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2017年10月29日 イイね!

銀河鉄道

銀河鉄道滋賀県守山市にある『琵琶湖マリオットホテル』に併設されているプラネタリウム『デジタルスタードーム ほたる』。

『銀河鉄道の夜』を上映しているのを発見し、台風だろうが知るかよ!と勇んで出発。

先に自宅のテレビでBlu-rayを鑑賞済だが、平面とプラネタリウムの全天映像は全く異なるものであろうと想像しつつ。









プラネタリウム、お話の中身はDVD、Blu-rayとほぼ同じ。

しかし、やはりドームに映し出す映像は平面とは別物。

実際のところ、DVD用に作るのとプラネタリウム用に作る映像は、同じ場面を作るのでも全く個別に作らねばならないはず。
大変な作業だろう。

立体感。
3Dの映画館よりずっと臨場感があるのではないか。

原作は繰り返し読んできたけれど、それは活字なので想像の世界でしかない車窓からの風景。

それを、こういうふうに表現するのだなぁと感心しつつ、人目を憚らず落涙に任せるしかなかった。まさか泣くとは。

50分では全てのエピソードを入れることは出来ず、多くの場面がカットされてはいたが、素晴らしい。

白鳥が飛ぶシーンから始まるのだが、鳥の目線、まさに鳥瞰で風景が動く。
三半規管は、実際に飛んでいると勘違いした。

天気輪が三角標へと変化し、「すきっと立つ」までの描写と立体感に驚嘆。

鳥を捕る人は出てこなかったが、捕った鳥が死んで固まったおやつはキラキラと白い物体として映し出された。

おびただしい数の三角標が星座を形作る。

蠍の炎の迫力、その横を走る列車と銀河、竜胆。

北十字と南十字の荘厳さ。

線路の継ぎ目を通過するガタゴトガタゴトという音。

走る列車と周囲の風景全体が連想させる、人間の孤独そのもの。

周囲は暗黒ではなく、宮沢賢治の好む言葉で表すと「桔梗色」。
全体を通して桔梗の美しさに包まれている。

天の川の中にある暗い箇所、石炭袋。
暗黒星雲コールサックの呼び名。

現実世界に戻る直前、ジョバンニはそこへ落ちて行くのたが、自分が落ちているとしか思えないほどのリアリティ。

小説ではジョバンニは石炭袋に落ちて行きはしないのだが、落ちる描写により否応なく孤独へと連れ戻される様子が強調される。



『ほんたうのさいわひは一体なんだらう』

人の本当の幸せって何だろうとカムパネルラに問うジョバンニ。

銀河鉄道の夜の根底に流れるテーマはそれだと思う。

この上なく美しい風景と、それに相応しい死者の思い、また対照的な思いを通してジョバンニは何を知ったのだろうか。

もはやカムパネルラと一緒にはいられないという寂しさに包まれたまま。
父親は帰ってくるらしいことが予見されるが。

正しいと思うことを直向きに行うのが生きることだ。
宮沢賢治はそう言っている気がする。

蠍が美しく燃えるのは、蠍が命というものに対して真摯に向き合った結果。

そのような主題を、様々なエピソードと綺麗な光景で示した作品。

読み解けていない箇所が多くあるので、また繰り返し読まねばならぬ。

それにしても、プラネタリウムはもう一度、何度でも見たい。

KAGAYA様、ありがとうございます。
Posted at 2017/10/29 23:04:37 | コメント(1) | トラックバック(0)

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