
⑤ 自動車ローンの制度的な取り扱い
自動車ローンには、概ね、2通りのローンが存在します。一つは、ディ-ラーを窓口とするクレジット(車両代金のディーラーへの支払者はクレジット会社で、債務者がクレジット会社に返済する3者間の契約)で、もう一つは銀行が融資するローンです。ディーラーを窓口とするクレジット(個別信用購入あっせん)は、割賦販売法という法律に基づき、銀行が融資するローンは金銭貸借契約(銀行法)に基づきます。このクレジットと銀行の融資するローンの制度的な相違ですが、以下の通りとなります。
割賦販売法に基づくクレジットで車を購入した場合には、消費者は以下の場合(抗弁の事由)に、支払いを停止できるという、現金販売にはない大きなメリットがあります。
1)ディーラーに債務不履行等があったとき(車の引渡がない、見本・カタログと違う、不良・欠陥品、商品の引渡しが遅れて、目的が達成されなかった等)
2)契約が成立していない場合
3)契約が無効の場合
4)契約が取り消された場合
5)契約が中途解約された場合
6)販売業者が倒産したとき
ただし、クーリング・オフ(例えば、購入後8日以内なら、契約を解除できる権利)は、車については適用除外となっています。
また、残価設定ローンの終了時には、当初取り決めた走行距離(例、月1,000キロの制限)を超えた場合、違法改造や修復歴があった場合には、債務者に負担金が発生しますので、予期せぬ出費を強いられるという煩わしさがあるのが残価設定ローンの特長となっています。
(次回に続く)
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2019/05/09 20:51:51