携帯電話で定着している毎月一定の料金を払えば良いとする「サブスクリプション(定額制)」が自動車の販売にも導入され始めています。毎月一定の料金を支払えば、複数の車に乗り換えられる点がメリットとなっています。
対象期間についても1年から9年と自由に設定できることも魅力の一つとなっています。当初の3年間はBMWに、次の3年間はレクサスにと車を保有せず、保有から使用へという車のトレンドに乗った商品ということで、今後、拡大する余地も高く、多数の会社が今後参入することが予想されます。
まず、携帯電話の定額制と車の定額制では、大きな相違があることを認識しなければなりません。携帯電話の電話機の定額(分割払い)は、金利がゼロなのに対して、車の定額制(ローン、リース)金利が含まれていることです。
車のローン(割賦販売)は、法律により金利を消費者に告知しなければなりませんが、リースの場合は、明確な規制がなく、金利(料率)は、消費者に告知されずに契約が締結されてしまいます。従って、私達、消費者自身で金利(料率)に相当するものを自ら計算し、高いのか低いのかを認識する必要があります。
決して、リース取引が悪いということを申し上げるつもりはありませんが、金利もさることながら、リース取引には、未だ個人ユーザーが慣れていない、例えば中途解約等の幾つかの制約がありますので、充分、リースの仕組みを熟知した上で、リースを利用すべきであると申し上げなければなりません。
経済的な観点から、リースとほぼ同じ効果を得られるのが、残価設定ローンです。以下、ホンダのフィット((13G・F FF CVT 車両価格1,428,840円(税込み)、オプション一切なし)で、残価設定ローン(ホンダファイナンスのローンで、金利3.9%/年)と某リース会社(車のメーカー系ではない)の月額課金方式(リース料金)の比較を、期間3年間と5年間とで、それぞれ行ってみました。
結果としては、3年間と5年間の双方で、残価設定ローンの方が月額課金方式(リース料金)より、はるかに安いことが分かりました。この結果を鑑みて、今後の展望を次回探っていきたいと思います。
(次回に続く)
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2018/11/01 18:56:05