ガレージにR35がやってきてから、はや1か月。
1500㌔位走って初めて自分で洗った。
で、初めてじっくりと車体を確かめることができた。
洗車だけでみっちり3時間撫でまわして分かった、これは空力お化け。
このクルマ、実物を路上で見かけることが少ないので、頭の中には写真のイメージしかなかった。
なんか全体にノッペリしていて顔はデカいが腰つきが寸胴で、パスンと断ち切られたお尻がまたデカくて、これ見よがしに丸目4灯でスカイラインの血統ですと語っているような・・・。
正直に言うと格好いいと思ったことは一度もありません。
物の本などでガンダムチックなデザインだと揶揄されてそう思っていたし。
だが性能おばけなクルマだということは実は体験していた。
10数年前初期型がデビューしてすぐ、知人のところにやってきたシルバーの標準車。
二人でまる1日乗り回した、湾岸線から芦有道路、43号から環状線、また湾岸線
と全開走行(リミッターありで)。
湾岸線で時速1?0キロでコーナリング中にチャタリングで1車線横っ飛びした、
チャタリング?市販車で?スリックタイヤ履いてるのか?でもお釣りもなく何事もなかったように駆け抜けた。咄嗟のステアリング操作に正確に反応した。
これは、、、ほぼサーキット走行用だなと思った。
現実の路上ではクルマというより自在加速の超高速移動機械。フロントガラスから見ている景色はドライビングゲームみたいなもので、手ごたえに欠けていた。
ただ、あの加速と路上のクルマが止まっているかのように移動できる快感は忘れることは出来なかった。トラウマみたいに。
そして今日洗車して気付いたことが、これはは空力おばけ。
写真ではフロントの切り立った崖みたいに見えていたグリル下からスポイラーまでの間。触ってみると空気取り入れ口がしっかり開いていて上下左右の導入板もなめらかに切り込まれ表面に沿って空気が滑らかに流れゆくことが想像できる。奥にはインタークーラーがしっかり見えている。左側にはでかいオイルクーラー、インタークーラーの奥のラジエターコアにもしっかり風が回るようになっている。
這いつくばって眺めてみたら、アンダーフロアは前から後ろまで板で塞がれていた。レーシングカーと同じじゃないか、、、ずいぶん前にレース中にギャップで跳ねた後、糸の切れた凧みたいに舞い上がってコース外に飛んで行ったグループCカーの映像。その時に見えた底面とよく似てる。
空気取り入れ口から入った風と、スポイラー下から入って後ろに抜ける風を分けて考えてある、、、レーシングカーの思考にちかい。
洗車タオルで撫でまわしていると、ノッペリしているように見えていたボンネットフードも実は美しい曲線で構成されていることが解る。
ヘッドライトカバーも球形のラインを持ち、2つのダクト付近の隆起に流れが繋がっている。
フロントフェンダー上部の隆起したラインがサイドミラー下を通ってCピラーの付け根までのドア上部の面を風が抜けてリアウイングに吸い込まれていく流れが目に浮かぶ、、、ホイールのブレーキダストをゴシゴシした後なのでちょっと腰が痛いが、楽しい。
寸胴に見えていたドアサイドからリヤタイアハウスへのラインも285と太いタイヤを包むために、上から眺めるとしっかりと張り出している。空気の流れを妨げないために余計なキャラクターラインを付けたりお飾りの隆起をさせていないだけなのだ、、、本物の空力デザインとはこういうモノかも?
リアウイングもよく見ると凄い、、、S4tsとS208のカーボンリヤウイングに比べてプラスチッキーで物足りないけどクルマのデザインには合っているから、まあいいか、、、なんて思っていたけど大間違い。
揚力が下方に働く断面もしっかり出来ているし、翼面積が広い。ピラーと翼端板が流れるように繋がっていて、取り付けボルトの類が一切顔を出していない。
(Sの翼はAH64のローター翼を製造した会社が造っていたので本物だったが、取り付け方法迄は気が回らなかったようだ、でっかいナットがこれでもかと飛び出していた、、、数十年前には枕頭鋲を使っていた会社の末裔のはずなのに。ちょっと残念)
R35の車体デザイナーは、まず空力の追求という機能の命題を付与された上で、思い存分デザインの腕を振るったのに違いない。
こんなことを考えるのも、このクルマの楽しみの一つと思う。
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GTR | クルマ
Posted at
2019/04/04 00:19:08