以前乗っていた1985年式テスタロッサです。
珍しい色だと思います。
初期型のセンターロック仕様です。
サイドミラーは前オーナーによって後期型に変更されていました。(ちなみに前期型のサイドミラーは運転席側のAピラーの中間部だけに付けられていて、助手席側にはありませんでした。)
ホイールはOZ Racing FUTURA17インチに変更。
マフラーはキダスペシャルを装着していました。
ダウンサスを装着し、3センチ程車高を下げていました。
この車は僕が一生乗り続けたいと思っていた車ですが、二十数年間乗った後、親の借金返済に充てる為、泣く泣く手放しました。
ちなみに、これはあまり知られていない事かもしれませんが、初期型テスタロッサの機械式インジェクション、ボッシュ製Kジェトロニックと中期型以降のテスタロッサに装着されたKEジェトロニックではかなり性格が異なります。初期型のKジェトロニックは別物と言ってよいくらいに吹け上がりレスポンスが良かったのです。ただ、アイドリングが不安定になりやすいという欠点が有った為、中期型と後期型ではKジェトロニックが廃止され、KEジェトロニックが採用されることになりました。この変更によりテスタロッサは誰でも運転できる乗りやすい車になりましたが、あの剃刀のようなレスポンスは全くスポイルされてしまったのです。あの当時はバブル経済の真っ只中で、車にそれ程詳しくない成金がこぞってテスタロッサを購入したので、「エンストしやすい」という苦情が多く出たのだと思います。ですので、当時の愚かな成金によってテスタはつまらない車にさせられてしまったという訳です。
テスタロッサの総生産台数は約4,000台ですが、Kジェトロニックが付けられた初期型はそのうちのたった200台しか生産されませんでした。つまり、現在中古車市場に出回っているテスタの殆どが中期型と後期型だということです。(ちなみに中期型はKEジェトロニック搭載でサイドミラーは後期型と同様に左右に付けられており、ホイールは前期型と同様にセンターロック式のままです。)ですので、初期型テスタは希少価値のある車なのでもっともっと評価されても良い車だと思うのです。それなのに、初期型のテスタの素晴らしさをその希少性ゆえに知らない人が多い為か、中期型や後期型と区別されることなく初期型が市場で扱われているのはとても悲しく思います。
ところで、先ほど、Kジェトロニックはアイドリングが不安定と言いましたが、対策はそれほど難しいことではありません。夏場、エアコンを付ける時はアイドリングでエンストしやすくなるので、アイドリングを冬場より少し上げてやれば良いだけのことです。それが面倒ならば、燃費は少し悪くなりますが、アイドリングを年中高めに設定しておけば良いのです。
ただ、一つ不思議なことがあります。テスタの前に作られていたBBの最終型である512BBiに付けられていたのもKジェトロニックでしたが、この車はそれ以前のキャブ仕様車よりレスポンスが鈍くなったということで不人気だったと聞いておりますが、それはなぜなのでしょう?なぜKジェトロが付けられた512BBiはレスポンスが悪く、Kジェトロが付けられたテスタはレスポンスが良かったのでしょう?ひょっとしたらテスタに搭載されたKジェトロはBBの時より改良されていたからレスポンスが良かったのでしょうか?それとも4バルブ化されたテスタのエンジンと相性が良かったからレスポンスが良かったのでしょうか?その辺のことは全くの謎です。
ちなみに、テスタの最終型である512TRではKEジェトロニックも廃止され、ボッシュ・モトロニックM2.7電子制御式インジェクションに変更されました。512TRのエンジンを悪く言う人はいないので、この電子式インジェクションは優れたインジェクションだったのでしょう。
私のつまらない話にお付き合い頂きありがとうございました。