皆さんはご自身の愛車に手を加えようとする時、どんな事を考えますか。
最近、と言うよりはかなり昔からずっと頭の片隅で考えていたことがあります。
拙の愛車、平成2年式NA6CEは前期型です。
ロードスターの系譜の中では、最初期に程近い機体。
故に開発者の思いが一番体現されている機体ですが、同時に開発者の割り切りも体感することが出来ます。
初代ロードスターの開発主査であった平井元主査は、後のインタビューに次のように発言しています。
「ボディ剛性は、設計がしっかりやってくれて、私が思っていた以上に高くしてくれたんですけど。そのぶん重量が重くなり過ぎてしまった。なので、少し軽量化のほうを重視して、少し手を抜いたんですよ。ボディ剛性がヤワだというのは、私のせいなんですよ」
つまりNA6CEは、この世に生を受けた瞬間から軽量化を優先し、剛性面では一定の妥協があった、と。
勿論、純正オプションでフロントのストラットタワーバーはラインナップされていました。
初代ロードスターは、マイナーチェンジをする度に、改良点に必ずボディ剛性の強化が施されてゆきます。
フロントパフォーマンスロッドやブレーズバー、リアパフォーマンスバー等が追加装備されボディ剛性がアップしていきます。
また、社外オプションにも剛性を高める数々のパーツが輩出されました。
当初、拙は愛車を長期に亘って維持することに力を入れ、数ある剛性パーツには興味はあれど意識して目を向けて来ませんでした。
昨今、速さを誇るスポーツカーのコンセプトを読むと一つの共通項があることに気づきます。
それは、ボディ剛性を高め、サスペンションは柔らかめにすることで、速さと同時に快適性も手に入れることが出来たとの記述が多いこと。
つまり、拙の稚拙な理解力で纏めてみますと、ボディをかっちり強固に作り、サスがしっかり仕事をするようになると無用にサスを固める必要が無くなり、快適性も手に入る?と言うことでしょうか。
これ迄、今の愛車の剛性感やサスの剛柔、運転の快適性に何ら不満を持ったことはありません。
昨年の事故から大掛かりな修復を経て戻って来た後も、特段以前と感触が変わった訳でもありません。
ただ…。
間もなく30歳となる愛車が、この先も元気で走れる為には、経年劣化によるヤレや金属疲労、長年の路面からの入力でフレームに微妙な捻れや歪みが生じ、各部の接着や接合部分が弱まっている事をそろそろ考えていく時期に来ているのかな、と。
愛車と拙がこの先も楽しくワインディングを疾走る為には、経年変化に対する未然の策を講じておく必要があるのではないかとの思いに至ったのでした。
ボディ「剛性」を上げ、サスペンションに「しなやか」に仕事をさせ、「快適」に楽しく疾走れる。
更にオリジナリティを維持する為に、ボディに穴を開けたり、溶接したりせず、出来れば純正オプションパーツをベースとし、各追加パーツはボルトオンで装着し、いつでも元に戻せるような…。
NA6CEでNA8の剛性感を感じて見たくなったのです。
そんなやや無茶感のある構想具現化を夢想している昨今の拙なのでした。
追伸
布マスクを義母から頂きました。
拙が無地を希望したのですが、何処か面白味に欠けていました。
そこで、アイロンプリントを使って、仕上げてみました。
これで更に何時でも一緒?(笑)
(文中の引用は、legendary J's 04 MAZDA/EUNOS ROADSTER p36~39「INTERVIEW平井敏彦」より抜粋させて頂きました。)
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ボディ剛性考 | 日記
Posted at
2020/06/12 07:34:11