ルネッサンスのブログ一覧

　セナの名前はバブル景気も手伝ってのF-1人気最盛期のドライバーなので多くの人が知るところとなりました。

　そのF-1キャリアは84年、弱小チーム、トールマンに始まり、ロータス、マクラーレン、ウイリアムズと駆け上ります。当初は雨のレースに強い事から雨のセナと呼ばれましたが、キャリアアップするにつれ、全てのレースで速い事を証明して見せ、「天才セナ」と呼ばれたのは周知の通り。しかしマクラーレン移籍後、速過ぎる事でチームメイトとも険悪な中になり、その二人の争いをセナプロ対決などと世間から言われました。
　やがて、傍若無人とも思えたマクラーレンの強さもウィリアムスが電子制御サス、トラクションコントロールを投入、熟成するにつれ、陰りが見え始め、遂にホンダも撤退することになり、セナに逆風が吹き始めます。

　92年はマンセルが、93年はプロストがウイリアムスでワールド・チャンピオンを決めます。そして満を持して、94年にセナがウイリアムス入りをすると、メインスポンサーはロスマンズに変わり、規定により電子制御機構が禁止され、セナの思惑は外れ、非常に乗りにくいマシンに変わっていたのです。元グライダーのデザインを手掛けていた、空力の鬼才アドリアン・ニューウェイの設計したマシンは先の電子制御メカを外すと、とんでもなく扱いにくくなり、コーナーではオーバー・ステアであり、またアンダーにもなるという、天才セナを以てしても、ドライビングに大変手こずる変貌ぶりだったのです。
　セナにとっては屈辱的なベネトン・フォードの後塵を拝するシーズンが始まり、そして、あの第3戦、運命のイタリア、サンマリノグランプリでの高速左コーナーのタンブレロでのクラッシュ!　そして死因はサスペンション・アームがヘルメットを貫通したというおぞましいものでした。

　ここで疑問は電子制御機構が禁止された理由が"特定のチームの独走を抑えるのが目的"というのですが、それがブラジル人、セナが移籍したタイミングで行われたことで、これは明らかに恣意的な力が働いているとしか思えませんし、セナの事故死の遠因もこの辺りにあると言ったら言い過ぎでしょうか。

　セナはヨーロッパ人の鼻持ちならないプライドの犠牲者だと思えてならないのです。バイク好きのF-1トークをお許し下さい。
https://www.youtube.com/watch?v=t3h-_Q0__5U#t=6340.1920048