
今日は、先日修理したTC ELECTRONIC M-ONEのデジタル接続確認と使用プロセッサー選択とEDITしてユーザープリセットへのメモリー作業をしてみました。
確認の為、1Uラックに入れている持ち出し用のCDプレーヤー TASCAM CD-01U PROと接続してみました。
TASCAM CD-01U PROにはデジタルアウトがあるのですが、同軸ではなくオプティカルだけでした。アナログアウトはRCAとXLRのバランス出力がありますが今回は使用しません。
FOSTEXのCOP-1という同軸-光、光-同軸のコンバーターで同軸に変換して、 M-ONEのデジタルインに接続します。ケーブル類も昔買ったものです。こういう変換物は何かと必要ですのでかなり色々持っています。
TC ELECTRONIC M-ONEのリアパネルです。
アナログIOはそれぞれバランスのTRSフォン用です。ミキサーにはTRS-XLRケーブルで接続します。これはアンバランス接続も出来るようにTRSフォンとなっています。民生用と違いゲインが高いです。ケーブル等を例えば100mとか長くてもノイズが乗らないようにバランス伝達とし電圧の規格も高くなっています。民生用と接続する場合はゲインを正しく合わせなければなりません。
デジタルIOは同軸ですので専用のケーブルで接続します。無いときはビデオ用のRCAケーブルで代用できます。
双方の電源を入れると自動でコネクトします。
コネクト前は点滅していたDIGITALが点灯に変わり、44.1kHzとDigital IN が表示しています。右側の表示にDUAL MONOとなってますが、これはエフェクトエンジン2系統がそれぞれルーティンされているというものです。これらは後ほど変更します。
プログラムNOがプリセット84番となってます。これはファクトリープリセットです。ファクトリープリセットは100あります。
マニュアルを見て必要な機能を選びます。
この一覧のあるものが使用できるというもので、この中から"Parametric EQ"というものが適切です。ライブではリバーブをよく使用します。楽器で利用できるものもあります。2系統が使えるので、ミキサーのセンドを二つに分けることも可能で、例えばリバーブとディレイとかでライブでは便利な機種です。
"Parametric EQ"が84番にプリセットしてあります。これをEDITしてスピーカー特性の補正をしようと思います。
その前に"Parametric EQ"のパラメーターを見てみましょう。
パラメーター表です。
1.ローのシェルビング
2.パライコで3バンド
3.ハイのシェルビング
と、5つのEQが可能で、周波数、オクターブ(Q)(幅)、ゲインがそれぞれ調整可能です。
デジタル内でこれらの調整します。特にQの可変が出来るのは良いですね。
一応思い通りに調整できます。
音を聞かずに仮調整してみます。スピーカーの周波数測定したデータを基に補正します。
ローのシェルビングです。周波数を100位から6dBカーブで3dBブーストの設定です。
シェルビングカーブ
ブースト値
次はパライコ部分です。周波数とオクターブ(幅)、ゲインです。
画像は例として、5kHz付近のピークの部分を補正してます。
オクターブを普通で、
ゲインは-1.5dB
ハイも同じように周波数特性表を基に補正値を入力します。
ローをブースト、ディップ部分も持ち上げ補正、ハイを少々ブーストしています。
スクロールの最後はFX Levelで設定した音と元の音のミックス割合です。
補正した物を100%使いたいので100%とします。
ルーティングはとりあえずLR同時に調整できる"STEREO"としました。
"DUAL MONO"はLとRを個別に調整できます。
プリセットを変更した物をユーザープリセットエリアに記憶します。
ユーザープリセットです。名前を"Naka SP EQ"として1番に書き込みました。
ユーザープリセットは100迄記憶できます。
次にIOの設定を変更します。アウトフットを民生用として使用するのと、デジタルオーバーロードしないようにゲインを変更します。
デジタルインをEQとしてブーストするという前提であらかじめ低くしておきます。インプットレベルメーターがオーバーを示すので念のためです。-5dBとしました。
アナログアウトレベルを-10dBとしました。民生用アンバランスとして接続するのでは-10dBとなります。又、レベルメーターの0dBが0.775Vです。アンプの半固定ボリュームの値の電圧表示で0.775Vとなります。
プロ用のままだと電圧が+4dB(1.23V)と高く、アンプによってはインプットにオペアンプの入力直でしたらオーバーロードとなり歪が出やすいです。入力に直接ボリューム調整(ゲイン調整)なら低くすればよいのですが、色々ありますので入出力のゲインを正しく合わせないと、音割れや音が小さいという症状になります。
最後にスペック表です。
デジタルIOですが最高が24bitでサンプリング周波数は48kHzです。昔の物ですがスペック的には全く問題ありません。
捨てようとしていたアウトボードの使い道が出来ました。これで整備したアンプの状態を見て(聴いて)みたいと思います。
デジタル-デジタル処理-DA変換-アンプ-スピーカーの構成となります。
Posted at 2020/08/03 19:13:40 | |
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