皆さまはレースと聞くと ただ速いクルマだけが優勝するとお思いの方は多いと思います。
しかし1966年(昭和41年)の第一回鈴鹿500㎞耐久レースは何処かほのぼのとするレースでした。
その当時参戦したロータス・レーシング・エランを始め、フェアレディやスカイラインGT、ホンダS600、そして今回の主役「トヨタ・S800」です。
(ロータスエラン)
(ダットサンフェアレディ)
(スカイラインGT)
(ホンダS600)
このトヨタ・S800は非力さでは他のどのクルマより、ぐんを抜いていた。
(トヨタ・S800)
エンジンは水平対向2気筒空冷(2U型)、総排気量:790㏄、車両重量:580㎏、最高出力:45PS/5400rpm、最大トルク:6.8㎏m/3800rpm (参考にホンダS600は直列4気筒水冷(AS285E型)、総排気量:606㏄、車両重量:715㎏、最高出力:57PS/8500rpm、最大トルク:5.2㎏m/5500rpm
)
そんなクルマが誰もが勝てると思わなかった。
ところがこのトヨタ・S800はその持ち味を生かしてトップ集団にいるのです。
それは速さの3つの理由からなる物でした。
当時、鈴鹿サーキットはガソリン給油が最終コーナーからリーダーボードまでの間に6基の給油機しか無く、他のクルマは給油に並ぶ破目に!!
しかしトヨタ・S800は、燃費31㎞/㍑の特技を生かして無給で完走してしまいます。(レーシングスピードでは㍑約9㎞だったと思います。燃費タンクは70㍑に増量。レース終了後約30%の燃料が残っていたそうです。)
またこのクルマは関東自動車工業が設計・製造した物でフロント投影面積が小さく、流線型なフォルムが空力が良い事。
そして何より車両重量が580㎏と軽くタイヤの消耗も少なかった事(その証拠はタイヤはもう一度500㎞耐久レースが出来る程だったそうです。)の3つの要素が優勝の女神に気に入ってもらえたのだと思います。
この事は今のエコカーに通じるものであり、今後のレースシーンやマツダ・ロードスター、パーティーレースでさえ、速さだけでは無い、燃費との戦いになって行く事は紛れもない事実だと思います。
近年のトヨタ自動車のブランドGRでもお手本的存在のクルマです。
トヨタS800 通称 ヨタハチ

愛くるしいフロントマスク

リアは空力形状のファストバックスタイル

ボンネットからトランクにかけて波打つベルトライン
そしてタルガトップ(デタッチャブルトップ)のオープンスタイル
これを見るたびトヨタ86の父親的存在であり またマツダロードスターRFのおじさん的存在でもあると思いませんか?
(トヨタ86)
(マツダロードスターRF)
Posted at 2017/12/07 08:03:40 | |
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