
最近或るバイクをチェックしていて思った事はバイク界もいよいよコスト・パフォーマンス時代に入って来たのかなという予感です。
これは、先ずコスト・パフォーマンスの説明をします。性能対価格比の事で価格に対する価値で、略してC/Pとも言います。これは過去にオーディオ評論家の長岡鉄男が有名にした言葉です。実際の使い方は、「この機種はC/Pが高い、この性能でこの価格は群を抜いている買って損はない、筆者の一押しとして推薦する」なんて感じで使っていました。
実際これを私のバイク、ルネッサに当てはめてみると。
92年に発表されたSRV250が装いも新たにリファインされた。その名はルネッサといいルネッサンス(復興、再生)の略であろう。
変更点は主にスタイリングで今まではブリティッシュ・ビンテージ風のルックスにヤマハのこだわりで細部に至るまでの上質感で受けていた。その見た目を大幅に変更し、あっと驚く、イタリアンカフェレーサー風にリファインしてきた。70年代のドカティ・ファンには受けそうだ。嬉しい事に価格は5万円下げてお求め安くなっている。しかし、タコメーターは省略され、アルミホイールから鉄ホイールになり、タンク下にあった燃料オフコックも省略されてキャスター、トレールも幾分変更され、若干直進性重視になっている。ここら辺を気にしなければC/Pは高いが、このルネッサを買い、SRV並の装備に変更するとなれば中々厳しい、ポン付けが難しいのである。要はユーザーの好み次第でC/Pは高くも低くもなるのである。その変更点が気にならなければ、大いに買いである。
基本的に同じだから走ってみても大差ない。スタイルの好みで選べば良いが、SRVの場合よほど運が良くない限り中古しか選択肢がない。
当時、もし長岡氏がこのバイクを評したらこうなったろうとの想像です。しかしこれではC/Pの説明としては、ややこし過ぎて分かり難かったですが4DN (SRV250、ルネッサ) を登場させたかったのでこうなりました。身びいきが過ぎて申し訳ありません。
さて話を戻し、どのバイクでこのC/Pを持ち出したくなったか。それはスズキのジクサー(150cc)です。私なりに評してみると。
このバイク日本仕様にもかかわらず30万少しで買える抜群に安いバイクなのだ。
安いバイクは珍しくないが、その多くが中国製の日本ブランドで、安いけどそれなり、と諦めねばならない部分が多々ある中で、こいつの出来は突出している。まずインドでの使用を前提とした造りで二人乗り当たり前なのでフロントフォーク、フレームがとても頑健な造りなので車体剛性に不安が無い。しかもメインスタンド標準装備。メーターはトリップが二つに、ギヤポジションまで付いている。
肝心のエンジンは空冷単気筒でロングストローク、その割には高回転も活発で、非常にトルクフル、最高速は頑張れば、120まで行きそうとの噂。燃費も良く40~50km/lは普通に行くとか、何の変哲もない2バルブの空冷エンジンでここまで良く出来たものだ、よほど設計が良いのだろう。こうなるとホンダのカブやグロムのライパルといえるかもしれない。満タンで500kmも走れるのだから、下道を利用したツーリングには向いているといえるし、いざとなれば、高速道路にも乗れる。日本仕様はインジェクションをおごっているのでメンテ性も良い。ジクサーの良いところは正式に日本で発売されているのでアフターサービス面での心配もない、ここで先の中国製日本ブランドを大きく引き離している。
殆ど欠点の見当たらないバイクだが数少ないデメリットとして、積載能力が殆ど無いのとシート高が割と高い(身長170cmでもつま先立ち) のはマイナス点、これは車体が軽い事で不安は少ないともいえるが、これらを何とか克服すれば現行バイク中最高のC/Pを誇る。それとこの外観は若者には良いが中年が乗るには少し照れ臭さもあるかもしれない。何の期待もしていなかった(失礼)スズキからこれほどのマシンが登場するとは驚きである。大きいバイクにこだわりがなければ一押しのバイクである。
もしルネッサに致命的な故障が起きたら、ジクサーで行くか、はたまたZ900RSで行くか悩みどころです(笑)
写真はジクサーに採用されているSEPエンジン
Posted at 2017/12/13 21:58:16 | |
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