
今年は明けてからの音楽編集依頼が多く、現在は一段落している所でした。
フィギュアスケートはバッジテストという進級テストがあります。そこで級を取得してその級の試合に出ることが出来ます。初級から8級までありますが、7級まで取れれば全日本の各ブロックごとのジュニア・シニアの予選大会に出ることが出来ます。8級取っている選手は少なくあまり意味がなく、例えば引退していますが中野友加里選手ぐらいでしょう。
例えば7級は、スピン等は別として選手にとって難関なトリプルジャンプを最低でも2種類綺麗に降りなければ合格しません。都道府県にも依りますが7級取れる選手は本当に一握りです。公式試合に出るために毎日練習して級を上げていくのです。ほとんどの選手はローカル大会しか出ることが出来ずに引退します。
今回はノービスに間に合うかも? という選手の曲の編集です。
どういう事かと言いますと、女子ならノービスBで年齢が9歳以上10歳以下まででテスト級5級を取得している事となっています。5級は目安としてシングルアクセル、ダブルのトゥループ、サルコウ、ループ、フリップ、ルッツジャンプ、ダブルフリップかルッツ+ダブルのジャンプコンビネーションをマスターしている感じです。その他にスピンならレイバックスピン、フライングスピン、コンビネーションスピンです。
ノービスAは11歳から12歳以下でバッジテスト6級を取得していることが条件です。ダブルアクセルが必須です。これをクリアしているなら各ブロックの公式戦にエントリー出来ます。全日本の枠はブロックごとに違いはありますが、6人とかそんな感じです。入賞なら全日本ノービス選手権大会にエントリー出来るかもです。
あとノービスの野辺山合宿もあります。全国有望新人発掘合宿です。
各ブロックで選考会があります。
これらは本当に凄い事なのです。テレビで映る選手は本当に一部(コンマ数%)の選ばれた選手達です。
この"全日本への道"は最低でも小学生1年から始めないと厳しいです。
毎日学校が終わったらすぐにリンクに行って練習するのです。もちろん親御さんが迎えに行ってそのままリンクに直行とか当たり前です。
そして夜のクラブ貸し切りに参加して曲かけしてプログラムを仕上げていくのです。その間に進級テストの課題習得等、本当に大変な世界です。お金が掛かるんですよね。リンク代、貸し切り代、レッスン代、試合エントリー費、振り付け代、衣装代、そしてプログラム編集代金(先生によっては無料)です。私はほんの一部の選手のプログラム編集を担っています。
ノービスから全日本に出ている選手は本当に凄いのですよ。年齢とテスト級の条件をクリアして活躍しているのです。その後のジュニア・シリアでの活躍もしやすいですよね。
「ノービスに間に合うかも」だったらきちんとしなくては駄目ですよね。
一応、主な公式大会に出ている選手のも関わっていますから、いやそれが理由ではないのですがCD作成はシビアにやっています。
昔は大会のお手伝いもやっていたのですが、名の知れた有名な選手でさえCDの傷等で音跳びしてました。CDをみると傷だらけです。途中で曲が途切れたら演技もおかしくなりますよね。よくあるんですよ。テレビではあまり見ないかもしれませんけどね。
以前は国産のCDディスクが流通していたのですが、もう生産中止して6年以上経過します。今は台湾製・中国製・インド製です。
画像のCDは左はストックしている太陽誘電のCD-Rです。右はどこにでも売っている台湾製のCD-Rです。このCD-Rは比較的エラーレートがマシなので試合以外の曲かけ用としてお渡ししています。
CD-R書き込みドライブは「プレクスターpremium2」です。
このドライブは優秀です。低速での書き込みが可能です。
書き込みソフトは「SONY CD Archtect 5.2」です。これはCDにテキストや著作権情報も入力できます。
そして書き込んだ後にチェックするソフトは「PlexTools Professional XL 3.16」です。このソフトでCDのエラーレート等がチェックできます。
ですが、最近のドライブはそれらの機能が無いので昔のドライブを探すしかないです。
下記の画像は台湾製のマシなCD-Rに書き込みしてリードエラーレートチェックの結果です。再生の目安はC1エラーで100以下ですが、C2エラーが1つ出ても音跳びした経験があります。アベレージ6.0ですからまぁ優秀でしょう。
下記は太陽誘電のストック品です。これは凄いですよ。C1エラーアベレージ0.3で、MAXが3.0です。殆どエラーなしです。絶対的な信頼感はあります。
CDプレス屋さんにマスターで出せるCDディスクです。
そして、大会で良く使用されるTASCAM のCDプレーヤーです。これで、テキスト情報の名前や曲名が表示され、音も問題ないか確認してお渡しします。
曲の頭を自動的に検知して再生待機が出来ます。オートキューで直ぐ音が出ます。一つの大会で400枚のCDの出し入れ再生とかありますから民生品ではもちません。またこのデッキは自動車のオドメーターみたいなCD・MD再生・MD録音累積時間が見れるようになっています。メーカー点検に出す目安が分かります。
編集方法は色々テクがあるのですがここでは控えておきましょう。
波形編集(DAW)ソフトはいろんな先生に聞いてみると「Sound it」とか言われますね。お安くて良いと思います。私は使いません。
同じようなもので「Soundforge 」は立会い簡易編集とかで使います。これはVer5.0から使っています。今はver13かな。もうVer5.0なんてWin98の時代ですよ。
未だにCDでやってんのーとか思われると思いますが、下手にネット経由で音楽ファイルをやり取りしたらなにかあった時の責任が取れるかにあたりますよね。
届いたものはリプロできます。試合ではCDは選手の責任で一時的に預かり演技時に曲かけするだけです。手も加えませんしスピードも弄りません。一度スピードがおかしいんじゃないとクレームがあったことがあります...
選手側としてはどのようなCDプレーヤーでも再生出来て、音切れ、音跳びが出ないCDが必要です。
Posted at 2021/04/07 20:30:15 | |
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