ブレーキパッドは10~20程度の複数の材料を成型した複合材料で構成・製造されています。
[ブレーキパッドの種類]
成型方法により、レジンモールド材(樹脂による成型)、焼結材(紛体冶金)の2種類に大別されます。
レジンモールド材は、主に骨格材料(チタン酸カリウム(アスベスト代替素材)、金属繊維)、潤滑材料(コークス、グラファイト、金属硫化物)、研削材(金属酸化物、鉱物、金属)、ダンピング材(ゴム類)、PH調整剤(消石灰等のアルカリ性物質)、充填材(安価な粉体)等を樹脂(フェノール樹脂)で焼き固めたものです。
樹脂を用いているため、高温状態にて樹脂が分解し、フェード現象が起こりやすい特性を持っている。
よって普通乗用車、2輪車等の軽負荷の用途に用いられていることが多い。
焼結材は、金属(銅系合金、アルミ系合金)、研削材、潤滑材を高温にて焼結させた合金の様なものである。
温度依存性の低さ、効きの安定性、耐摩耗性から特殊用途(新幹線、レーシングカーなど)に用いられています。
尚、日本では、かつて耐熱性を重視するためにアスベストを利用していた時期がありましたが、発がん性の問題から1990年代以降は利用が止められています。
現在はアスベストの代換原料としてチタン酸カリウムウィスカが使用されていますが、形状、大きさがアスベストに良く似ており、アスベスト同様発がん性が認められています。
対応として生分解性を持たせた物、形状を変えた物が材料メーカーより発売されていますが、未だ使用割合は少いようです。
一般的に金属割合を高めると制動力が強くなりますが、ブレーキローターへの攻撃性も増し、消耗度合いが高まることから、経済性、ローターの耐久性、制動時の鳴きなどの問題に対するバランス感覚が、製造メーカー各社の工夫を発揮する余地となっています。
消耗品のため、定期的に点検し摩耗度合いを確認する必要がありますねぇ~。
[整備上の注意危険・警告]
ブレーキパッドには発ガン性物質が含まれていますので、交換時には、その粉塵を吸ったり、手に付いたままにすると、呼吸器系や皮膚ガンを発生させます。
またロードスター(NA6型)の場合、エンジンガスケットにもアスベストが含まれていますので交換には気をつけてねぇ~。
写真はNC型ロードスターのブレーキローターとブレーキパットです。
こんな感じでよろしいでしょうか?
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2017/11/08 10:17:17