
PHVのAC100V給電能力について検証しました。
PHVを選択した動機の一つに、商用停電時に、外部給電システムによりAC100V給電をしたかったことがあります。
AC100Vの最大供給可能電力は以前検証し、1500W+α、実際に使えることを確認しました。
さて今回は持続力、総供給電力量がいくらなのか? の検証です。
さてどのくらいの期間、我が家は停電に耐えられるのか?
ガソリン満タン、満充電として、底つきるまでAC100Vを取り出して実証。。。するのはあまりに無駄なので、以下の手順で計算して算出します。
<手順>
1.停車状態でチャージモードでしばらく運転し、発電電力をすべて充電に回し燃料消費量と駆動用電池への充電電力量を採取
(データ採取はHybridAssistantを使用)
2.燃料消費1Lあたりの充電電力量(≓発電電力量)を算出
3.ガソリン満タン時想定での発電電力量に電池満充電での電力量を加え、総供給電力量を算出
<条件>
気温9℃、電池温度25℃、駐車、エアコンオフでチャージモードで20分ほど運転。(補機類消費など基礎代謝は200W程度と思われる。)
<結果>
駐車状態でのCHGモードでは、発電電力は3.0kW~3.5kWであった。
普通充電時の電力をやや上回る程度。
20分で、SOCは17.6%→30.2%となった。
このときの充電電力量は、
8.8kWh×0.95(5%劣化考慮)×(SOC30.2%-17.6%)=1.05kWh
このときの燃料消費量510mlであった。
燃料1Lあたりでは、
1.05kWh/0.51L=2.06kWh/L
おまけ:
<チャージモードで得られる電力コストは・・・?>
チャージモードで得られた電力量1kWhあたりのコストは、ガソリンを150円/Lとすると、150円/2.06kWh=73円/kWh となり、
我が家の電力会社からの電力料金(27円/kWh)の約2.7倍となりました。
<ガソリンの熱量うちどのくらいが電力として使える?>
ガソリンの熱量は47kJ/g、密度は783kg/m3(0.783kg/L)なので、
ガソリン1Lあたりのエネルギーは、47kJ×783g=36801kJ=10.2kWh
一方、ガソリン1Lで発電された電力量は2.06kWhなので、効率は2.06/10.2=20%。残り80%は熱として放棄することになります。
PHVのエンジン、最高効率は40%なのかも知れませんが、アイドリング近傍での効率はこんなもんなのでしょう。
さて、本題です。
材料がそろいましたので、ガソリン満タン、フル充電からのAC100V供給可能電力量を計算します。
燃料タンク容量は43Lですが、取説によれば、外部給電システムは燃料残量警告灯が点灯した時点で自動停止するようなので、正味使える燃料は36.6Lとなるので、この燃料での発電による充電電力量は、2.06kWh×36.6L=75.4kWh
電池満充電分の電力量は、
8.8kWh×0.95(5%劣化)×(83%-13%)=5.9kWh
合計して、使える総電力量を出すと、
75.4kWh+5.9kWh=81.3kWh
AC100Vインバータの効率を90%とみて、使用可能な電力量は
81.3kWh×0.9=73kWh
と算出されました。
なおトヨタのサイトでは、1500W連続使用で2日程度使えるとあります。
https://toyota.jp/priusphv/charge/
これによれば、1.5kW×48h=72kWhとなり、おおよそ計算が合います。
ということで、
PHVでの満タン&満充電で得られるAC100Vの電力量は73kWhということのようです。
我が家のエアコン不使用時期の一日の電力使用量は9kWhくらいなので、
73kWhあれば8日間くらいはサバイバル可能かなと言う感じです。
(使う機会がないことを祈ります!)
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Posted at
2020/02/21 22:08:40