メーカー塗装と再塗装
クルマの塗装は昔、漆塗りやニスなど、車体の素材が木材でした。(木製馬車にエンジンを付けたクルマの時代)
その後、自動車が鋼製に変わると錆止めを目的に茶色や黒しかありませんでした。
しかし、近年は基本的カラーだけでも、80種類を越えています。
個性の表現出来る時代になった証でもあります。
そこで今回は塗装、特にメーカー塗装と再塗装についてお話します。
[近年と昔の塗料の違い]
昔、昔 クルマのボディーをへこますと塗装が割れたり、剥がれたりしました。
それは油性のラッカー塗装だったからです。
このラッカー塗装は発色はとても鮮やかでよいのですが、耐久性や毒性を持つもので、近年では水性塗装に変わっています。(塗装表面を斜め横から見ると、小さい凹凸が出来るのが水性塗装です。)
【塗装工程(メーカー塗装)】
基本的にメーカー塗装は防錆止塗装(電着カチオン塗装)~下地塗装(量産車の場合、省略する場合もあります。)~顔料1(ベース)~顔料2(修正(濃くする場合とメタリックやマイカなど))~トップコートをふいて完成です。
【塗装工程(再塗装)】
鈑金塗装などの再塗装の場合、塗装傷などが小さい場合でも一つのパネル全体を塗るのが一般的です。
そして、防粉対策の施された部屋で下地処理されたボディーに塗装を開始します。
この時に注意する事はその部屋の残留散(前に施した違う色の粉塵の除去)と湿度や温度管理です。
また焼き付け塗装の場合、メーカーでは各部品が付く前のボディー単体の状態で実施出来ますが、鈑金塗装はそれが出来ません。(理由はあまり高温だと内装等が変色したり、溶けたり、後にヒビの原因になったりします。)
【結果的に】
メーカー塗装には鈑金塗装(再塗装)はクォリティーで どうしても勝てないのです。
またメーカー塗装の保証期間は特別な傷等が無かった場合には10年間保証ですが、再塗装にはその保証が付けられないのは、その工程上に問題がある証です。
(以前、再塗装で保証をする鈑金工場がありましたが、しばらくして倒産したことを聞くと、その保証が原因だったのかなぁ〜と思ってしまいます。
【再塗装をする注意事項】
古くなったクルマを塗装する場合、色の調合とボカシに注意して行いましょう。
(例えばボンネットを塗装する場合には、左右のフェンダーやバンパーなとの色褪せを確認しながら調合色を決めます。それには鉄の板にあらかじめ用意した塗料を吹き、乾いたらその塗装板を各周辺のボディー色とあわせて確認をして調合します。)
また白くぼけた色になるのは、各塗装時に色乾かしを十分していないか、塗装を一度に厚く塗りすぎたかのどちらかです。
この場合には色さえ合っていれば、磨き&コーティングワックスで光の屈折率を均等近くに出来る場合があります。
【最後に】
中古車を購入する場合、メーカー塗装の状態での購入をおすすめ致します。
(NA型新車時の塗装)
(マツダが実施したレストア塗装)
二台の違いはクリア塗装をしている(レストア塗装)か していない(新車時塗装)かの差です。
このレストア塗装を見るとクラシックレッドが鮮やかすぎるような気がします。
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2017/11/09 08:00:40