回答編です。MR2につくかもしれなかった名前。そのヒントにピッタリな当時のCR-XのテレビCM集がありました。まずこちらをご覧ください。「デュエット・クルーザー」これがCR-X新発売のときのキャッチコピーです。都市伝説の回答です。SV-3(MR-2のコンセプトモデル)の市販車名候補に挙がっていたひとつに「デュエット」があったのです。デュエット。つまり二人で歌うこと。二人乗りのクルマにつけたくなる名前ですね。自動車メーカーの中でも、音楽にちなんだ車名にこだわってきたのがホンダです。プレリュード、バラード、コンチェルト、ビートといった具合に。三菱が所有していた「プレリュード」の商標を、ホンダが譲り受けたとも言うエピソードは、たまに耳にする話です。ここでもう一度、CMを見てみましょう。2本目以降のCMでは、このキャッチ・コピーが使われていません。それはトヨタが「デュエット」という商標を持っていたから。もうお分かりですね。その後、ダイハツストーリア(5人乗り)のOEM車にはトヨタ・デュエットという名前が授けられました。市原悦子さんの「家政婦は見た!」をモチーフにしたCMが印象に残っています。繰り返します。これは都市伝説です。ただ本当だとしたら、それは当時のホンダさん、トヨタさんの社員の人たちの情熱を感じてほしいです。自動車メーカー社員へのリスペクトです。ホンダの社員の方は、たくさんの人にCR-Xを選んでほしいとキャッチコピーを考えぬいた結果です。トヨタの社員の方は、自分たちのクルマに将来名づけたい商標を大切に守ろうとしたってことです。MR2には、MR2という一番ふさわしい名前が授けられたと思います。地面すれすれに飛んでいるような小型飛行機のようなテレビCM。硬派で、いま見てもかっこいいです。子供につけようとした名前が、知り合いの子供のニックネームと被ってしまったというのが、今回のお話しでした。楽しんでいただけましたでしょうか?