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2021年10月18日

48Vマイルドハイブリッドシステムの考察(私見)

【トヨタ系ハイブリッド車について不愉快な表現を用いていますので気になさる方はこの先はご遠慮ください】


世の中に走る車の中でハイブリッド車が最も嫌いだったCBがGOLF8を購入するきっかけになった理由のひとつが48Vマイルドハイブリッドでした。
GOLF8に試乗するまではマイルドハイブリッドというシステムは軽自動車や小排気量モデル使われている簡易的なハイブリッド機構という程度の認識しかなかったので、GOLF8で初めてマイルドハイブリッドシステムの構造をよく理解し、実際の試乗した際にその有効性に深く納得する部分があった故に次期FXとしての箱替え時期を大幅に早めて購入に至る理由にもなりました。

ということで、いつもの考察シリーズですが私見を大いに交えてまとめてみることにしました。(あくまでも個人的な意見です)

まずは私もそもそも知識が無かった構造的な部分からちょっとおさらいしてみます。
日本でハイブリッド車の代名詞は言わずと知れたプリウスです。(私がハイブリッド車が嫌いな元凶的な車です)
プリウスはトヨタが1999年に21世紀に間に合いましたと言って登場させて以来、日本だけでなく海外でも販売を開始しエコカーのトレンドとなりました。

ハイブリッド車の特徴は大きなモーターを使ってのモーター走行や、モーターを発電機としても使用しエネルギーの回生に使うことで燃費を向上させることができる機能を持ち、エンジン車が捨てていた減速エネルギーを効率よく活用できるという点です。 ただ、これらの機能を持たせるために普通のエンジン構造に加えて大型かつ高電圧のバッテリーと大型モーター、制御装置のインバーターなどを組み込まなければならずコスト的にも普通のエンジン車よりもかなり価格が高くなります。
私がハイブリッド車が嫌いだった理由はまさにこのポイントで、エンジン車の構造を持ちながらそこに大型のバッテリーやモーター、インバーターといった装置を付加することとなり、これらの追加部品を生産する際の環境問題(特にバッテリー)や装備が重くなることでの車の基本性能の大幅なダウン、さらに車両価格UPへの影響などを考えると、ユーザー、環境、エネルギー的には誰も得をすることが無く、むしろ悪い影響しか与えていないのですが、そんなエコイメージだけが先行するまやかし的な商品を販売してメーカーだけが儲かる仕組みがどうにも嫌いでした。
(第3世代のプリウスに4年間乗った経験からの感想です。)

一方、マイルドハイブリッドの構造は一番シンプルなものはエンジン車のオルタネーターをモーター/ジェネレータータイプのものに交換し、これをモーターとして駆動できるだけの電気を供給できる少しだけ容量の大きなバッテリー(12V)を積んでしまうというものでほとんど追加する部品はありません。 ハイブリッドとマイルドハイブリッドの機能的に大きく違うのはモーターだけで走れるかどうかというポイントで(最新のものは若干違いますが)、マイルドハイブリッドはあくまでもエンジンで走ることが主で、モーターはそれをアシストするのみ、さらにそのアシストもほぼスタートのわずかな時間のみです。 もちろんこの機能の違いでハイブリッド車程の燃費改善は行えませんが、そのシステムはハイブリッド車に比べるとかなりシンプルでそれらを付加することでの環境負荷や、ユーザーへのコスト負担は大きく違います。

48Vマイルドハイブリッドは欧州の主要自動車メーカーが共同で策定した規格ですが、先に記したマイルドハイブリッドをもう少しアレンジしたものでエンジン車のオルタネーターをモーター/ジェネレータータイプのものにするところまでは同じですが、ここでアシストに使われる部分を強化しているのが特徴です。
この強化をするために使っているのが小型の48Vのリチウムイオンバッテリーです。 ハイブリッド車のような大型で高電圧を使うようなバッテリーではなく
10kg程度で弁当箱を大きくしたような小型で電圧も危険領域ではない48Vの小型バッテリーです。 オルタネーターの代わりに搭載するモーター/ジェネレーターも15ps程度の出力が出せるタイプにすることで、モーターアシスト機能を強化して走るという部分にメリットを与えています。
事実、欧州車での採用はどのメーカーもフラッグシップから搭載が始まっていて、日本の軽自動車(や小排気量車)に多く採用される状況とはかなり違っています。

↓48Vマイルドハイブリッド概念図




搭載する付加パーツを厳密に言うと48VマイルドハイブリッドにはDC/DCコンバーターも搭載されています。 これはモーター/ジェネレーターで発電された48Vを12Vに降圧して従来から持っている12Vの鉛バッテリーに供給するための機能です。 まだまだ車には12Vで動作させる部品が多いこともありますが、何より最初のエンジンスタートだけは従来から持っているエンジンスターター用のモーターを回す必要があり、エンジンスタート一発目はエンジンも冷えていますし、極寒地では鉛バッテリーでないと十分なスターターを回す電源を供給ができないのでこの12Vバッテリーは外せないようです。

↓48Vのリチウムイオンバッテリー(運転席シート下に置かれています)




マイルドハイブリッド車(12V、48V)でもハイブリッド車同様に減速時にはモーター/ジェネレーターをジェネレーターとして使い減速エネルギーを電気エネルギーとして回収しています。 ここで以前のブログで書いたコースティングからのブレーキングなどで今までのブレーキ感覚とは少々違ったものが出てきます。

ざっと、ここまでで構造的な違いをまとめてみましたが、構造的な点だけみてもハイブリッド車のような重くて余計なパーツを多く使うことなく有効なシステムとしてまとめていることがわかります。

次に実際の機能面です。 構造的にシンプルでハイブリッド車に比べて重くて余計なパーツが無いと書きましたが、それでも48VのリチウムイオンバッテリーとDC/DCコンバーターは付加されているわけなので、これらが積まれているメリットは何かという点です。

↓中央部分やや下あたりに搭載されているのがBSGです。



 
結論から言ってしまうと、モーターアシストによる発進時のスムーズな加速、低中速域でのパワー感と燃費性能になります。 ここでわざわざ燃費のことを後に書いたのは意味があって、個人的には燃費よりも先に書いた発進時のスムーズな加速、低中速域でのパワー感のほうが重要なポイントでした。
ここはDSGとの絡みもあるんですが、今回はエンジンとしての視点で書きたいと思いますのでDSGの話はまたいずれ。

GOLF8が搭載しているモーター/ジェネレーターのスペックは13ps/62Nmです。 一見するとあまりパワーが無いように見えますが、エンジンと違いモーターは停止からスタートする時点で最大トルクを出すことができます。 GOLF8の1.5Lエンジンのトルクは250Nm/1,500-3,500rpmですがアイドリングの900rpmあたりから最大トルク250Nmが出せる1,500rpmまでの間をモーターでアシストするには62Nmのトルクは十分で、実際の体感としてもスタート時は力強いトルク感を感じます。 ここだけでいえば前車のGOLF7R(ノーマル時)よりもトルク感を感じます。

これが街乗りできびきび走る乗りやすさに貢献しています。
以前GOLF5の時代に1.4TSIにスーパーチャージャーとターボチャージャーの二つの過給機を搭載する面白いモデルがありましたが、これもターボチャージャーが効いてくるまでの低回転領域をスーパーチャージャーで補うという発想でしたが、それを現代版に置き換えているのが48Vマイルドハイブリッドのような気がしています。 低回転域を補うためにモーターで過給機を回しても同じような効果が得られるのか知れませんがそれでは部品点数が多くなってしまうので、モーターをそのまま使うということは理にかなっています。

モーター/ジェネレーターは従来のオルタネーターの代わりに取り付けられているのでエンジンとは常にベルトで繋がって友連れ的に回転しています。
このシステムの特徴的な構造の一つですが、ベルトで繋がっていることからBSG(ベルトドリブン・スターター・ジェネレータ)とも呼ばれています。
モーターとして機能する際にこのベルトで駆動されていることはメリットとなり、エンジンのアシストをする際、特にエンジン停止時からの再始動が非常にスムーズに行われる点です。 車両が信号待ちなどで止まっている状態のアイドリングストップからの再始動はスムーズとはいえさすがに再始動したことが体感的にわかりますが、コースティング(滑走)時のアイドリングストップからの再始動は体感ではほぼわからずタコメーターを見ていてエンジンが再スタートしたことをようやく認識できるスムーズさです。

GOLF8ではDSGというツインクラッチのミッションを使用していますが、このミッションの最大の弱点(壊れることは除き)としては極低速域でのぎくしゃく感ですが実はBSGでのアシストはここにもうまく制御を働かせていて、ミッションの弱点をカバーし、今までのDSGを知っている身からするとこのスムーズさは驚きの一言です。

これら気に入った点は実は燃費にも効いてくるポイントとなります。 特に停車からのスタートにおいてのアシストは燃費に効いてくると思いますし、ベルト駆動でコースティングの際にエンジンストップまでできることを可能にしたところも燃費改善には貢献しているでしょう。 今回の考察とは別に書こうと思いますが、コースティングの際の燃費改善には、もう一つ空気抵抗の低減を行っているボディデザインも見逃せないところです。

このように構造面、機能面からもこのシステムのメリットは大きく、ワインディングをかっとぶような走りは望むべくもありませんが、実用域においてスムーズ且つトルクフルできびきび走ってくれる機能を最低限の付加パーツで実現しているところが48Vマイルドハイブリッドを気に入ったポイントです。
 
私が好きなきびきびした走りを実現してくれていることに一番の魅力を感じていますが、これにプラスして燃費も向上させられる48Vマイルドハイブリッドのシステムはハイブリッド嫌いの私のイメージを払拭してくれて今回のGOLF8を選ぶことの一つの大きな要因となっています。

ブログ一覧 | クルマ
Posted at 2021/10/18 21:40:17

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この記事へのコメント

2021年10月19日 20:24
 新しいゴルフのパワーの源の事をご教授頂き、ありがとうございました!
 >実用域においてスムーズ且つトルクフルできびきび走ってくれる機能を最低限の付加パーツで実現しているところが48Vマイルドハイブリッドを気に入ったポイントです。
 このまとめの部分に、とても同感致しました。
 R-LINEも既に高級車的価格ですが、試乗して滑らかな感じは実感しました!
 進化の方向が見えて、楽しいです~(^o^)/
コメントへの返答
2021年10月20日 10:53
こんにちは(^^)/
長文にお付き合いいただきありがとうございました!

購入前はよく理解していなかったんですが、VWがマイルドハイブリッド化した意図がG8に走りの中に感じられてなかなか走るのが楽しいですね。

ノーマルでも今のところは十分に満足できるレベルなんですが、ドーピング版を体感してしまうと我慢ができるかちょっと怪しいです~(笑
2021年10月24日 21:53
こんばんは。
興味深く拝見しました。
お恥ずかしい話ですが、
正直ここまで違うとは全然知りませんでした。
今度実車を前にご教授お願い致します。笑
コメントへの返答
2021年10月25日 11:04
こんにちは(^^)/
長文にお付き合いいただきありがとうございました!

私ももともとハイブリッド車は同じようなもんだろうと思っていたんですが、目的もそうですが構造的にもかなり違う点があることが分かりました。

今の時代にどのような動力源が最適なのかはまだ解が出ていないと思いますが一つの選択肢としては良いシステムだと思います(^^)

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