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2025年02月07日 イイね!

フィラーキャップとシュラウド[117クーペハンドメイド]

フィラーキャップとシュラウド[117クーペハンドメイド]
117クーペハンドメイドのフィラーキャップ。
サブタンク用とラジエター用の2種類があります。
#2. Filler Cap Assy.
9-21450032-0
9-21450608-0 ‘71〜
#10. Filler Cap Assy.; sub tank
9-21450042-0
9-21450606-0 ‘69-10〜
9-21450603-0 PA90E/PA95
9-21450609-0 ‘71〜

↑このイラストは1968年版から’71-’73のパーツリストまで使われました。

いすゞに注文すると#2の608-0が加圧キャップ、#10の609-0が単なるキャップとして出てきます。これがパーツリストの図と違っているのです。


どちらのキャップもどちらにも取り付け可能で、どちらをどちらに使うのかがあやしくなってしまいます。

でも当初の設計では加圧キャップをサブタンクに使うのが正解です。↓

オフィシャル資料によればサブタンク付加圧密封循環式の冷却系統と説明され、パーツリストのイラスト同様にタンク側で加圧する図になっています。(図版はサービスニュース小乗No.12から引用)

117クーペハンドメイドの場合、タンクの名前はリザーバータンクではなくサブタンク。
欧州車のようにサブタンクも含めて加圧系として管理していたようです。確かにサブタンクは圧力容器らしい形状でいまどきの欧州車のものよりもとても硬質で接続ホースも耐圧のものです。


ちなみにこれがパーツリストイラストの初代キャップ9-121450042-0だと思います。圧抜きPUSHボタンと鎖付きです。
パッキンもゴムではなくステンレス板。
自車(69y)入手時は何故かラジエターにもサブタンクにもこの加圧キャップが付けてありました。
鎖はブラブラしていてイラストのような場所に付けるところもなく取り付け先は不明です。



’73-’75のパーツリストではラジエター側に加圧キャップ(608-0)が付くイラストになっています。
’74年型からは加圧サブタンクではなくなったようで、#9の名称はSubTankですが、#9-1はSurgeTankAssy.と表記されています。


話は変わり、
ラジエター前部の導風板であるシュラウドは最後(’76-)のファイル式パーツリスト↓まで紙製のイラストです。

パーツリストで追うと紙製シュラウド9-21551288-0は’71年から9-21551288-1に変更されました。変更内容はよくわかりません。

シュラウドが紙製なのはハンドメイド車だけだという説もありますが、実車を見ると量産丸目車両で紙のシュラウドがついているものが少なからずあります。以下のオフィシャル広報写真で少なくとも73年型以降でも使われていたことが確認できると思います。


初期G180Wのカムカバーには1800の文字がないですね。
この2枚の写真ではラジエターに取り付けられているキャップは中央にリベット留めが見えるので加圧キャップのようです。



ちなみに70年型ECの広報写真では新車時から紙製シュラウドのヨレヨレぶりが…
しばらく使うともれなくさらにヨレヨレっと垂れ下がってくるので、多くの車両で車検整備などの際に鉄板製に交換されたのだと思います。

’93年に紙製の部品番号でいすゞに発注してみました。鉄製5-21551048-1が互換部品として出てきて750円とかなり安価でした。
5-21551048-1は76.3年型(C#5242603)〜のパーツです。これ以降が金属製シュラウドが新車の標準装備になったと考えます。
76.0年型以降適用のファイル式パーツリストでイラストが紙製なのも説明がつきそうです。

この写真でラジエターに取り付けられているキャップにはPUSHボタンやリベットがなく加圧キャップではないのが判ります。モーターアンテナの先端形状や高速タイプワイパーブレード、ベンチレータグリルに付くボンネットシールの向きなど議論のあるポイントの解として参考になる点も多いです。


この写真は初代オーナーが亡くなり極上のまま納屋ものとなり遺族が大切に保管した70年型C#520番台を見せていただいた時のもの。磨きも極小でオリジナルの塗装肌さえも残る車体でした。
経年で垂れ下がったシュラウドとオリジナルのpushボタン付加圧キャップ。


話しはフィラーキャップに戻り、
おそらく’71年から’73年の間にサブタンクを加圧系統から外してラジエターに加圧キャップを取り付けるのを標準としたことでパーツリストのイラストと整合性がなくなってしまったのかもしれません。
たぶん73年型発売を機に変更したものの’71-’73のパーツリストでイラストをそのままに編集したため食い違ったのではないでしょうか。

加圧によって冷却水の沸点が上がればいいだけなので、どちらで加圧してもいいのだろうという私なりにはどうでもいいという結論です。
’71-’72ベレットのパーツリストも同様でやはりSubTankに加圧キャップが付くイラストになっています。
Posted at 2025/02/11 18:49:25 | コメント(0) | トラックバック(0)
2025年01月28日 イイね!

点火系調整値[117クーペハンドメイド]

117クーペの点火系整備
点火系を点検するときにいつも数値をうる覚えで取扱説明書を確認したくなってしまうのです。でも汚れた手で貴重な古書をめくるのも嫌で。
スマホで確認できるように取扱説明書から引用させていただく備忘録です。

排ガス規制前はコレくらいはオーナーが整備するのが当然だったんですよね。
実際に点火系を調整するとパワーアップしたり加速感が変わったり面白いです。
タイミングライトとシックネスゲージは必要です。


スパークプラグのギャップ調整とデスビの給脂


コンタクトポイントのギャップ調整


タイミングライトを使う点火タイミング調整。このクランクプーリーのマークというかキズの意味する角度が分からなくなるんですよね。

このページは排ガス規制後の取扱説明書では削除され、以下のように書かれています。
”点火時期は正規に調整していますので、むやみにいじらないでください。調整は排気公害防止のため正確な調整を必要としますので《いすゞサービス網》にご用命ください。“



ハンドメイドは全車排ガス規制前ですが、中古車用の再版取説です。

当時は使用過程車のデスビロックナットは車検時に封印シールされたと聞きました。

エンジン出力がスムーズで最大になるように調整すれば、排ガスもいちばんクリーンなのだと思っています。点火系の点検整備は誰でもそれ以外の目的はないでしょう。

Posted at 2025/01/29 00:24:04 | コメント(0) | トラックバック(0)
2025年01月22日 イイね!

117クーペ車番対照表 PAS-III



117クーペの車体番号と年式の関係について。

書棚を整理していて久しぶりにいすゞのPAS-IIIを見つけました。販社や部品商用のパーツカタログで、CD -ROMをPCにインストールして使います。
自分が持っているのは2001年4月版と古いですが、クルマがはるかに古いのでまあ良いでしょう。
以前入手してしばらく使ったあと忘れていました。

いまどきのWindows11にもインストールできました。

車体番号を入力するとイラストが出てきて部品番号を探せるのですが、117クーペには使えません。
JRやJT、JJがギリギリです。
車体番号を入力すると生産年月、塗色やキー番号、内装色、ブロンズガラスなど細かい仕様もわかります。

車体番号が無くても判っている部品番号から互換部品を探したりはできるので古い年式でもまったく使えないわけではありません。そのためには
やはり冊子のパーツリストは要りますね。

いろいろいじっていて車番対照表には117クーペのデータが入っているのを見つけました。
車型モデル欄にPAと入力するとずらっと一覧が出てきました。




年式切り替えの車体番号がわかります。
”掲載“エンジンは正確ではないですね。
“カタログ番号”は適用パーツリストの部品番号です。

同じPAなのにフローリアンは完全無視のようですし、PSやPRは出てきますがPFは無しです。
どういう区別なのか…


いまも時々使っているのはアナログのコレ。








1997年版ですが、中身は1351ページにわたってただただただただ米粒大の数字が並んでいるだけ。
とても役立つ希少本ですが、興味ない人から見たら狂気の本ですね。


Posted at 2025/01/22 20:26:28 | コメント(0) | トラックバック(0)
2025年01月13日 イイね!

KNIPEX Pliers Wrench XS 8604-100BK

KNIPEX Pliers Wrench XS 8604-100BKドイツのクニペックスのミニプライヤーレンチ。
クニペックスといえばウォーターポンププライヤーが定番のようですが、自分はこのプライヤーレンチシリーズが気に入っています。以前から150mmと230mmサイズの2本を愛用してきました。
こんな可愛いサイズが発売されたのを最近知り、ついつい衝動買いしてしまいました。



開口サイズは最大21mmまで掴むことができます。
通常モデルは開口サイズを変更するときは閉じた状態でヒンジ部のボタン(1枚目写真の丸い部分)を押してスライドさせます。
このモデルを初めて手にしたところ、ボタンが押せない‼︎サイズが変わらない‼︎不良品‼︎と思いましたが、開き切った位置(下の写真)にするだけでスライドできるようになっていました。



アゴが常に平行に動きギザもついていないので六角ナットを掴んでも傷めません。
ウォーターポンププライヤーのように強い力で掴むことができるので、メガネレンチほどではないにしてもスパナやモンキーレンチのようなアソビが無い分、確実性や信頼性が高いと思います。
固着したナットを回すにもViseGripのように対象物を再使用したくなるほど傷つけることがありません。
ボルトナットだけでなく蝶ネジを掴んだり、固く嵌ったコネクタを摘んだりするのにも便利です。



レギュラーサイズのプライヤーレンチと異なり、アゴが薄く加工されているのも気に入りました。
ダブルナットにも使いやすいです。

ただ、高いんですよね。
高価な工具コレクションとしてではなく、実際使ってこれほどの満足度があるなら許せてしまいます。
Posted at 2025/01/13 03:58:39 | コメント(0) | トラックバック(0)
2024年05月27日 イイね!

ドリップモール(サーベルライン)① [117クーペ]

ドリップモール(サーベルライン)① [117クーペ]117クーペの外観上の大きな特徴のひとつであるドリップモール。
誰が呼んだかサーベルラインと呼ばれています。
たしかに半分だけをヘアライン仕上げとすることで日本刀の刃紋のような印象を感じさせるもので、ネーミングセンスは秀逸だと思います。

ステンレス製だと思われていますが、ハンドメイド初期は鉄にクロームメッキのものでした。
ステンレス製に比べメッキのツヤ感はさらにキレイで鏡のようです。
しかしメンテナンスが難しいのでしょう、後のステンレス製や量産車の部品に交換された個体もあるようです。
なぜか部品番号は68年の初版パーツリストから最終72年型まで変更なく同じ番号なのも不思議で、いつからステンレスになったのかも謎です。


これは2004年に狭山のショップで見かけたC#150番台車のメッキサーベル。
メッキの方がツヤに深みがありキレイで、ステンレスでないのは現車を見れば判別できます。



鉄だけにAピラーは錆びてしまっています


サーベルラインは117クーペを特徴付ける他車には無いデザインです。
しかし単なる装飾ではなくルーフの雨樋を隠すカバーとしての役割があります。
ジウジアーロが空力的やデザイン的に邪魔になるルーフの雨樋を無くそうとこだわってきた初期の試みに当たります。
誰もが当たり前と思いデザインに取り入れてきたものを無くそうとする革新のアイデアがジウジアーロらしいです。

117クーペではモールを外してみると実際に細い雨樋が現れます。雨樋とモールの間にはウレタンスポンジ?が挟まれていて雨樋から下=室内にこぼれ出ないようにシールされていたようです(いまやスポンジは加水分解で溶けて黒いドロドロかカチカチになっていると思いますが)これはショートパーツ扱いのようでパーツリストには載っていません。


追記)もしかすると
9-68622163-0 Seal; drip moulding (‘68-3 C#5200188〜)
というのがスポンジなのかもしれません。




117クーペのサーベルラインはデザインとしては雨樋を隠しすっきりした屋根のアクセントとして成功しています。
しかしその機能面では残念ながら成功したとは言い難いです。
Aピラー下部にもCピラー下部にもルーフ雨樋から集まった雨水を排出する仕組みが無いため隙間から染み出します。残った土埃はピラー下に堆積してしまう仕組みになっています。
どうなるかといえば常に湿った土埃にさらされるピラーが錆びて穴が空き、トランク内などに雨漏りの道筋が出来てしまいます。
また細い雨樋の脇から溢れてモールの下に流れた雨水はウェザーストリップまでまわり込んだモール端からウェザーストリップ内に侵入します。

以前所有していたPA90(72y)ではどういうわけかモールの上側をシリコンシールで塞いでありましたが、それはそれで良くない…モール内への浸水を完全に防げるとも思えず、内部に入った雨水が速やかに蒸発できずに蒸れてしまいそうです。





モールを外すと堆積物が…


うちのPA90(69y)はCピラー下から5cm以上泥が溜まっていました。リアウィンドウガラスのおかげでCピラーがなんとか保たれていたと思うほどの大穴が空いていました。どおりでトランク脇のポケットが水溜りになってカーペットが腐るほど盛大に雨漏りしていた訳です。


堆積物を掃除するとピラーが外れてしまいそうな大穴が…


修正後
細い雨樋が分かりやすいと思います


ルーフの継ぎ目
堆積物を掃除するとここにも穴が


修正後


ジウジアーロが同時期にデザインした117クーペの兄貴分とも言えるFiatDinoCoupeは現車を見たことがありませんが、写真でみると普通に雨樋が露出しているようで雨樋自体にモールを付けて装飾しているようです。

雨の多い日本の117クーペでのジウジアーロの試みを成功とは思いませんが、自動車ルーフの雨樋を隠すための挑戦としてその後につながる先駆的な試みだったのだと思います。
ピアッツァやFFジェミニの頃になるとモールやカバーを取り付けるのではなくドアフレームやボディパネルでピラーやルーフまでカバーし雨樋を隠しています。
Alfa159ではルーフ端に溝を作りフロントとリアウィンドウを貼り付けた横の溝に雨水を流すようにしていたりドアウェザーストリップ自体が雨樋の役割もしていたりします。



ジウジアーロによるデザインに限らずいまどきの車では雨樋がついている乗用車をほぼ見ることはなくなりました。
ルーフの雨水をどのように工夫して排水しているのか観察するのも面白いです。



Posted at 2024/05/28 01:33:28 | コメント(0) | トラックバック(0)

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免許取得後最初に所有する車として‘91年にPA90(’72年型)を購入し、いまはPA90(‘69年型)を所有しています。自分のできる範囲でメンテしてきました。 ...
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