
ホンダの新型EV、N-VAN e:
取説を読んでいると見慣れない警告灯が装備されていることに気づきました。
https://www.honda.co.jp/ownersmanual/pdf/auto/n-vane/3039J6000_web.pdf
高電圧バッテリー熱異常警告灯!
これがついたら
ただちに安全な場所に停車し、車外退避!
通常生じうる設計想定範囲の電池温度上昇の話ではないですね。
熱暴走など、明らかにリチウムイオン電池が制御不能な不具合を起こしている場合に表示される警告灯のようです。
リチウムイオン電池がクルマに搭載されだしてから15年?くらいでしょうか。
そもそも不安定なリチウムイオン電池、発煙事故のリスクをゼロにできないことは承知の上、最大限可能な設計配慮は施した上で、おそるおそる車載を決断したものと思いますが、あまり生々しい表現やユーザーにリスクを意識させたり特定の行動を要求するようなことはなかったと思います。
時代は変わったのでしょう。あちこちでリチウムイオン電池が使われ、発火事故も珍しくなくなりました。皆がそれなりにリスクを認識していると思います。
火災原因のうち電気火災が占める割合、その中でリチウムイオン電池起因のものが占める割合は年々増加のようです。
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/camp/2022/202207/camp3.html
機は熟したということでしょうか。
あるいは何か規格が改訂されたのかわかりませんが。。
リスクを明確にし、表示灯を設けて情報を伝え、車外退避を取説に表記するという、当たり前と言えば当たり前ですが、自ら不完全?な製品であると言っているように取られるだろうし、そういう世間の意図しない反応を考えるとなかなか難しい点もあったと思います。
なんでも100%の安全性を求められがちな世の中(日本だけ?)ですが、技術に100%などというものはあり得ません。そのわずかなリスクをユーザーに正しく理解させ、リスク回避の行動をとれるようにし、受け入れ可能な被害に抑えることが、本来あるべき有効な手段だと思います。
そう考えると、技術的に正しい真面目な設計のEVだと思いました。
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と、ここまで書いて、ホンダだけが先頭を切って議論を呼びそうな警告灯を装備するかな?と思い、調べてみました。
どうも、国連規則UN-R100の改訂に伴う対応で追加されたようで、新車は昨年9月以降、継続生産車は来年9月から適用のようです。
https://www.mlit.go.jp/common/001396656.pdf
検知手段として、熱暴走検知専用のセンサも開発されているようです。
熱暴走した電池セルの放圧弁から放出されるガスや微粒子を検知する仕組み。
https://www.digikey.jp/ja/blog/monitoring-lithium-ion-battery-packs
こういうのはルールを作ってみんなで進めないと難しいですね。
警告灯がない既存電動車も、おかしいと思ったら車外退避!
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Posted at
2024/06/22 21:25:21