私が企業買収と聞くと その会社の伝統や文化などは打ち壊されると言うイメージが強かった。
当時 弱小自動車メーカーに過ぎなかった マツダは1996年 それまでの経営不振でアメリカのビックスリー自動車メーカー フォードに買収された。
そのマツダにフォードが突きつけた言葉は変革か死か。
待ったなしの改革が迫られた。
その記者会見で当時 日本の自動車業界初の外国人社長 ウォレス新社長と和田社長とで マツダの一つのエンジンをめぐり対立しました。
そのエンジンの名は「ロータリーエンジン」
当時 新社長の就任挨拶の談話をご紹介致します。
【ウォレス新社長 談話】
新型ロータリーエンジンの搭載車を去年のモーターショウに出品したが 単なる将来のコンセプトに過ぎない。
具体的なことは何にも決まってすらいない!
とロータリーエンジンの存続は無いと明言した次の瞬間。
【和田 淑弘社長(故人) 談話】
ロータリーエンジンについてはマツダの場合はみなさんがこれだけ何十年とこだわられるような背景がある。
普通のV6エンジンどうするとかというものとは異質なファクターを十分考慮して決定する必要がある。
旧経営陣の和田氏はこう述べ 記者会見は険悪なムードに包まれた。
その後 マツダは変革の嵐に飲み込まれ 総務職の5人に1人がリストラされ マツダ第二工場も閉鎖された。
そして2002年8月 RX-7(FD型)生産中止となりロータリーエンジンの火は絶えた。

(FD型マツダRX-7)
しかしマツダの誇りとされた ロータリーエンジン開発者7人は密かに開発が行われていた。
そして2003年5月にレネシスロータリーエンジン搭載車 マツダRX-8を発売する事が出来ました。

(マツダRX-8)
ロータリーエンジンスピリットは 初代開発責任者 山本 健一氏の血を引く若手開発者達。
RX-8が生産中止になってもなお ロータリーエンジン開発を続けている。
このロータリースピリットは飽くなき挑戦「ネバーギブアップ」に支えられ また不死鳥「火の鳥」(フェニックス計画)のように復活する事を信じて日夜 ロータリーエンジン開発に没頭する開発者の意地とプライドの物語なのかも知れません。
私もクルマ好きなはしくれ。
ロータリーエンジンのさらなる進化と復活に期待してしまいます。
Posted at 2017/11/08 08:05:36 | |
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