
中古車の価格を構成する基本的な要因は、以下の通りと考えられます。
A)主として、経過年数と走行距離の2つとなります。 以下の表4は、3年経過および5年経過したそれぞれの車の走行距離別(横軸の単位:1万km)に見た中古車の販売価格のマトリックス表となります。例えば3年を経過した自動車で走行距離が1万kmだったら、価格が5万円アップ、走行距離が6万kmだったら、価格が10万円ダウンという見方になります。
(表4)
B)車検の直前・直後で価格が増減します。
以下の表5は、車検までの残り月数別に応じて中古車の販売価格が増減することを示したものです。車検まで3カ月しかない車は、価格が5万ダウン、逆に車検まで23ヶ月ある車は3万3千円アップという見方になります。
(表5)
C)オプション、ボデイカラーで価格が異なる可能性があります。
本革シート、電動サンルーフ、カーナビの有無、ボデイカラー(パールホワイト、ブラック)
は、下取り・買い取り価格が高くなる可能性があります。
D)1オーナー、2オーナーそれ以上で価格が異なります。
1オーナーの中古車の人気がありますが、どういう前オーナーがどういうメンテナンスを施していたかが重要な問題となります。整備手帳、メンテナンス・ノートを良く確認することが重要となります。
E) 事故の有無
事故歴のない中古車が望まれますが、事故車の場合、販売業者からの何らかの開示がありますが、事故の内容を確認(基本性能に関わる事故だったのか、バンパーを交換した程度の軽い事故だったのかどうか)する必要があります。いずれにせよ、見かけでは、評価が大変難しいことになります。
F) 認定中古車
一例としてですが、トヨタ認定中古車は「総合評価」と「外装・内装の評価点」に分けられます。クルマの「総合評価」をS~Rの11段階で評価。「外装および内装」は、それぞれA~Eの5段階で評価しています。基準をクリアしている車は、「車両検査証明書」が発行されています。
(表6)【総合評価】
(表7)【外装および内装】
(表8)【車両検査証明書・見本】
F) 中古車ディーラーの粗利益(マージン)は、非公表ですが、車の経過年数が大きくなればなるほど粗利益が大きくなる傾向があります。年数が大きく経過した中古車は、ヤフオク等の個人売買で購入するのも一つの選択肢かもしれません。
(表9)経過年限毎の粗利益(マージン)
(次回に続く)
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Posted at 2022/10/12 07:56:00 | |
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