COMTEC ZERO 809LV  

☆初めにこのレビューは改造を目的としたものではない事をご理解ください。
コムテックのレーダー探知機がCS放送に悪影響を及ぼすという総務省の指示で対策修理となりました。
今回は修理後の製品を夏休み自由研究で勉強してみました。
①X、KバンドのパッチアンテナはXバンドで２個、Kバンドで４個あります。Kバンドのうち２個は1/2波長導波線を長くすることで位相を１８０度遅らせてあります。右偏波と左偏波に対応するためでしょうか。感度とか誤報対策に利用しているのかもしれません。
②初段のFETはＫバンド(24GHz帯)に対応するもので、初段の増幅とダウンコンバートを行っているものと思われます。
③２個のセラミック共振子（白い丸）があり、左側にKの文字、右側にXの文字があるので、左がKバンド、右がXバンドのオシレーターでしょう。
④X,Kそれぞれに発信用のトランジスタがありますが、Xバンドは10GHz以下で発信させているでしょうからCSへの妨害は考えにくいです。
⑤Kバンドの発信トランジスタは直接発信（24GHz）だと高価なので半分の12GHzで発信させその２倍の高調波を利用しているように思えます。この場合12GHzの電波は当然24GHzの物より大きくなるのでＣＳ帯に悪影響を与える可能性があります。
素子を交換した場合はこのトランジスタでしょうか。
⑥プリント基板に何か所もレーザートリマーで処理した部分が見受けられます（オレンジ色で記した部分）。一か所はカットしたようにも見え、この処理で発信周波数をずらし、ＣＳ妨害の特定周波数を軽減した可能性もあります。これによりインピーダンスに影響があり感度が落ちた可能性もありますね。
⑦いずれにせよ、改造は違法。やるにしても高価な測定器とレーザートリマ―処理を修復する必要があるので無理でしょう。
☆ということで、そのまま元に戻して利用しています。