自作ディフューザー&アンダーパネル作成
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マフラーをHKS HiPower Spec-Lに交換してから、タイコが無くなったせいか燃費がガタ落ち(新東名東京愛知間:19.5→17.5)したので、アンダーパネルとディフューザーを作成しようと思い立ち作成いたしました。
まずざっくりした工程としては、
①iPhoneを用いて3Dスキャン
②VELOX製のディフューザー&デフカバーの写真及び86GRの写真を参考に締結点を決めてその座標をメモ
③ダンボールにて干渉しそうなアーム形状測定
④ダンボールの型紙や3Dスキャン結果をもとにCADにて型紙用の3Dを作成
⑤型紙を印刷
⑥アルミ合板をカット
⑦その場で合わせながら曲板を使用しステー作成し組み付け
となります。
必要な材料は以下です。
・M6ボルト 23個(今回はM6トラスネジを使用)
・M6ナット 21個(今回はM6フランジナットを使用)
・アルミ複合板 910×1820 2枚
・M6穴の曲板 長さ400mm程度 5個
・M6穴の曲板 長さ200mm程度 2個
・M6穴の曲板 長さ100mm程度 2個
・M6穴のL字ステー 片側長さ150mm程度、他方50mm程度 6個
ちなみに3Dスキャンは写真の通りの精度となりますが、誤差は±1〜100mm程度で、大きい物ほど精度が落ちていくので、ざっくりとしか参考になりませんし、凹凸が少ないと位置がズレてスキャンできません。
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①iPhoneにてスキャンを行います。
事前調査です。
結果は写真の通り。
まず、iPhoneを地面に対して垂直又は水平に立てないと、初期の向きがズレるので修正が大変です。
スキャンの移動量はおよそ2mくらいが限界ようで、それ以上は精度が悪化しすぎてスキャン不可になります。
なので、今回はこのようなスキャン結果です。
おそらく、平面リフトなどで下面からスキャンできればかなり精度よくスキャンできそうですが、うちにはそんな装備は無いので地面に置いた状態でスキャンしました。
作業時間は1時間です。
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②巻尺計測にてステー締結点を見積もります。
なお、この時の計測精度が甘かった事で後々苦し無羽目に...
作業の写真はありません。
なおステー締結位置は以下になります
・フューエルタンクプロテクター締結位置共締め×2(左右)
・フューエルタンクプロテクターにエビナット設置(左右)
・デフ上方のキャニスター締結位置共締め
・スタビブラケット締結位置共締め
・バンパー内側、タイヤハウス後方の切り立った面にエビナット設置×4(左右2点ずつ)
・ヒートインシュレーター締結位置4点共締め
VELOX製のディフューザーはバンパー後方固定部でも締結しているようですが、明らかに強度が無いため今回はそこでは固定しません。
作業時間は10分程度でしたが、本来はもっと時間をかけて実際に曲げ板を置いて見積もるべきでしょう。
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③形状の精度を上げるため、ダンボールを用いて下面の干渉しそうな部位の形状をとり、同時に先行試作を行います。
ここより1日目となります。
フューエルタンクプロテクタに養生テープにて固定し、後ろから腕を突っ込んで地道に形状をダンボールに書き込みます。
出来た形状は写真の通りです。
ジャッキアップを考慮して、デフ部分にはカバーをしません。
この状態で組み付け検討を行いますが、ステー締結位置は2人以上で見積もる必要があるため、まだ未定です。
なお通常はこの時点で作成したステーとの位置合わせを行った方が良いでしょう。
この日は午前中に材料を買いに行っていたため、午後より作業を開始し、ダンボール型作成には4時間を要しました。
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④3Dスキャン結果と作成したダンボール型を元に3Dを作成します。
2日目ですが雨のため日中は作業無し。
今回はデフ&アームカバー2つとディフューザーの3部品に分割して作成します。
3部品に分割したのは、今回元となる材料であるアルミ複合板は、910×1820のサイズしか市販されておらず、特殊なサイズとなるとホームセンターで当該サイズを買うよりも送料分だけ高くつくためです。
ちなみに他の材料も検討しましたが、
A.金属は加工難易度が高く、金切り鋏で切れる厚さでは強度が不足、レーザー加工依頼はかなり高くつく
B.GFRPはディフューザーという大型部品の硬化に必要な大きさの部屋が無く、またニオイがキツく、ガラス繊維が穴あけ加工において非常に厄介
C.樹脂材料(PET、カイダックなど)では、マフラーの熱や夏場の地面の輻射熱には耐えない
という理由で却下されました。
次回お金があればレーザーカットのアルミ板にて作成したいところですね。
今回は②にて計測した締結穴位置を既に織り込んであります。
なお、3D作成のために徹夜しました...
作業時間はダンボール型の計測時間を含めて12時間です。
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⑤作成した3Dをコンビニで印刷できるようにA3図面化し、型紙を印刷します。
3日目です。
ここから友人の協力の元、作業を進めています。
それぞれの位置がわかるように番線のようなものがあると、後で貼り付ける時に楽です。
ちなみにFusion360で作成した図面をネットプリントする場合、Microsoft Print to PDFにて印刷し、PDFデータをネットプリントに登録する手順となります。
今回はファミマにて印刷しましたが、型紙作成時点で誤差は±1mmとなっており、かなり精度が良いようです。
型紙作成には3時間要しました
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⑥アルミ複合板を型紙に合わせてカットします。
グラインダーなど高価な工具は無いため、カッターにて地道にカットしていきます。
表面のアルミがカットできたら、少し折り曲げを実施して、裏面に出た筋をカッターで軽くなぞるとかなり綺麗に切る事ができます。
なお、この事に気がついたのはディフューザー、左アームカバーを切り出した後でした...
切り出しには4時間かかりました。
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⑦ステーを合わせながら組み付けます。
4日目です。
組み付けに必死だったため、写真は完成後しかありません。
なお締結位置のうち、
・ヒートインシュレーター車両前方締結位置から垂らしたステー
・スタビ締結部より垂らしたステー
との締結位置が計測値とあっていないことが判明。
ヒートインシュレーター車両前方締結位置から垂らしたステーを大幅に曲げ、
スタビ締結部より垂らしたステーに合わせてディフューザーに再度穴あけを実施しています。
組み付け工具隙は意外とありますが、手を入れるのがかなり大変です。
タイヤを外しておいた方が楽です。
今回は曲板を用いて無理矢理固定しましたが、本来はもっと強度のある部品で固定した方が良いでしょう。
作業にはステーやボルトの買い出しなどを含めて6時間かかりました。
完成後200km程度走行しましたが、1箇所の締め忘れを除き緩みやズレ、ビビリなどの問題はありませんでした。
燃費は、HKSマフラー組み付け前と同等以上となりましたが、条件を揃えての計測は後日行います。
また、走行時の風切り音や、地面から反射されるロードノイズが無くなったため車内が静かになるという副次効果がありました。
ステー締結位置とディフューザー部形状は今後改善予定です。
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