続きです。
前回までは、「純正状態のフェンダー吸気では、実際の吸気温度は低くならない」という話でしたが、そもそも、
吸気温度の違いで最大パワーは変わるのか?
という話です。
ターボ車の場合はインタークーラーが付いており、それ以前にタービンの300度前後の排気熱で吸気(エア)が加熱されてしまうので、ほぼ吸気温度の違いは誤差範囲である
という考えがありますが、化学的な観点から言うと、
熱量保存の法則から、タービン加熱での到達温度にも変化があり、最終的に吸気温度の上下でスロットル直前の温度の変化がある
といえます。
数値でとらえるなら、
吸気温度: 外気温25℃ → タービン300℃で加熱され、125℃に到達 → インタークーラーで100℃落として25℃吸気
吸気温度: エンジン内部温度70℃ → タービン300℃加熱で175℃到達 → インタークーラーで100℃落として75℃吸気
上記のような完全比例は起こらないにしても、簡単に例えるなら、冷蔵庫に冷やしたペットボトルと、常温放置のペットボトルを同じ時間、同じ出力で電子レンジで温めると、常温放置の方が到達温度が高い
という感じでしょうか。
さらに、旧アカ時代に次のような実験をやってみました。
余っている純正インタークーラーの
タービン側タンク(赤丸)、
スロットル直前のタンク(青丸)にホールソーで穴を開け、サーモセンサーを設置してインタークーラー前後の温度計測をします。
ただ、これだけだとインタークーラーの下げられる温度の割合(インタークーラーの冷却カロリー相対量)しか分からないので、同時に吸気温度を変化させた時のスロットル直前の温度を計測します。
吸気温度を変化させる方法は簡単で、エアクリBOXに繋がるエアダクトを外すとダイレクトにエンジン内部の熱い熱気を吸い込むので、ダクト装着時と撤去時で計測しました(この計測時はレゾネーター撤去をしない状態で行う)。
ダクトあり画像↓
ダクト撤去↓
撤去すると、ラジエーターファン直近の熱いエアが入って来るので、違いが分かり易い↓
この双方の状況で、同時にエアクリBOXに取り付けた別のサーモセンサーで吸気温度を測ります。
残念ながら測定データは旧アカ削除で無くなってしまいましたが、概ね、
ダクトあり、なしではスロットル直前(インタークーラー直後)の吸気温度が20~40℃の温度の違いがありました
ただ、公道を走っているため、走行条件を完全に一致させる事が出来ないという問題?もありますが、
吸気温度の違いは最大パワーの違いに現れる
と言っても過言ではないでしょう。
次は対策法を書きます。
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ラムエア導入とインナーフェンダー吸気 | 日記
Posted at
2018/05/19 18:03:41