ABC修理
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数ヶ月前の整備になりますが、備忘録として書き記します。
アクティブボディコントロール:油圧式アクティブサスペンション(以下ABC)搭載車の宿命…それが車高垂れでございます。
加速時やロール時でも常に車体を水平に保つ役割を持つこの機構は、当時メルセデスが牽引してきた自動車技術の最先端と言えましょう。
今でこそエアサスの普及で他のメーカーも快適な運転ができるように工夫をされていますが、油圧式というのは即応性が高く、高い水準の快適さを実現できると言われます。
現行S・SLにも搭載されていますが、今は亡きCLクラスにも勿論搭載されていました。
ですが御存知の通り、「油圧式」の機構は必ずオイル漏れによる故障が付き纏います。
※写真は車高垂れが起きてフェンダーとタイヤが接触しています。
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ディーラーでの修理はサスペンションASSYあるいはABCを制御しているバルブブロック、アキュームレーターと呼ばれる部品のASSYです。
これがまた物凄い高額で余裕で3桁超える修理になるので普通の人はそこで我慢して乗るか乗り換えあるいは社外サスに交換するか選択を迫られるでしょう。
しかし、DIY魂が強くお金をあまりかけられない人ならば部品買って自分で修理出来るんではないかと思うわけでございます。
前期型のバルブブロックは故障が多いと言われています。後期型やw216ではバルブブロックの対策が行われており、部品の信頼性も向上しています。前期型2001年式以前の車は手放すか直して乗るか二者択一です。
情報収集にあたって以下の部品が必要だと分かりました。
ABCオイル 数L
アキュームレーター フロントとリア1つずつ
バルブブロックあるいはその中のOリング
純正サスペンション できれば4本
ABCオイルホース
などです。
※写真の図は非常に助かりました。
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写真はバルブブロックのOリングの規格です。
eBayなどで4000円もあれば購入できます。バルブブロックを分解してこれらのOリングを交換できる自信があるならそちらの方が確実かも知れません。ABC不良には様々な原因があり、父の車の場合は、
①エンジンを掛けると問題なく車高が上がる②走行中、軽い段差でもABC警告が鳴る③車高がエンジン停止と共に徐々に下がる④目に見えるABCオイル漏れはない
これらの理由からサスペンションの内部リーク及びアキュームレーター不良という風に仮定して修理することにしました。
バルブブロックはいじらずにアキュームレーターとサスペンション、ABCオイルASSYを行いました。
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サスペンションはジャッキで上げ外していきます。
ここは一般的なサスペンション交換と同じです。
4本行いました。
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次にアキュームレーターを交換していきます。
フロントは左ホイールハウス内にあります。丸いやつです。
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リアは右側のマフラーの裏に近い場所にあります。最初のページにリアにもアキュームレーターあるのに具体的な場所を知りたくて某正規ディーラーに電話で聞いたら、リアのアキュームレーターは存在しないと言われました。
部品図ではあるのに存在しないとは訳が分かりませんでした。外国の整備ページ見たら場所分かったのでよしとしますが。。。
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フロントとリアのアキュームレーター交換したらABCオイルを補充します。
本来ならばここでサスペンションのエア抜きが必要です。ロデオしながらコンピューター繋いで行うらしいですが、一般家庭にそんなものはありません。
ではどうしたか?
エンジンかけた状態で、ジャッキでタイヤ1本ずつ目一杯上げていきます。そうすると反対側のタイヤが沈み込みサスペンションがギリギリまで縮んでエアが抜けるという算段です。
この方法は父が閃いたんですが、斬新かつ誰でもできるので僕も思わず笑って感心しました(笑)
4本エア抜きDIYをして、ディーラーで診断かけて終了。お世話になっているショップの人もちゃんとエア抜きされていて驚いたそうです。
(注意)本来ならロデオして行うものなので質の保証は出来かねます。
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乗り心地の感動たるや言葉では言い表せません。1枚目の写真と比べると劇的な変化が分かると思います。
エンジン停止後も1週間くらいなら車高はほとんど下がらず、今回は成功したと言っていいでしょう。
もう少しお付き合いしたい車ですね。
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