
駆動用電池の直流内部抵抗のデータがある程度そろいましたのでプロットしてみました。
<測定方法>
内部抵抗は以下の要領で算出。
・測定はOBD2モニタの数値を読み取り。
・測定時の電池SOCは40%~50%の範囲内とする。
・一晩車両を放置し朝一初起動時に素早く計測(電池温度=外気温とするため)
・システムオンし、電池電流0~1A程度での電池電圧V1を記録。
・アクセルを踏み、走行。速やかに電池電流I(100A程度を目標)のときの電池電圧V2を記録。
・直流抵抗Rdc=(V1-V2)/I で算出。
<測定結果>
3月は寒暖差が激しく、おかげで2℃~15℃の範囲でのデータがとれました。
青のデータが朝一初起動時のデータです。一晩放置しているので電池温度はほぼ外気温と考えられます。
この温度範囲では、内部抵抗はほぼ外気温に比例していることがわかりました。
15℃時の0.131Ωとくらべ、2℃時の0.223Ωは1.7倍にもなっていました。
電池での内部損失は、抵抗値に比例しますので、2℃時は15℃時の1.7倍ということですね。これに暖房負荷も加わるので、寒いほどEV航続距離が低下するわけです。
赤のデータは、30分ほど走行したあとのデータです。
データ数は少ないですが、同じ外気温でも、走行後は内部抵抗は下がっていることがわかります。内部損失により電池が暖たまってくるのでしょう。
<考察>
外気温が高くなるほど、朝一初起動時の内部抵抗(青カーブ)と、30分走行後の内部抵抗(赤カーブ)の値は近くなってきています。暖かいほど電池のパフォーマンスが安定してくるのだと思います。
グラフ的には、外気温16℃近傍で数値が一致します。これ以上の気温だと、初起動時から電池パフォーマンスが出ているものと思います。
外気温7℃時の30分走行後の内部抵抗は0.142Ωですが、朝一起動時にこれと同じ内部抵抗となる外気温は15℃近傍です。
ということは、外気温7℃に30分ほど走行すると、電池温度は8℃ほど上昇していると言うことだと思います。このときのウオーミングアップ時間は30分以下ということですね。あまり寒いと、ウオーミングアップでだけでEV走行時間を使い果たしてしまいそうです。
PHVのちいさな電池容量でもこんな感じなので、大容量電池の純EVだと、ちょっと走行してもなかなか電池温度は上がらないのでは。。と思います。
低温時の電池のパフォーマンス維持は重要なテーマですね。電池用の専用エアコンシステムがほしくなりますね。
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Posted at
2019/03/30 09:46:58