アイドリング不調（VSV故障）修理

ある日突然アイドリング回転が低くなりアクセルを軽く踏んでいないとエンストするように、、、
ブースト計を見てみると負圧が異常に大きい
（普段-20kPaが-60kPaに）

このエンジンはディーゼルながらスロットルバルブのような吸入空気量を制御するバタフライバルブが付いており、ガソリン車のようにアクセルペダルと連動してバルブの開度が変化します。

アイドリング回転数の制御をする場合、ガソリン車であればワイヤー式スロットルならスクリュを調整したりアイドル回転制御の電子制御バルブで制御していますが、このエンジンは吸気通路の一部を二つに分けて片側はアクセルペダルと連動したバルブがあり、もう片方で負圧により作動するダイヤフラムアクチュエータが接続されたバルブがついているようです。

ちなみに、ディーゼルは燃料の噴射量で調整するため吸気バルブが全開でもアイドル回転はあまり変化しません。

このダイヤフラムが、エンジンの負圧により作動することで、スロットル通路のバイパス量を制限していると思われます。

前から探していた2L-T用の修理書が安くオークションに出品されていたので購入し調べたところ、VSV（バキュームスイッチングバルブ）が壊れたことによりこのダイヤフラムの作動がおかしくなり吸入空気量を絞りすぎて負圧が大きくなりエンストといった症状が出たようです。

単体点検の方法が修理書に記載されていたので点検したところ、本来38～44Ωの抵抗値が故障したVSVは4MΩとほぼ断線状態でした。

VSVの作動としては、IG-ONで12VがVSVに流れ電磁バルブが大気との通路を解放させます。
エンジン始動後、水温が上がると途中経路に設けられた別の負圧通路のバルブが開きダイヤフラムに負圧経路を繋げます。
エンジン停止時は電圧が無くなり電磁バルブが閉じることでエンジン負圧がダイヤフラムにすべてかかり吸気の絞り量を多くしてエンジン停止時の回転振動を大幅に減らします。
（これがないとグラグラっと車が揺れます）

もしかしたら、他にも違った作動をさせるために使われているのかもしれませんが、しばらく壊れたまま車に乗ってて感じられたVSVの恩恵はこれぐらいでした（笑

しばらくはアクセルペダルと連動したバルブをすこし開いた状態にタイラップで固定した状態で乗っていたのですが、壊れたままずっとは乗りたくなかったので直します、、、が、純正部品はやはり残ってないようで部品屋さんにお願いしたところ在庫無しとのことでした。

前乗っていたディーゼル事故車のエンジンルームを覗いたところそれっぽい部品を発見したので流用します。

通路の配置は同じだったので基本もとの通りに差し替え。
カプラは配線加工をしたくなかったので変換を作り接続。

アイドリングの負圧も安定してエンジン停止時の揺れも無くなりました。