
猛暑が続きうんざりですが、
外出先の外気38℃の炎天下駐車時でも、乗り込むちょっと前にリモートエアコンで冷房起動すれば、10分たたずに車内は快適に冷えていますので、この時期にはありがたい装備です。このエアコンの冷房能力は立派です。
さてこのエアコン、どのくらいの冷房能力なのか?ちょっと調査してみます。
OBDモニタにエアコン消費電力を出しているので、数値を見てみました。
まず炎天下駐車後、車内に乗り込みエアコン起動してみます。クルマは駐車状態です。午前10時、晴天、外気33℃、設定24℃、車内温度は体感50℃?以上。風量は最大で内気循環。
このとき、エアコン消費電力は2.2kWでした。
車外ではコンプレッサ稼働音がブーンとしています。ルームエアコンの室外機と似た感じ音質音量です。
一方で、炎天下駐車後、クルマに乗り込み、走行させ約25km/hを超えると、エアコン消費電力は2.2kWから一気に上がって3.5kWとなります。何度か観察しましたが、3.5kWが最大消費電力のようで、クルマを25km/h以下に減速させると消費電力が低下して2.2kWくらいに落ち着きます。
どうやら、停車中or低速走行中はエアコンの能力を絞っているようです。
電動コンプレッサ方式のエアコンなので、停車中でも走行中でも関係なくエアコンは最大能力で運転出来るのだと思っていましたが、車速依存の制御があるようです。
停車時のコンプレッサ動作音を抑えるためでしょうか?停車中は室外熱交換器への風量が不足するから?理由はよくわかりませんが、早く車内を冷やしたければ、エアコンを最大能力で稼働させるために、走行するのが良いようです。
まあ停車状態のエアコン能力でも冷房能力は十分ではありますが。
■冷房能力はどのくらい?
消費電力から冷房能力を出すにはCOPの値が必要ですが、プリウスPHVのエアコンシステムのCOPがいくらなのか、データが見当たりません。
電動エアコン開発当時、25年前のデンソーの文献を見つけましたが、これによれば、中間性能時でCOP2.0、最大性能時でCOP1.6くらいのようです。
条件がよくわかりませんが、家庭用ルームエアコンの半分くらいでしょうか。
https://www.denso.com/-/media/jp/ja/innovation/technology/dtr/v01/dissertation09.pdf
クルマのエアコンの場合、エンジンルームやインパネ内の狭いスペースへの搭載が必要であり、ルームエアコンと比べて効率よりも小型軽量化を重点に設計されていると思われ、その分COPはルームエアコンには劣るのだと思います。
とりあえずデンソー文献のCOP値を当てはめると、冷房能力は、停車時では2.2kW×COP2.0=4.4kW程度、走行時では3.5kW×COP1.6=5.6kW程度になります。
ただ、25年の間で性能改善も進んでいると思いますので、1割増しくらいで見ると、停車時5kW程度、走行時6kW程度の冷房能力と思われます。
■ルームエアコンで言えばどんな機種?
ルームエアコンで言うとどんな機種に相当するのか、パナソニックの機種で調べてみました。
https://panasonic.jp/aircon/products/20x.html
ルームエアコンで言えば、18畳用(最大冷房能力5.7kW)に相当する性能でした。
結構デカいのがついています。
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Posted at
2020/09/06 17:17:48