
「世界一過酷なサーキット」とも言われるニュルブルクリンク北コース、よくYouTubeで出てきますが、ふと気になったのが、「一番速いクルマって何?」。調べてみると、想像以上でした。絶対王者は、Porsche 919 Hybrid Evoで、5分19秒546。

P1: Porsche 919 Hybrid Evo。見たまんま、レーシングカーです…。
5分19秒って…、もう速いのかどうかすら感覚的に分かりませんね…。
919 Hybrid Evoは、ル・マンを戦った919 Hybridをベースにレギュレーションの制約を取り払った車です。完全に別世界の車です。
では、「日本車で一番速いのは?」。最初に思い浮かんだのはR35 GT-R NISMOです。

P2: 日本発のスーパーカー NISSAN GT-R NISMO
ところが、もっと速いクルマがありました。SUBARU WRX STI Type RA NBR Special。タイムは、6分57秒5…。なんと7分切りです。

P3: イギリスのレーシングカーコンストラクタ「Prodrive」が手掛けたSUBARU WRX STI Type RA NBR Special
但し、普通のWRX STIではありません。Prodriveが製作したタイムアタック専用車で、600hp以上の2.0L BOXERターボ、シーケンシャルミッション、スリックタイヤ、専用エアロなどを装備…。ほぼレーシングカーです。
なので、市販車のGT-R NISMOとは単純比較できません。GT-R NISMOは、
7分08秒679、Lexus LFA Nürburgring Packageは、7分14秒64…。

P4: サーキット走行へ向けて性能と空力を高めた、世界限定50台の特別仕様車 Lexus LFA Nürburgring Package
これでも十分凄いです。でも、ここでもう1台気になるクルマがあります。Porsche 911 GT3 RS(992)。タイムは、なんと、6分49秒328!

P5: 公道を走れるレーシングカー ポルシェ 911 GT3RS
WRX STI NBR Specialより約8秒速いです。しかも911 GT3 RSはタイムアタック専用車ではありません。525PSの4.0L水平対向6気筒NAを搭載した、ナンバーを付けて普通に公道を走れる市販車です。もちろん普通の911とは全然違います。巨大なリアウイング、DRSを含むアクティブエアロ、徹底した軽量化…。285km/hでは860kgものダウンフォースを発生するそうです。
つまり、「レーシングカーの技術を市販車に持ち込んだ」という言葉が、そのまま当てはまるようなクルマです。
さらに2026年にはManthey Kitを装着した911 GT3 RSが、6分45秒389までタイムを縮めています…。恐ろしい世界です…。

P6: Manthey Kitを装着したポルシェ911 GT3RS。エアロによるダウンフォースは驚きの1t!
ここで何台か並べてみると…、
Porsche 919 Hybrid Evo 5:19.546
911 GT3 RS Manthey Kit 6:45.389
911 GT3 RS(992)6:49.328
WRX STI Type RA NBR Special 6:57.5
Nissan GT-R NISMO 7:08.679
Lexus LFA Nürburgring Package 7:14.64
BMW M3 CS(G80)7:28.760
※計測年代によってコース長や計測方式が異なるため、完全な同条件比較ではありません。
こうして見ると面白いですね。
特に驚いたのが911 GT3 RS。
WRX STI NBR Specialは、600hpを超えるタイムアタック専用マシン。それに対して911 GT3 RSは市販車。エアコンも付いているし、ナンバーを付けて自宅からサーキットまで走って行けます。それなのに6分49秒。911 GT3 RSが「公道を走れるレーシングカー」と言われる理由が、ニュルのタイムを見ると少し分かった気がします。
一方でWRX STIも凄いです。最近GRカローラに試乗して、以前試乗したWRX STI(GDB)との違いをいろいろ考えていました。GRカローラは速いし、よく出来ています。でも、昔のWRX STIにあった、ちょっと荒々しい感じとは何かが違います。WRX STIはWRCを戦い、ニュル24時間にも参戦しました。そして、WRX STIをベースにProdriveが本気でタイムアタック車を作ったら、ニュルを7分以内で走ってしまった…。
今になって考えると、WRX STIから感じていた独特の雰囲気は、「市販車のすぐ向こう側に競技車両がいる」ような感覚だったのかもしれません。
そして911 GT3 RSは、さらに違います。競技車両の向こう側に市販車があるのではなく、「競技車両を、どうやったらナンバー付きで売れるか?」という発想で作っているように見えます…。
M3にはM3の凄さがある。
GT-RにはGT-Rの凄さがある。
WRX STIにはWRX STIの歴史がある。
そして911 GT3 RSにはポルシェGT部門の狂気とも言えるような凄さがある。

P7: レーシングシーンを思わせるデザインとしながらも、後席に大人3人の乗車スペースを確保するなど、日常使いに配慮しているBMW M3 Competition Sport
ニュルのタイムって、単なる数字ではなく、そのメーカーが「速いクルマ」をどう考えているのか、そこまで見えてくるから面白いですね!
Posted at 2026/08/28 07:36:27 | |
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