
駆動用電池の劣化は避けられませんが、なるべく劣化させたくないですね。
どうすれば劣化を抑えた運用ができるのかは、課題でもあります。
この参考になりそうな技術が、三菱自動車の公開特許公報にありました。(特開2019-160395)
駆動用電池の劣化の進行を、ユーザが設定した劣化進行目標に合うように制御する、という内容です。
内容の概略ですが、
ユーザが電池の劣化の進行の目標値(例えば容量劣化を年間5%以内に抑えたい・・)を設定すると、車両ECUは、現在の電池の劣化の進行具合に基づき、設定した目標値に合った劣化進行となるように、電池の充放電条件を必要に応じて制限する内容です。
例えば、現在のレベルで劣化の進行が継続した場合に、設定した目標値よりも早く劣化が進行すると判断される場合には、より劣化を抑えるように充放電条件の制限を厳しく制御します。逆に現在の電池の劣化の進展が継続した場合に、設定した目標値よりも劣化が軽く済むと判断される場合には、より充放電の制限を緩和する制御をします。
制御内容の一例が開示されていました。
例えば、上限SOC100%までの充電と下限SOC20%まで放電する運用を繰り返し、満充電での駐車を繰り返す運用をしている場合には、電池の劣化が設定した目標値よりも大きく進行すると判断されるので、充電上限SOCを80%程度に制限し、また放電下限もSOC30%程度に制限する制御が発動されるという具合です。(SOC変動幅はアウトランダーPHEVを想定?)
<制限制御発動前の運用>
<制限制御発動後の運用>
これを参考にすると、以下の運用を心がければ電池劣化の進行を最小限にできるようです。
① SOC100%までの充電は避ける(プリウスPHVではSOC83%あたりで満充電となりこれ以上SOCは上がらないので、すでに対応済みですかね。)
② 満充電放置は避ける(よく言われていることですね。夏場の高SOCでの長時間駐車は避ける。)
③ 低SOCまで放電させない(低SOCでは電池電圧低下に伴い電流が増えることと嫌ってのことでしょうか?)=SOC30%程度でHVに切替る。
メーカも、電池の劣化とどう折り合いをつけるか、いろいろ頭を悩ませているようです。
※内容の全文は以下などで検索して閲覧できます。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/
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Posted at
2019/09/20 22:56:44