製造期間:1961年6月-1977年6月まで製造。
トヨタ自動車としては最初にして唯一の空冷・水平対向による2気筒エンジンであり、最初に登場したU型のボア×ストロークは78mm×73mmのオーバースクエアタイプを採用。
水平対向2気筒で先例の多い、半球型燃焼室を持つクロスフロー弁配置となり、性能は最高出力:28馬力/4,300rpm、最大トルクは5.4kgf m/2,800rpmを達成させた。
後年に至るまでトヨタ自動車としては史上唯一となったこの空冷エンジンは、シトロエン2CV同様の水平対向2気筒で、プロペラファンよりやや効率が劣るがコンパクトで騒音が少ない遠心式のシロッコファンとシュラウドを組み合わせた強制冷却という点は共通する。
しかし2CVエンジンは日本の内燃機関の通例から乖離した特殊設計でもあったため、より常識的なBMWやツェダップなどのドイツ製オートバイ用水平対向2気筒エンジンをも参考とし、振動対策にも意を払ったと言われている。
当時、経験の少ない空冷エンジンの設計で、開発陣は熱変形など冷却対策に苦慮したという。
吸排気バルブの隙間調整機構として、日本の乗用車としては初の油圧式ラッシュアジャスターを採用し、メンテナンスフリーを実現したことが特徴である。
軽量かつ簡潔、しかもコンパクトにまとめ上げられたこのエンジンの採用で、後輪駆動車ながらエンジンルームの前後長を詰めることができ、前輪駆動車と大差ない居住空間が得られたが、同時に、空冷式水平対向2気筒エンジンでの固有の騒音・振動など、ハンデキャップをも抱えることとなり、最終的に昭和50年排出ガス規制を達成する事ができず、自動車搭載用としては1975年11月をもって供給を終了しました。
その後はトヨタ自動車のマイクロバスであるコースター(旧:トヨタ・ライトバス)用のエアコンのコンプレッサー用サブエンジン用として継続生産され、1977年6月の一部改良に伴い名実共に製造終了となりました。
ちなみにU型エンジンとは直接の関係はありませんが、2012年に発売されたトヨタ・86をサイオンFR-Sとして海外展開をする際、トヨタのエンジン系統名としてスバル社製・FA20エンジンが4U-GSEという名称でカタログに記載されています。
バタバタと言う音と振動を発生させながら箱根の山々や三浦半島(発売当時は未舗装区間も多かったあせあせ)を走る姿とその非力&超軽量な走りが今のロードスターの原点的なスポーツカーでもありますねぇ~。
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2018/02/11 01:27:52