
南鳥島周辺で日本がレアアース泥の商業開発に成功すれば、世界のレアアース供給において中国の圧倒的な優位性が崩れる可能性があるため、中国はこれを重大な挑戦と見ています。

中国の対応は、主にレアアースの供給における優位性の維持と海洋権益の主張という二つの側面に現れています。
中国の主な対応と戦略は、以下のとおりです。
1. 供給の「武器化」による優位性の維持
中国は、日本の南鳥島での開発が進む前から、レアアースを戦略的な資源として管理し、国際的な供給を支配してきました。
日本の開発計画や、米国などとの連携の動きを牽制するため、中国はレアアースの輸出規制や技術の管理を強化する動きを見せています。
特に、ハイテク産業に不可欠な重レアアース(ジスプロシウムなど)を対象とした規制を強め、価格や供給のコントロールを試みています。
中国は現在、世界のレアアース採掘量の約70%、分離・精製量の90%以上を占めています。南鳥島のレアアースが商業化されても、深海採掘のコストや技術的な難しさを指摘し、中国の陸上鉱山から供給される低コストのレアアースの優位性は揺るがない、という見方を示す専門家もいます。
2. 海洋権益の主張とけん制行動
南鳥島自体は日本の排他的経済水域(EEZ)内にありますが、中国は日本の周辺海域、特に尖閣諸島や沖ノ鳥島といった日本の海洋権益に関わる地域で覇権的な行動を続けており、南鳥島周辺の開発も遠回しにけん制していると見られます。
中国は、日本の海洋資源開発の動きを警戒し、周辺海域で軍事的な活動や海洋調査船の活動を活発化させることで、日本の開発を間接的にけん制する可能性があります。
南鳥島周辺での日本の動きは、日米の資源・安全保障協力を強める一因となっているため、中国はこれに対抗する動きを見せています。
対する日本の対抗戦略は、以下のとおりです。
日本の南鳥島レアアース開発は、中国の「資源武器化」への決定的な対抗策として位置づけられています。
南鳥島で開発が成功すれば、日本はレアアース供給における中国依存を脱却し、経済安全保障を大幅に高めることができます。
日本は、レアアースの採掘・精製・供給網の構築において、米国など友好国との連携を強化する動きを進めており、これも中国の資源戦略に対抗する大きな柱となっています。
南鳥島の開発は、単なる資源開発ではなく、地政学的な意味合いを持つプロジェクトとして、中国もその動向を注視している状況です。
Posted at 2025/11/12 17:39:21 | |
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