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2018年09月06日 イイね!

肩も小刻みに揺

「ふ、普通です。わ、私は、ふ、普通の、に、人間です」
「そんなわけがない。普通の人間であれば、なんで肩ばかり見る。僕はこれまで誰からもそんなふうにされたことないんだぜ。そんなことをするのは君だけだ。それに、自分でも言ってたじゃないか。他の人には見えないものが見えるって。だろ? だから、普通じゃないんだよ」

 そう言ってるあいだも彼女は僕をじっと見つめていた。僕も同じようにした。とくにその目を見ていた。それをやめることはできなかった。涙がふっとあらわれ、と思った瞬間に溢れ出てきたからだった濕疹原因。ホール係が〈カプレーゼ〉をサーブしたときにはハンカチを取り出し、僕の方を見ながらそれを頬にあてた。いや、ちょっと待ってくれ――と僕は思っていた。誤解されるだろ、とだ。これじゃ別れ話をしてるカップルみたいじゃないか。

「なんで泣く?」
 ホール係が立ち去るのを待って、僕は訊いた。
「だ、だって、」
 そうとだけ篠崎カミラはこたえた。声は震えていたし、肩も小刻みに揺れていた。
「悪かった」
 僕は囁くようにそう言った。
「言い方がマズかったな。ほんとごめん。そういうつもりじゃなかったんだよ。君は普通だ。ごくあたりまえの人間だよ。石を投げれば当たるくらいそこら中にいるタイプだ」

 篠崎カミラは睨みつけてきた。こういうこともできるんだな――と僕は思った。怒りという感情もちゃんと持ちあわせているのだ。
「ごめん。これも言い過ぎた」
 僕は重ねて詫びた。頭もきちんと濕疹預防下げた。
「全面的に悪かった。な、だから泣くのはやめてくれよ。楽しく食事をしよう。つぎに気に障ることを言ったら僕を殴っていい。だから泣くのだけはやめてくれないか」
 涙をきちんと押さえると篠崎カミラは笑顔をつくった。身体をテーブルに寄せてもきた。
「さ、佐々木さんを、な、殴るなんて、で、できません。そ、そ、そんなこと、」
「だろ? 僕も殴られたくはないから口を慎む。――で、聴かせてくれないか? 君のことを。どんなことだっていい。僕は理解したいんだよ。君のことを理解したい」

 篠崎カミラは首を後ろへ引いた。口は半開きになり、頬は真っ赤になった。ハンカチをくちゃくちゃにしてもいた。しばらくそうしていたけれど気づいたのだろう、恥ずかしそうに膝の上へ置いた。
「あっ、あっ、あの、うっ、う、うれしいです。そ、そんなふうに、お、お、仰って、く、くださるなんて」
「あ?」
 僕は彼女を見つめた。こんなに喜ばせるようなこと言ったっけな――と考えていた。篠崎カミラはナイフとフォークを手にし、〈カプレーゼ〉を取り分けはじめた。すこしうつむき、トマトとチーズを小皿にのせていた。そうなると胸が強調された。谷間と黒いブラジャーが目に入ってきた。

「わ、私、こ、こ、子供の頃から、ふ、ふ、普通じゃないって、い、言われてたんです」
「ん? ああ、そうなのか」
 僕は胸元から目をそらした。それから、ビールを勢いよく飲んだ。なに考えてんだよ、まったく――と思っていた。
「よ、よく、か、か、からかわれても、い邊度做facial好、いました。わ、私は、ご、ごく、ふ、普通のことを、い、言ってる、つ、つもりだったんですけど、そ、それが、ま、まわりの人には、わ、わ、わからないみたいで」
 取り分けたのを僕の前に置くと篠崎カミラはトマトを口にした。僕は彼女の唇を見ていた。オリーブオイルがついた唇をだ。ホール係が音もなくやってきて料理をサーブした。

「じ、じ、自分にとって、あ、あ、あたりまえの、こ、ことが、ほ、他の人には、ま、ま、まったく、わ、わからないなんて、り、り、理解できなかったんです。わ、私に、み、見えることが、ど、どうして、み、みんなに見えないのか、ふ、ふ、不思議でした。だ、だけど、じゅ、じゅ、十歳の頃に、あ、諦めました。じ、じ、自分と、お、同じように、こ、こ、この世界が、み、見えない人たちと、しゃ、しゃべることなんて、な、ないと、お、思うように、な、なったんです」
Posted at 2018/09/06 11:47:49 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2018年09月06日 イイね!

残念ながらダンナ

夏休みを取り、娘はタロウ(4歳)を連れてダンナの実家へ帰省。残念ながらダンナの方は休みが取れず今回はパスだそう。

毎度感心するのは、彼女が夫なしでも夫の実家へ気軽に出かけて行くこと。遠慮とか気づまりとかないのかしらと不思議に思うのだが、気が利かない分、変なこだわりも持たないというのが我が娘の性格の良さかもしれない。


帰省先からかかって来た娘の電話に、たまたま出た夫である。ひとしきり話したあと、娘はタロウを電話口に呼ぼうとした。

  「タロウ、じいじの電話に出る?」

耳を澄まして待つ夫。しかし聞こえてきたのは

  「いらなーい。出なくていい」

遊びに夢中で、おじいちゃんのことなどどうでもよくなっているタロウのつれない返事だった。
Posted at 2018/09/06 11:14:53 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記

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