![フィラーキャップとシュラウド[117クーペハンドメイド] フィラーキャップとシュラウド[117クーペハンドメイド]](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/blog/000/048/246/944/48246944/p1m.jpg?ct=d0e3a8ceb07d)
117クーペハンドメイドのフィラーキャップ。
サブタンク用とラジエター用の2種類があります。
#2. Filler Cap Assy.
9-21450032-0
9-21450608-0 ‘71〜
#10. Filler Cap Assy.; sub tank
9-21450042-0
9-21450606-0 ‘69-10〜
9-21450603-0 PA90E/PA95
9-21450609-0 ‘71〜
↑このイラストは1968年版から’71-’73のパーツリストまで使われました。
いすゞに注文すると#2の608-0が加圧キャップ、#10の609-0が単なるキャップとして出てきます。これがパーツリストの図と違っているのです。

どちらのキャップもどちらにも取り付け可能で、どちらをどちらに使うのかがあやしくなってしまいます。
でも当初の設計では加圧キャップをサブタンクに使うのが正解です。↓

オフィシャル資料によればサブタンク付加圧密封循環式の冷却系統と説明され、パーツリストのイラスト同様にタンク側で加圧する図になっています。(図版はサービスニュース小乗No.12から引用)
117クーペハンドメイドの場合、タンクの名前はリザーバータンクではなくサブタンク。
欧州車のようにサブタンクも含めて加圧系として管理していたようです。確かにサブタンクは圧力容器らしい形状でいまどきの欧州車のものよりもとても硬質で接続ホースも耐圧のものです。

ちなみにこれがパーツリストイラストの初代キャップ9-121450042-0だと思います。圧抜きPUSHボタンと鎖付きです。
パッキンもゴムではなくステンレス板。
自車(69y)入手時は何故かラジエターにもサブタンクにもこの加圧キャップが付けてありました。
鎖はブラブラしていてイラストのような場所に付けるところもなく取り付け先は不明です。

’73-’75のパーツリストではラジエター側に加圧キャップ(608-0)が付くイラストになっています。
’74年型からは加圧サブタンクではなくなったようで、#9の名称はSubTankですが、#9-1はSurgeTankAssy.と表記されています。
話は変わり、
ラジエター前部の導風板であるシュラウドは最後(’76-)のファイル式パーツリスト↓まで紙製のイラストです。

パーツリストで追うと紙製シュラウド9-21551288-0は’71年から9-21551288-1に変更されました。変更内容はよくわかりません。
シュラウドが紙製なのはハンドメイド車だけだという説もありますが、実車を見ると量産丸目車両で紙のシュラウドがついているものが少なからずあります。以下のオフィシャル広報写真で少なくとも73年型以降でも使われていたことが確認できると思います。

初期G180Wのカムカバーには1800の文字がないですね。
この2枚の写真ではラジエターに取り付けられているキャップは中央にリベット留めが見えるので加圧キャップのようです。

ちなみに70年型ECの広報写真では新車時から紙製シュラウドのヨレヨレぶりが…
しばらく使うともれなくさらにヨレヨレっと垂れ下がってくるので、多くの車両で車検整備などの際に鉄板製に交換されたのだと思います。
’93年に紙製の部品番号でいすゞに発注してみました。鉄製5-21551048-1が互換部品として出てきて750円とかなり安価でした。
5-21551048-1は76.3年型(C#5242603)〜のパーツです。これ以降が金属製シュラウドが新車の標準装備になったと考えます。
76.0年型以降適用のファイル式パーツリストでイラストが紙製なのも説明がつきそうです。
この写真でラジエターに取り付けられているキャップにはPUSHボタンやリベットがなく加圧キャップではないのが判ります。モーターアンテナの先端形状や高速タイプワイパーブレード、ベンチレータグリルに付くボンネットシールの向きなど議論のあるポイントの解として参考になる点も多いです。

この写真は初代オーナーが亡くなり極上のまま納屋ものとなり遺族が大切に保管した70年型C#520番台を見せていただいた時のもの。磨きも極小でオリジナルの塗装肌さえも残る車体でした。
経年で垂れ下がったシュラウドとオリジナルのpushボタン付加圧キャップ。
話しはフィラーキャップに戻り、
おそらく’71年から’73年の間にサブタンクを加圧系統から外してラジエターに加圧キャップを取り付けるのを標準としたことでパーツリストのイラストと整合性がなくなってしまったのかもしれません。
たぶん73年型発売を機に変更したものの’71-’73のパーツリストでイラストをそのままに編集したため食い違ったのではないでしょうか。
加圧によって冷却水の沸点が上がればいいだけなので、どちらで加圧してもいいのだろうという私なりにはどうでもいいという結論です。
’71-’72ベレットのパーツリストも同様でやはりSubTankに加圧キャップが付くイラストになっています。
Posted at 2025/02/11 18:49:25 | |
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