
今年はランドローバー70周年なので色々なイベントがあり、この土日も軽井沢でイベントが開催されるので行ってみたかったのですが、自車の路上復帰を優先させることにして整備に勤しんでいました。
先日行ったバルブのすり合わせが確実に出来ているか確認するため、スパークプラグを付けてヘッドを反対向きにしてバルブ周りの燃焼室の窪みに液体を満たして漏れを確認しました。
通常は灯油を使うようですが、なかったのでキャンプ用のホワイトガソリンを使いました。
一杯まで満たします。
吸排気ポート側から漏れてこないか観察した結果、20分経っても漏れてきませんでした。
良かった。
ただしホワイトガソリンは蒸発するのが早いので、だんだんと減ってきてしまいます。
そこで表面積が同じなので蒸発量は同じはずと考え、減る量を確認したところ、全てのシリンダーで減少量は同じでした。
よって漏れは無さそうです。
そのあと、以前オイルストーンで研磨してあったヘッド面の歪み確認がまだだったので、ストレートエッジとシックネスゲージで確認しました。
全ての箇所が0.05mm以内だったので問題なし。
これでヘッドの搭載準備は終わったので、ついにヘッドをブロックに載せるところまで到達しました。(長かったなぁ)
次の作業はワークショップマニュアルには書かれていませんが、まずはシリンダーブロックのネジ穴に全てのヘッドボルトがスムーズに入るか確認します。
これは以前ヘッドガスケットなどをイギリスから購入した時には経費削減のため、ヘッドボルトは付いていたものを再利用する考えだったのですが、30年間エンジンの爆発力に耐えてきたものをそのまま再利用するのはマズイと思い、その後新品を購入してありました。
本番でもしもネジロック剤を塗った新品ボルトに不良などがあってネジが入らないものがあったら、リカバリーが難しいと思ったので慎重を期して全数確認しました。
ヘッドボルトは3種類あり、一番長いものは上部中央3本、一番短いものは下4本、それ以外の箇所には中くらいの長さのネジを使います。
ネジが軽く止まるまでねじ込んでみると同じ長さのネジは全て同じ深さまでねじ込まれることがわかりました。
左バンクにヘッドボルトを仮にねじ込んだところ
同じく右バンク
ヘッドボルトを一旦全て抜きます。
次にブロック面とヘッド面を綺麗に清掃して、シリンダーブロックに新品のヘッドガスケットを置きます。(下の2箇所に位置決めピンがあるので位置はすぐわかります。
ただし、ガスケットにはシールするところに突起が付いており、これを表にするのか裏にするのか悩みました。元々付いていたガスケットを見てみると、突起は裏側に出るように装着するのが正しいことがわかりました。
(よくよく見ると、ガスケットに「TOP」の刻印があり、それが普通に読める面が表になっていることがわかりました。後から考えると当たり前ですが。)
新品ヘッドガスケット(光の関係で黒っぽく見えますが全面銀色のメタルです)
シリンダーブロックにガスケットを置いたところ。
まずは右バンクから。
その後、ヘッドの当たり面を傷つけないように慎重にヘッドを載せ、位置決めピンに勘合させます。
ヘッドボルトにネジロック剤を塗布します。
使ったネジロック剤はアストロプロダクツで購入したこれ。中強度。
ヘッドボルトにネジロック剤を塗っているところ。
ネジロック剤を塗ったヘッドボルトを14カ所に軽く止まるまでねじ込みます。
まだガスケットを潰す前までです。
ねじ込む順番は、ワークショップマニュアルで決められています。
ただしワークショップマニュアルには左バンクの順番しか書かれてないので、私は頭が混乱すると思い右バンクのものを自分で書き、これを見ながら作業を行いました。
自作の右バンク用
ワークショップマニュアルに書かれている左バンクの締め付け順序
また、これもワークショップマニュアルには書いてないのですが、締め付けるトルクはいきなり規定値まで締めるのではなく、ここでも慎重を期してまずは規定の半分のトルクで全てのボルトを順番に締め込み、その次に正しい規定トルクで再度全てのボルトを順番に締め付けました。
ちなみに車種や年式によっては、ヘッドボルトの締め付けをトルクではなく、あるトルクになったらそのあとは指定角度で締め付ける塑性域締付法が指定されているものもあるようですが、私のレンジは締め付けトルクでしか規定されていませんでした。
ちなみに指定トルクは、先ほどの1番から10番のボルトは88-95Nm、11番から14番のボルトは54-61Nmです。
ヘッドボルトを締めているところはボルト番号と締め付けトルクを指差し確認しながらの真剣勝負だったので写真はありません。
ヘッドボルトを締め終わったところの写真です。
本日は時間切れで右バンクのみ終了です。
左はまた来週。
ちなみにトルクレンチのヘッドは大きいので、一番奥の10番のボルトは普通のソケットではバルクヘッドにレンチが当たりソケットがボルトに入りません。
そのため、角度が自由に変えられるユニバーサルジョイントが必要になります。
なお、レンチのユニバーサルジョイントには2種類あり、クルマのプロペラシャフトのジョイントに使われているような通常のユニバーサルジョイントもありますが、ここはかなり狭い場所なので長さの短いボールジョイントを使ったユニバーサルジョイントを用いて締め付けました。
本日はその他、様々な部品の塗装も行いました。
また、私の年式はインマニからバルクヘッドまでのヒーターホース(IN、OUT両方)が純正、社外とも欠品でどこも購入することができなかったので、ネットで汎用品を探したところ、大野ゴム工業の汎用ホース L型 HH-3502 が使えそうなのでモノタロウで購入してみました。なんとかカットなどして使えそうです。
写真の右2本がこれまで付いていたもの。左2本が大野ゴム工業のもの。
インマニを仮置きして合わせてみました。
同じ長さにカットしてU字パイプでつなげば使えそうです。(ここの配管は86から88年式のみです)
続きは来週。
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2018/10/28 19:45:11