
現役隧道・トンネル巡りです。
ちょっと古いネタになりますが、去る6月23日に三重県の「
野見坂隧道」にパイザーで行ってきました。
今回はその訪問記です。
↑まずは例によってその大体の位置を(グーグルマップ)。
三重県度会郡度会(わたらい)町と南伊勢町に跨る隧道で、
県道22号線の旧道にあります。
新野見坂トンネル開通により旧道化、今は県道指定を外されています。
↑県道22号線を度会町側よりずんずんと南下、改良が進んだおかげで線形も良く、なかなかの快走路です。
↑ここが度会町側の新旧道の分岐点。直進すると現道の「新野見坂トンネル(2001年竣工・延長1538m)」、左折すると「野見坂隧道」に至る旧道です。
↑ここから野見坂隧道南伊勢町側坑口付近までの走行動画です。
途中、路肩の清掃作業中の軽トラ(動画の2分59秒~3分03秒辺り)に出会いました。交通量のほとんどない旧道という事で、多少荒れた道を予想していましたが、最低限の手入れはされているようです。
↑野見坂隧道を駆け抜け、南伊勢町側坑門付近にて記念撮影。
パイザーの背後に隧道のポータルがあります。切り通しの上から覆いかぶさる鬱蒼とした緑の木々によってその姿ははっきりと見えませんけど(汗)。
↑鬱蒼とした「緑のトンネル」の奥に口を開ける「野見坂隧道」。
季節は6月下旬、これから夏本番に向かおうかという時期の鮮やかな緑です。
↑ここは度会郡南伊勢町、だけど旧名の「南島町」の看板が建っていました。
↑古い隧道の手前には大抵建っている石仏の祠(左)と石碑(右)がここにもありました。
↑隧道手前の古びた看板群。
いかにも忘れられた旧道という感じを演出するアイテムです。
画像右の黄色の看板、同じ度会郡の隧道という事で過去記事の「
棚橋隧道」にあったモノと同一仕様です。
↑隧道に至る切り通しの手前左手には「道方山登山口」の看板が。
この隧道を含む旧道が廃される事なく現役であり続ける理由の一つがこの登山口の存在だったりします。
↑いよいよ「野見坂隧道」へ。
ここ南伊勢町側の坑門は切り通しの奥にあります。
↑1928(昭和3)年竣工、延長390m・車道幅員3.8m・限界高4mというスペックの「野見坂隧道」。
コンクリートが主流となった昭和初期の竣工ですが、煉瓦積みの坑門を持つ隧道であります。
なお南島町(現:南伊勢町)の町史にはこの野見坂隧道の開通を「南島町の夜明けに等しい」と記されているそうです。
↑風格ある坑門を見上げてみました。
↑戦前生まれの隧道らしい、右横書きの扁額。
峠の名称は「能見坂」ですが、隧道・トンネルは「野見坂」を名乗っています。
↑いざ入洞~。
坑口付近は煉瓦積みの天井。
↑その奥は素掘りモルタル仕上となっています。
↑さらに進むと煉瓦積み天井の区画。
中途半端にモルタルを塗ったと思しき痕跡が見られます。
↑補助光無しで撮った素掘り区画。岩肌のゴツゴツ感が幻想的ですね。
↑動画です。南伊勢町側坑口から途中まで歩きつつ撮ってみました。
この野見坂隧道は延長400m近くもあってしかも照明なし、そして懐中電灯を持ってこなかったので途中で引き返しました(苦笑)。
私の場合、照明なしのトンネルだと懐中電灯なしでは200mくらいが徒歩の限界のようです。
↑南伊勢町側の坑口付近の洞内から見た外の風景。
初夏の瑞々しい緑と陽光がとても眩しいです。
↑パイザーで度会町側へと移動します。
白いモルタルの壁のおかげで、パイザーのイエローハロゲンバルブでも結構明るく見えます。
↑隧道の北側、度会町側にやってきました。
↑度会町側も坑門付近に木の枝が覆いかぶさり、坑門の姿が見づらくなっています。
↑こちら側にも石仏が鎮座した祠があります。
↑ここ度会町側の坑門付近からは「昇龍の滝」に至る道が分岐。
↑そしてガードレールには古びた県道標識ステッカーが残っていました。
↑「緑のトンネル」という表現がピッタリの、野見坂隧道度会町側。
↑手前にある看板類も棚橋隧道にあったモノと同一仕様です。
↑こちらが野見坂隧道度会町側坑門。
画像の左手には・・・・
↑小規模な滝があって、川のせせらぎが隧道の前まで聞こえていました。
マイナスイオンたっぷりの、「癒やしの空間」です。
↑ここ度会町側の坑門も南伊勢町側と同一仕様の煉瓦積みポータル。
風格あるトンネルポータルです。
↑扁額も南伊勢町側と同じく、右横書きの隧道名です。
↑度会町側の坑口から見た洞内。
延々と続く白いモルタル塗りの壁が幻想的な空間を作り出しています。
↑隧道の外もこれまた幻想的な空間。
これまでは冬枯れの時期に隧道・トンネル巡りをする事が多かったのですが、緑萌ゆる時期の隧道も良いモノですね。
↑こちら度会町側でも徒歩動画を撮ってみました。
↑開通時は旧南島町に「夜明け」をもたらしたこの隧道、今はメインルートの役割を新トンネルに譲り、緑の奥にひっそりと佇んでいました。
三重県の古隧道ではかなりメジャーな物件で、以前から訪れてみたいと思っていたのですが、今回は無事に見学する事が出来て良かったです。