
HybridAssistantで取得できるデータの中に、駆動用電池の充放電電力リミッタ値があります。
このリミッタ値の範囲内で、充放電がなされるよう制御されているようです。
そこで、満充電状態からHV切替になるまで走行し、この充放電電力リミッタ値の値がどのように変化するのか検証してみました。
外気温は26℃~30℃、電池温度は30℃~35℃です。
青色のカーブは、放電側(力行加速側)の電力制限値です。最大値は68.4kW。
デュアルモータドライブ駆動時の最大出力はMG1(53kW)+MG2(23kW)=76kWかと思いきや、
そうではありません。ちょっと残念ですね。。
また、この68.4kWはSOC50%以上の場合に限られます。SOC50%以下では直線的に電力制限値は下降してゆき、HVへの切替直前のSOC13%時では58.4kWとなり、68.4kWからは15%も減少します。なかなか厳しいですね。。SOCが低い時にアクセル開度大とするとエンジンが始動することがありますが、放電電力制限のために電池のみの出力ではパワー不足だからなのでしょう。しかし最大出力がsoc50%以上に限られるとはちょっと予想外でした。
オレンジ色のカーブは、充電側(回生側)の電力制限値です。こちらはまあ予想通りの結果でした。
SOC75%以下では-40kWが回生電力の最大値です。これはOBDモニタでモータ出力を見ているとなんとなくわかりました。
SOC75%以上では、回生制限が掛かり、SOC80%で-37.2kW、SOC85%で-27.5kWとなります。この辺は実用上は支障ないかと思います。
ちなみにリーフのナビにある電力モニタでは、モータの回生電力は-30kWまでの表示でしたので、PHVはリーフより最大回生性能は大きいです。
次に、電池電力リミッタ値とともに、今回の走行での実際の充放電電力をプロットしました。グレーの点がその動作点になります。
家族乗せての運転でしたので、普通に穏やかな運転です。都市部を流れに乗っての走行です。
力行最大電力は40kWでした。ちょっと強めの加速時だと思います。
普通に運転する範囲では±30kWの範囲で動作しており、リミッタ値の範囲内で推移しています。
回生最大電力は-37kW程度で、回生側のリミッタ値上に何点か存在しています。ちょっと強めにブレーキを踏むことはままありますので、そういう特にこの回生側のリミッタに当たっているようです。しかし大部分は、リミッタの範囲内でブレーキングできているようです。
ということで、電池電力リミッタについて、基本特性が明らかになりましたが、
力行側の制限値は予想外でした。SOC50%以下では、フル加速時にはトルク頭打ちがより強く感じられるものと思います。次期車では改良されるべきところでしょうか。
回生側は必要十分かなとの印象でした。
電池温度が低下すると、おそらくこの値が変化するのだと思います。
また寒くなったら見てみようと思います。
Posted at 2019/09/01 17:35:07 | |
トラックバック(0) | クルマ