皆さんはクルマを評価する 又は購入しようと思う段階で比較する方がほとんどだと思います。
そして特にスポーツカーなどを選ぶ時にエンジンスペックを気にして購入すると思います。
それは速さのこだわりから来るもので クルマメーカーは少し考え方が違います。
そんなクルマの性能をテストしたエピソードを3つご紹介致します。
【エピソード1 豊田AA型と特急 燕号との速さ比べ】
時は日本の国産乗用車が初めて開発された1935年当時 ヨーロッパではドイツではナチスが イタリアでも戦争と言う キナ臭いことが起きる予感がした時代に豊田(現在のトヨタ自動車)から純国産乗用車「トヨAA型」が開発されました。
(豊田AA型乗用車)
このクルマの開発にはたくさんのテスト走行が実施されたと自動車メーカーは言いますが 買う側のドライバーからすると「本当に走りは大丈夫なのぉ?」と疑問に思う方は多いと思います。
そこで実証実験が行われました。
その実験は当時 陸上の乗り物で一番速かった 東海道線を走っていた特急 燕(つばめ)号と速さ比べをすると言うもの。
その時の映像がらこちら。
特急 燕号から豊田AA型を写した映像。
地上に設置されたカメラからの映像
そして特急 燕号を抜き去る映像
これを見た人達は国産乗用車に対しての「乗って見たい」と言う夢を与えた映像だったと思います。
【エピソード2 世界に羽ばたくトヨタ2000GT】
1967年当時 日本の国産乗用車は最高速140kmで時速100kmもだしたらクルマが振られてしまうような時代。
トヨタ2000GTはこの当時のスペシャリティカーの象徴的な存在であり 憧れな存在でした。
(トヨタ2000GT 1967-1970年製造)
そんな中 このクルマで行われた実証実験は72時間に渡る走行実験でした。
このテストの会場は一周 5,473メートル59センチに及ぶ高速周回路 通称 谷田部のテストコースと言われた場所で行われました。
筑波自動車試験場(谷田部のテストコース)
今から51年前の1966年に行われたテスト。
テスト内容
テスト車両はトヨタ2000GT
走行実験前のトヨタ2000GT
この国産乗用車前人未到の偉業を達成させるために召集されたテストドライバー達。
このテストでは途中 台風が襲来しましたが このトヨタ2000GTは高速走行実験を難なくクリアし 日本の自動車産業の貢献に寄与した一台です。
偉業内容
当時ポルシェやトライアンフ等の13タイトル世界記録を塗り替え 72時間連続走行で206.18km
周回数 2,944周
走行距離は3日間で16,114kmを走破。
その後 このクルマはバラされて検査が行われましたが 異常なしとのこと。
国産乗用車が世界基準に達したと言う出来事に日本中が自動車が欲しくなっていった時代でもあります。
【エピソード3 マツダ787Bのル・マン総合優勝】
(マツダ787B 1991年 ル・マン優勝車)
1991年のフランス ル・マン大会。
マツダのル・マン参戦は回を重ねるごとに 順位を上げて来たことに 脅威を思ったのか?この年以降 ロータリーエンジン禁止を宣言された。
ロータリーエンジンいじめとも取れる発言に耳を疑ったのは 私だけではなかったと思う。
しかしこの年のル・マン24時間耐久レースでスタートから24時間が経過してトップに立っていたのはこの弱小自動車メーカー マツダ787B 55号でした。
しかし本来 優勝の本命に居た メルセデスに後半 このマツダ787Bはドライバーに対して1秒のペースアップを要求。
誰もがこのまま2位でいいじゃないか?とピットのその他の人達からも異論が出る中。
チーム監督は2位じゃビリと同じだ。
エンジン開発責任者からは このエンジンは壊れない。
この言葉で1秒ペースアップすることが決定。
1位に居たメルセデスはこのマツダのペースアップに それ以上のペースで逃げる。
そして1位のメルセデスがスローダウン。
白煙を上げてピットロードに入って来る。
マツダ787Bがトップに立った瞬間でした。
しかし 本来マツダがこの787Bでやりたかったことは優勝もそうでしたが 真の目的達成は耐久性の信頼度と燃費にありました。
この時 1位を走っていたメルセデス(レシプロエンジン)は燃費1.8km/リットル それに比べてマツダ787B(ロータリーエンジン)の燃費は2.1km/リットルと燃費が良く オーバーヒートしたメルセデスもこのオーバーヒートしなかったとしても燃費の面で1位が取れたか?疑問の残る結果でしたねぇ。
レース後に他のメーカーから「ロータリーエンジンはエンジンオイルも燃やしていやがるから走れたんだ。」と意義を唱えましたが 大会委員はこれを受け入れず マツダ787Bのル・マン総合優勝が決定しました。
【総論】
国産自動車の父 豊田 喜一郎氏は思う。
日本の国産乗用車は壊れない 燃費の良い 良質なクルマを作り続けなければならない。
それは先の太平洋戦争の引き金ともなった 資源獲得 特に石油を大切にすることが急務。
クルマは庶民を戦争の傷から得た豊かさを味わってもらうための道具であり またその道具は資源の乏しい日本においては燃料を少なくて走れるクルマ作りをしなければならないと考えた方でしたねぇ。
私も思う。
日本は二度と侵略的な戦争を恒久的にしてはならない。
日本の財産であり 資源である ものづくりの探究心を忘れてはならぬ。
そしてこの資源でもある良質なものづくりにより 世界の人達とともに幸せにする責務を負っている国が日本国だと思う。
私は今後も自動車大国 日本に誇りをもち その不眠不休で没頭する開発者や汗をかく生産現場の人達 またそれを広める販売にたずさわる人々に 愛車に乗せて頂けることに感謝し 応援し続ける義務があると考えるさーぱぱなのです。
Posted at 2017/11/20 11:02:45 | |
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