
久々の投稿となります。
今回のコロナ・ウイルスの災害で、多くの方が改めて車の価値を見直されたと思います。
最近では、若い方が車に興味はあっても、2020年1月の新成人の免許保有率は56.4%、都市部に限ると4割に留まるという結果が出ていて(ソニー損保)、ますます車離れが進んでいます。 確かに車は高価ですし、都会に住んでいれば交通機関が発達しているし、車を持つ必要が無ければ、免許も持つ必要はありません。しかしながら、こうした若者の意識も、今回のコロナ・ウイルスの影響で、変わりつつあるという見方も出てきています。
そこで、今回は、車の価値を今一度、移動式の居住空間として、その経済価値を探ってみたいと思います。車の中で居住空間が秀逸なトヨタのアルファード(2500CC、2WD、ガソリン、X、8人乗り)を例にとりますと、大雑把な計算ですが、室内の面積は約5.0㎡、容積は約7.0㎥で、車両代金だけで約350万円、5年間の所有コストを計算しても、1年当り約62万円となります。(以下、表参照)
これと比較して、仮に賃貸住宅(120㎡)を筆者の居住する東京・練馬区で借りると、月24万円程度ですから、5㎡当たり(アルファードの室内と同じ広さ)の家賃は、月1万円(=24万円×5㎡/120㎡)、1年当り12万円(=1万円×12ヵ月)となります。(賃貸でなく、持ち家にするとコストは高くなります。) 言うまでもなく、圧倒的に家の方のコストが低く、車を持たずに、少しでも面積の大きな家を持つまたは借りるということは、理屈が適っています。
○アルファードの所有コスト(60万円/年/5㎡)>賃貸住宅のコスト(12万円/年/5㎡)
しかしながら、車と家の圧倒的な違いは、車は移動・輸送能力を兼ね備えているということです。なかんずく、アルファードの様なミニバンは、7~8人の輸送が可能であり、公共の輸送手段による移動コストより低くなることを検討しておく必要があります。
公共輸送のコストの一例として、極端な例かも知れませんが、東京に居住する家族計6人(大人4人+子供2人)が、盆・暮の年2回、大阪に帰省するコスト(計算式は省略します。);
○飛行機:約58万円
○新幹線:約31万円
上記の賃貸住宅の例で、5㎡の住宅コストは、1年当り12万円でしたので、居住する住宅のコストを5㎡狭くするだけで、12万円/年節約できますので、この節約分で車を所有するコストに補填すれば、先のアルファードの例でも1年当りのコストが50万円(=62万円―12万円)となり、公共輸送手段による移動コストをカバーすることだって可能です。
従って、住宅選びの際には、面積を5㎡減らし、車を保有することがお得になるかも知れません。
これに加えて、車には、以下のメリットがあります。
① 車は移動可能なので、自然災害に遭うリスクが住宅より遥かに低い、万が一、家が流されても損壊しても、車さえあれば車の中で生活が出来る。
② 電車・飛行機等の公共輸送手段と異なり、車なら隔離した空間を維持できる。
③ いざという時、車持ち込みで、単価の高いアルバイトが出来る。(例:弁当の配達、月20日×2時間/日で月65,000円程度、通常のアルバイトより、2.5万円程度高くなる)
ここ数年、カーシェアリングが発達してきていることが、車を手放す理由の一つとなっていますが、
マイカーの意味を再検討することが肝要です。
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Posted at 2020/04/24 11:36:25 | |
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