・・僕は遠慮したいかなという感じです(笑))
エクステリアの印象から受けるほどサスペンションストロークは少なくない様子できちんと足が動いて路面を捉え、凹凸をいなしてくれます。
ひょっとすると、脚の動きの良さは、小さくなったタイヤ/ホイールのおかげなのかも知れません。
と、言うわけで新型ロードスターの試乗記でした。
今年に入り、オープンカーだけでもロードスターとホンダのS660。番外でスズキのアルトターボRSのように軽くて走って楽しいクルマが沢山出てきた事に改めて嬉しくなる今日この頃です。
そういう意味では、トヨタが撒いた86/BRZというスポーツカーの種がようやっと芽吹いてきたかな・・・・とも思います。
正直、今回のロードスターに関しては、改めて思い返してみても大きな不満点はありませんでした。
幌を閉めるとやっぱり狭いとか、実はこの時期でも屋根開けてると暑いとか、細かな点は無くもないですが、オープンカー買うのにそんな事気にしててもねぇ?
と笑い飛ばしたくなるくらい楽しかった!というのが今回の結論です。
環境が許せば手許においてみたい1台ではありますが、実際問題として乗り出し価格が今回乗った個体でも300万円チョイオーバーくらいの価格になることを考えると、
乗り換える・・・というところまでは決断できないのが正直なところ。
でも、マツダの開発陣が云う「誰もが乗って幸せになれるクルマ」というテーマはちゃんと体現できていると思いました。
そういう意味でも、この価格帯では貴重な車だし、買って損をする車ではないと思います。
S660が出たときにも言ったのですが、このロードスターも文句なしで買い!!!な1台だと思います。(^_^)
※後記※
結局今回も長々と書いてしまいました。(^_^;)
でも、やっぱりそれくらい楽しかったんですよね、たった20分の試乗でも。
既に購入された方、納車された方も出てきていてうらやましい限りではあります。
思えば、今年に入ってから軽くて楽しいクルマに何度も触れさせてもらう事が出来ました。
その中で、自分がクルマに求めるものが何なのか?を改めて考える良い機会にもなりました。
そんなことを漠然と考えるうちに、とある出会いがありました。
その世界は、今まで扉を叩きたいと思いつつも考えないようにしていた世界でもあります。
今いる世界も決して悪いものではありません。
むしろ、自分には贅沢すぎるくらいだと思います。
だからこそ、今一度原点に立ち返ってみよう。
そんな気がしている、5月末のとある夜なのでございました。